種類がたくさんあって、味の違いもイマイチ分からない…複雑な情報が入り混じって「日本酒は難しい」と思い込んでしまっていませんか? でも、考えてみれば日本酒は“お米”でできたお酒なんです。お米ならぐっと親しみを感じますよね♪ 特別な日だけのお酒に留めてしまわないで、おうちでも気軽に日本酒を楽しみましょ。
出典: 同じ銘柄なのに何本も並んでいたり、時期によって味が変わったり。日本酒の種類は数えきれません。ですが、ラベルに書いてある情報を見ると、どんな味かイメージできるようになるんです◎いきなり全てを理解して……というのは難しいと思いますので、好みの味を見つけやすくなるポイントをお伝えします。
出典: 日本酒の原料は「米」と「麹」と「水」。
■純米酒は、この3つの原料のみで造られたもので、ふくよかなお米の味が魅力です。
■本醸造酒は、この原料が全体の90%以上で、残りを醸造アルコール(主にサトウキビを原料としたお酒)やブドウ糖・アミノ酸などで整えたもので、風味や香りで多様な味わいを演出できます。
よく甘口・辛口と表される日本酒ですが、中に含まれる糖度が基準です。糖度が高いほど甘口であり、「日本酒度」で見分けることができます。日本酒度とは、水の比重をゼロとしたとき、酒の比重はいくらであるかを数値化したものです。
糖度が高いと比重が軽くなるのでマイナス(甘口)に、少ないと重いのでプラス(辛口)になります。
出典: 日本酒度と合わせて確認したいのが「酸度」。これは酸味や旨味を示す数値です。数値が高いほど濃厚でコクがあり、低いと淡麗でキレのいいお酒になります。
また、通常は黄麹を使用しますが、焼酎に用いられる「白麹」で仕込んだ日本酒は酸度が高くなります。酸度が記載されていない場合、もう一つの指標として覚えておきましょう◎
お米の外側のタンパク質やミネラルは旨味のもとになり、使用する部分が多いと複雑な味わいになります。ただ、雑味と感じることもあり、精米段階でお米を磨くことでクリアですっきりしたお酒になるのです。削り具合は「精米歩合○%」と表記され、これは「お米の部分がどのくらい残っているのか」を数値価しており、高ければ削りが少なく、低いほど多く削っています。
削りを多くするとその分お米が必要になるので、精米歩合60%以下で造られた日本酒は「吟醸」、50%以下は「大吟醸」と呼ばれ、高級になります。
複雑で繊細な味を持つ日本酒は、おつまみでさらにおいしく進化します。和食のイメージが強いと思いますが、味わいの幅が広いので、イタリアンや中華などでもよく合います。
相性のいい酒とおつまみを合わせることを「ペアリング」といい、食材と酒が必要な味を補ったり、引き立て合ったりするのです。次は、味のイメージ別の日本酒と、ベストマッチなおつまみレシピをご紹介します!
お米の味を感じる純米酒。奥深くて甘い香りと、旨味の強い味わいが特徴です。しっかりと味付けした料理や、バターやホワイトクリームを使った洋風料理との相性も最高です。
出典: 精米歩合70%、コクと甘みのバランスがとれた穏やかな甘口。初心者でも飲みやすい底アルコールの日本酒で、ロックやソーダ割りにしてもおいしいですよ。
●甘酸っぱさがこってりとした料理とよく合うため、肉料理やチーズとのペアリングがおすすめ!
出典: 《簡単レバーペースト》
市販の焼きレバー串を使った簡単レバーペーストはベストマッチ◎ コクのある料理には、コクのあるお酒がよく合います。旨味と甘味が含まれるレバーに、濃醇甘口の日本酒がマッチング。脂っぽさも程よい酸が調和してくれます。
出典: 精米歩合80%、琥珀色のとろりとした純米酒です。手作業にこだわった“生もと仕込み”で甘さを最大限に引き出し、酸味が酒の輪郭を引き締めます。
●クリーミーな料理に合うまろやかな飲み心地◎ バランスのよい旨味で、味の濃い料理にも負けません。
出典: 《里芋のゴルゴンゾーラ》
チーズで作るクリームソースが、ホクホク&ねっとりな里芋に絡んでおいしいです。一見ミスマッチのように思える日本酒×チーズですが、どちらも発酵食品のため、問題なく合わせられます。少しクセのあるゴルゴンゾーラがやみつきに♪
日本酒の花形、吟醸酒。果実や花のようなフルーティーな香りが特徴で、ワイン派の人にぜひ飲んでいただきたいです。素材の味を活かした料理との相性抜群◎ ドライフルーツやチョコレートと合わせるのもおすすめですよ。
出典: 高知県で開発された独自の酵母“CEL-24”で醸した、精米歩合50%の純米吟醸酒です。土佐酒としては珍しい甘口で、まるで白ワインのようなフルーティーさは、飲む度にクセになっていく味わいです。
●酸味とのバランスがいいので、フレッシュな野菜や生ハムなどと合わせたいですね。
出典: 《アスパラガスと生ハムのマスタードマリネ》
フルーティーな日本酒と生ハムの塩気との相性に間違いはありません。アスパラの苦味と甘口のお酒を掛け合わせることで、旨味が増します。また、マスタードが全体の風味を底上げしてくれて、お洒落な晩酌を演出します。
出典: 精米歩合50%、日本酒度±0、甘味酸味とも抑えめなフラットな純米吟醸酒。上品な口当たりが柔らかく広がり、ほどよい香りがきれいにふくらむ滑らかな飲み口。
●甘酸っぱい料理と見事に調和し、食前から飲んでも食中で飽きません。
出典: 《食べる玉葱ドレッシングでカラフルサラダ》
マイルドな米酢のドレッシングは相性抜群。玉ねぎ2個をまるまる使って甘みと旨味を余すことなく堪能できます。トマトの酸味がバランサーの役割になるので、かぼちゃやアボカドなど、ぽてっとした味の野菜とどうぞ♪
広範囲の料理と合わせられる食中酒の代表、本醸造酒。香りは控えめで、清涼感のある味わいが特徴です。淡白な魚介類や、あっさりした味付けの料理の旨味を引き立て、濃厚でこってりした料理なら脂を抑えます。
出典: 北陸随一と言われるブランド力を持ち、高い品質が多くの日本酒通から支持されている立山。ほのかな芳醇香、ほどよい旨味があり、後味でキリッとしまる本醸造酒です。
●刺身やお鍋などにも合わせたい淡麗辛口。
出典: 《刺し身のハーブ締めカルパッチョ》
やはり本醸造酒は真鯛やスズキ、イサキなどの淡泊な白身魚と合わせたいところ。魚の旨味を堪能しながら、脂をさらっと流してくれます。爽やかに口に広がるローリエの風味もお楽しみください。
出典: 軟水仕込みを生かした、淡麗辛口の本醸造酒。雪解け水のようなサラッと清らかな口当たりで、スイスイ飲めます。主張は強すぎず、香りも穏やか。
●刺身はもちろん、肉料理や中華にもよく合います。どんな料理でも受け止めてくれる懐の広いお酒です。
出典: 《中華風肉みそ奴》
冷奴は普段のおかずやおつまみとしても定番ですが、甘めの甜麺醤と干しエビを入れた中華風の肉味噌でアレンジを楽しんでみてはいかがでしょうか。ごま油の香ばしい風味に、箸もグラスも止まらなくなりますよ。
クエン酸を多く含む白麹仕込みの日本酒は、柑橘のような爽やかな酸味を持つ独特のフレーバーに仕上がります。唯一無二の味を追求する、まさに日本酒界のパイオニアです。新しいものに惹かれる人におすすめ♪
出典: 爽やかな香りに、白麹ならではのキュッとした酸味があります。日本酒だと思って飲むと驚くほど軽やかな、他の日本酒に準ずることのないまさに猫のようなお酒です。
●トマトやバルサミコ酢など、酸味の効いた料理とマッチします。イタリアンや中華のお供に◎
出典: 《海老と鮭のトマトグリル》
白麹で造られた日本酒は、洋食との相性抜群◎酸味がトマトとマッチングし、さらに鮭とエビの旨味を最大限に引き出します。普段はワイン派という人にぜひ試していただきたい、お酒の新しいペアリングです。
出典: ラベルや名称から分かるように、魚介類と合わせるために造られた海風土(シーフード)。白麹がなせるレモンなどの柑橘のような爽やかな酸味が特徴です。冷やしてもおいしいですよ♪
●牡蠣や塩焼きの魚、魚介類のマリネ、魚のフライなどと合わせて楽しんでください。
出典: 《牡蠣のシンプル蒸し》
ふっくらクリーミーな牡蠣には、爽やかな酸味が特徴の白麹日本酒がよく合います。魚介類特有の磯臭さを感じさせず、甘さや旨味が口の中に広がります。せっかくなので、シンプルな味付けの料理とどうぞ◎
イメージできたなら もう飲みたくなっているサイン♪
出典: 知れば知るほど広がっていく日本酒の世界。最近は、日本酒の概念を覆す新しい味もどんどん登場しています。味のイメージや食べてみたいレシピが思い浮かんだら、もう飲みたくなっているサイン♪ラベルに一目惚れ……なんていうのも、もちろん有りです◎ぜひ、自分の舌でお試しください。
おうち時間の楽しみの一つに、美味しいお食事とお酒という人も多いのではないでしょうか?日本酒の面白さが分かるにようになったなら、ぜひ用意したのが酒器セットです。ビールのようにグラスでも良いけれど、徳利とぐい吞みが揃っていれば、一層日本酒の美味しさが楽しめますよ♪
せっかくなら、酒器にもこだわってみませんか?
自由気ままにゆったりと。旅のお供はいないけど、美味しい日本酒と料理を味わうちょっと大人で贅沢なひとり旅。日本には古くから使用されている酒蔵が今尚残り、訪れる人々に日本酒の魅力を伝え続けています。水・米・その土地の風土で変わる味。知れば日本酒がもっと好きになる、大人のひとり旅にぴったりな全国の酒蔵と、その周辺で日本酒を美味しくいただけるお店で、素敵なほろ酔いの旅をお楽しみください。
もっと深く日本酒を知りたいと思っていただけたなら、ぜひ酒蔵へ足を運んでみてくださいね♪
日本酒の原料は「米」と「麹」と「水」。
■純米酒は、この3つの原料のみで造られたもので、ふくよかなお米の味が魅力です。
■本醸造酒は、この原料が全体の90%以上で、残りを醸造アルコール(主にサトウキビを原料としたお酒)やブドウ糖・アミノ酸などで整えたもので、風味や香りで多様な味わいを演出できます。