かいしきを使って、情緒ある日本の美を
季節感や瑞々しさをプラスする「青かいしき」
笹や紫蘇、紅葉など、植物の葉などを使うかいしきを「青かいしき」と呼びます。お料理を引き立てるアクセントになります。
お菓子や天ぷらなどに使う「紙かいしき」
かいしきで使う葉っぱってどんなもの?
笹の葉はお料理に使うかいしきとして、お店で販売されていることが多く、入手しやすいかいしきのひとつです。大きく一枚で使えるため、存在感があります。
小さな笹の葉は動きを表しやすく、ぱっと華やかな雰囲気を演出するのに向いています。
なんてんの葉は、難を転ずるということから縁起の良いかいしきとされてます。小さなグリーンの葉が瑞々しく、ひと枝でも風情ある雰囲気を楽しめます。
かいしきを使った美しい盛り付け実例
ベーシックにメイン料理の下に敷いて
基本のお膳をより鮮やかに
和風ハンバーグに紫蘇は付け合わせとしてもよく使われる組み合わせ。上からかかったおろしだれと斜めのラインを構成して、バランスよく見せています。
えびを一匹、お皿に盛りつけるときにかいしきがあるとないとでは雰囲気の良さがまったく異なります。ほんの少しでもグリーンが入るとぐっと締まりますね。
小皿をいくつも使い、丁寧に作り上げたことがよくわかる素敵なお膳です。お皿のかたちや色味も考えられたかいしきで、和の美を感じます。
シンプルな焼きいわしにもかいしきはよく似合います。お皿からはみだすように置いた紫蘇が可愛いですね。
お魚に使っている立体的なお皿にかいしきをアレンジすることによって、さらに奥行きのある雰囲気を作り出しています。お皿の余白を上手に使っています。
朝ごはんのお膳にかいしきを敷くと、まるで旅館の朝ごはんのように見えますよね。盛りつけひとつで、お食事をいただくときの気分まで変わるなんて、すごいことですよね。
お魚のお皿から大きく飛び出るようにアレンジしたかいしき。お庭の緑の息吹をそのまま感じる生き生きとした盛り付けが素敵です。
白い大きめプレートに大きめのかいしきでグリーンの印象を強めています。大小のお皿に緑がすこしずつアレンジされ、リズミカルに見えますね。
大皿を彩るアクセントとして
大きめのお皿を贅沢に使ったおかずの盛り付けです。一枚の笹の葉のベッドにきちんと収まるように盛りつけられた鮭の切り身。お皿に直接置くよりも、焼き色のついた身の部分が美味しそうに見えます。
プレートの向こう側から飛び出すようにアレンジされた笹の葉は、白い深さのあるプレートのアクセントになっています。緑のお野菜が足りないなと思ったら、まずはかいしきをプラスしてみると見栄えがよくなります。
シックな色味のプレートにもすこしくすんだような色合いの笹の葉は趣を添えてくれます。丁寧に盛りつけを楽しむ様子が感じられます。
食材のかたちを際立たせてくれるのも、かいしきの役割りのひとつ。グリーンの葉のかいしきは、どんな色味のお皿にもよく合います。
ごはんをのせて華やかアレンジ
ワンプレートごはんのときは、かいしきの上をごはんのエリアとするのもいいアイデアです。ごはんがお皿にべたべたとくっつきませんし、きっちりとエリア分けされていることで見た目もよくなります。
サラダの代わりにちらりとグリーンをアレンジするのも素敵。お皿のリムにかけるようにすると、グリーンが生き生きと感じられますよね。
緑のお豆を入れたごはんを型抜きして、上品なワンプレートに仕上げています。笹の葉の艶やかな質感と、お豆のつるんとした表面がうまくリンクしています。
梅型で抜いたごはんにグリーンを添えるとまるで会席料理のような上品さが生まれます。シンプルな食材ばかりですが、大切にいただきたくなりますよね。
おにぎりだってよそゆき顔に大変身
いつものおにぎりもかいしきがあると、ぐっと華やかに見えます。葉っぱが大きすぎるときはお皿の大きさに合わせて、カットして使っても大丈夫です。
真横に配置した笹の葉と手前側にくるように配置されたもみじのかいしき。食材だけでは足りない緑の色味を、上手にバランスよく入れ込んでいます。
プレートに沿わせるようにしてすこし立ち上がりをつけた笹の葉。横から見たときのラインがとても美しいですね。どの方向から見せたいかをよく考えて作られた盛り付けです。
小さめざるからはみだすようにして配置された笹の葉のかいしきがとても瑞々しい雰囲気を醸し出しています。お味噌汁にもグリーンが少し添えられて、バランス感覚抜群ですね。
スイーツに添えるのも定番中の定番
ほんのひと枝のかいしきがあるだけでも、丁寧な印象を作ることができます。枝が大きすぎるときはお菓子の大きさに合わせて短めにカットしてあげるといいですね。
隅々まで心を配って美しい食卓を
かいしきを使いこなせるようになると、和食の盛り付けが一段と上手になります。まずは紫蘇や笹の葉など手に入りやすいかいしきからチャレンジしていくと、使い方をマスターしやすいですね。かいしきを使って、より素敵な食卓を目指してみてくださいね♪
「かいしき」とは、お料理の下に敷く葉や紙のことを指す言葉です。食べるものではありませんが、和食では「かいしき」があるとぐっと格調高い雰囲気を醸し出すことができます。