出典: 定番の煮込み料理やおでんなどで人気の「牛すじ肉」。その食感と食べ応え、しみ出すうまみにファンも多いですが、おかずの一品として日々食卓に登場させるにはちょっと面倒に感じることも。牛すじを家庭でも美味しく味わうために下処理法のコツをマスターし、レシピのレパートリーを広げてみませんか?
牛すじは、牛のアキレス腱などすじが入った肉を指します。牛すじはじっくり煮込めばとろとろの柔らかさ。本来の肉とはまた違ったうまみがあり、くせになる美味しさです。
脂が多いため健康によくないと思われがちな牛すじ肉ですが、実は肉の中では意外と低カロリーで、サーロインの1/3以下のカロリーです。ぷるぷるしているのは、脂ではなくゼラチン質、つまりコラーゲン。コラーゲンはほとんど脂を含まず、しかもたんぱく質の一種なので栄養があり、丈夫な骨作りに役立つといわれるビタミンKも豊富です。
牛すじ肉は、煮込み・カレー・おでんなど、じっくりコトコト火を入れる料理がやはり人気です。ただ、以下でご紹介する下処理さえ時間のあるときにしておけば、あとは普通のお肉のように炒め物や肉じゃが、ハンバーグなど幅広い料理にも使えます。ちょっと多めに下処理してストックしておくと重宝しそうですね。
出典: まずは、牛すじだけをたっぷりの水に入れて沸騰させ、1分ほどゆでたらザルに上げ、すじ肉をきれいに洗ってください。そして、続けて2回目の下ゆでをしますが、今度は臭み取りのためにねぎの青い部分やしょうがの薄切り(皮ごと)を加えていっしょに火にかけます。
ゆで時間は1時間半~2時間程度。アクがまだ出る場合は取り除き、また水が少なくなったら足しながら弱火でゆでましょう。下ゆでした牛すね肉は一度冷まし、固まった脂を取り除いてください。
牛すじ肉の下ゆでの方法を動画でもチェックしましょう。
牛すじの下処理を時短でするには、圧力鍋がおすすめ。普通の鍋での下ゆでと同様に、まず1回目のゆでこぼしを鍋で行います。その後、ねぎの青い部分やしょうがを加えて圧力鍋へ。一般的な圧力鍋なら30分ほどで柔らかくなります。
また、炊飯器使用の場合も一度ゆでこぼしたすじ肉を適当な大きさに切って、ねぎやしょうがとともに炊飯器へ。通常炊飯でOKですが、もしまだ硬いようならもう一度炊飯スイッチを押すか、早炊きをしましょう。
下ゆでした牛すじ肉は、ゆで汁から出して冷凍することもできますし、ゆで汁ごと冷凍することもできます。ゆで汁ごと使う煮込み料理の場合は後者がおすすめ。
肉だけを冷凍する場合は、チャック付きの保存袋に肉を入れて、乾燥防止のためにゆで汁を少しだけ加えて空気を抜いてから冷凍庫へ。1~2か月が保存期間の目安です。
出典: 牛すね肉を下ゆでしたあとのゆで汁(ビーフストック)は、スープなど和洋のいろいろな料理に使えて便利。記事の後半で、ビーフストックを活用したレシピをご紹介します。
出典: 牛すじと大根、こんにゃくの本格的な煮込み。お鍋を使って、じっくりことこと火を入れます。途中、ある程度汁気がある状態で芯まで完全に冷まして味をしみ込ませ、その後さらに煮詰めましょう。冷ます段階で冷蔵庫に一晩置き、仕上げの煮詰めを翌日するのもいいかもしれません。
出典: こちらは玉ねぎを使ったシンプルな牛すじ煮込みのレシピ。とろとろ玉ねぎが甘くて美味しい。牛すじのゆで汁も使って、コクとうまみのある味に仕上げています。
出典: こちらは、圧力鍋を使った時短レシピ。まず通常の鍋で牛すじ肉をねぎやしょうがとともにゆでこぼし。その後、すね肉を適当な大きさに切って、他の具材や調味料も加えて加圧します。2回目の下ゆでがないのでお手軽で、とろとろぷりぷりの美味しさを堪能できます。
出典: 豆腐や根菜を加えた具だくさんの牛すじ煮込みは、醤油と赤だしの上品な味付け。栄養バランスもよく、山椒で風味付けするのも特徴的です。
出典: 牛すじと板こんにゃくを使った煮込みは“すじこん”と呼ばれますが、醤油ベースの味付けで甘辛く煮込んだ「ぼっかけ」は、神戸のソウルフードとして知られています。煮込みとして楽しんだあとは、うどんやコロッケに使っても◎
出典: 煮込み料理に適したストウブ鍋で作れば、すじこんも柔らかく仕上がります。牛すじ肉のゆでこぼしを1回したら、あとは具材と調味料をストウブ鍋に入れて弱火でじっくり煮込めばOK。糸こんにゃくにも美味しいうまみがしみ込みます。
出典: 牛すじやモツを味噌で煮込んだ名古屋のどて煮ですが、合わせ味噌を使って関西風に。だしをしっかりときかせて、調味料は控えめにあっさり風味に仕上げています。
出典: 白味噌をきかせた大阪で人気の牛すじ煮込み。こちらのレシピでは、昆布茶を使って上品なうまみを出しています。おかずはもちろん、おつまみにもぴったりの一品です。
出典: 甘みと辛さのバランスが絶妙な味噌とだしベースの韓国風牛すじ煮込み。牛すじは白菜キムチと意外とよく合います。普通の和風煮込みに飽きたら、ぜひ一度お試しください。
出典: 時間のかかる牛すじ肉の赤ワイン煮も、圧力鍋を使えば時短でとろとろになります。牛すじのうまみを堪能できる洋風のメインディッシュです。
出典: 牛すじのビーフシチューは、洋食の定番人気メニュー。鍋で煮込んだら一晩置き、浮いた脂を取り除いていったん肉やセロリの葉などを取り出します。そして、残りをブレンダーにかけてなめらかにし、肉を戻しましょう。あとは、煮詰めた赤ワインや塩ゆで野菜を加えて完成です。
出典: ピリ辛風味の牛すじのトマト煮込みです。スパイシーな洋のテイストに、だし醤油の和の風味がアクセント的に加わって、調和の取れた味わいに。
出典: 風味豊かなコクが生まれる牛すじのバルサミコ煮。たっぷりの黒粒こしょうや赤唐辛子を使って、牛すじのくせを抑えています。グリルしたミニトマトや粉ふきいもを付け合わせにどうぞ。
出典: ストウブ鍋で下ごしらえした牛すじを使ったチリコンカン。トマトソースと金時豆は缶詰でもOKです!こちらのレシピでは筍を使ってシャキシャキ感も出しています。
出典: ビールで柔らかく煮込んだビーフシチュー風のごちそう感のあるひと皿。あらびきチリペッパーのピリ辛で、牛すじのくさみも抑えられます。お酒にも合いそうですね♪
出典: 牛すじのくせをカレー粉で和らげた洋風煮込み。にんじんやブロッコリーなど彩り豊かな野菜が見た目にも美しい一品です。ご飯にかけて丼にするのもおすすめ。
出典: 圧力鍋使用で、お口の中でとろけるような牛すじ欧風カレーに。おもてなしにもおすすめの極上の味わい。市販のカレールーやトマトジュースを使っているのでお手軽です。
出典: 仕上げに中濃ソースを加えた牛すじカレー。時間のあるときに牛すじの下ゆでをしておけば、あとは40分ほどでできあがります。バターライスにマッチする濃厚な美味しさです♪
出典: スパイスを使って圧力鍋で煮込む牛すじカレーのレシピ。にんにくをすりおろして加えてほどよいとろみをつけるため、市販のルーは不要です。隠し味の味噌もポイント。とろとろ柔らかな牛すじとスパイシーな味わいがくせになります。
出典: 新玉ねぎをたっぷりと使った自然な甘みがやさしい牛すじカレー。かつおだしや醤油など和の味わいもきかせた、どこか懐かしさを感じる美味しさです。
出典: 牛すじ肉とにんにくがごろごろ入った個性強めな黒カレー。牛すじを煮込んだスープ、ローストした小麦粉、ローストガーリックなどを使い、香ばしくてうまみたっぷりな味に仕上げています。
臭み消しのホールスパイスとともに牛すじを圧力鍋にかけ、自然放置。フライパンでクミンシードをじっくり炒めて香りを立たせ、飴色玉ねぎを作ります。そして、トマトピューレなどを加え、牛すじとゆで汁を入れて煮込みます。よりスパイス感を出すには、ゆで汁よりも水を加えた方がいいようです。
出典: 炊飯器で簡単に下ごしらえした牛すじを、あっさりポン酢仕立てに。冷やして煮こごりにしても美味しいですし、温めてもOK。動画付きで分かりやすいレシピです♪
出典: 牛すじ・豚バラ・エビと豪華な具材が入った関西風お好み焼きは、ボリュームも美味しさも満点!大人も子供も大好きな味です。
出典: すじこんを多めに作ったら、リメイクでねぎ焼きにするのもおすすめ。目玉焼きに、ねぎをたっぷりと乗せれば見た目も華やか。すじこんがあれば、ホットプレートで簡単にできますよ。
出典: 無水調理ができるストウブ鍋で野菜からの水分と調味料だけでことこと煮る牛すじ肉じゃが。薄口しょうゆとだしで上品な味付けに♪ストウブ鍋は、火を止めてからの放置時間の間に味がよくしみます。
出典: こちらは、オイスターソースやにんにくなどでパンチをきかせた牛すじ肉じゃが。おかずにもおつまみにもなるコクのある味です。圧力鍋なら30分程度でできます。
出典: 炒め料理としても美味しい牛すじ。豆板醤のピリ辛の味付けもうまみを引き立てます。セロリときゅうりは、あとから加えてシャキシャキ感を残すのもポイントです。
出典: 定番人気のハンバーグも、牛すじを入れることでとろとろ感とうまみが増し、いつもとは違った味わいに。ソースは醤油ベースの和風味で、温泉卵をのせてつくね風に仕上げます。
出典: 甘辛く煮付けたとろとろの牛すじとねっとりした里芋がいい相性。濃いめの味付けで、白いご飯が進みます。
出典: トマト煮は作り置きできるので、保存しておいた牛すじを使えばチーズをのせて焼くだけと超お手軽!ちょっとしたおもてなしにもよさそうです。
出典: 牛すじを使った鍋料理の代表格、おでん。串を打った牛すじは、大根とともにおでんにはなくてはならない主役ですね。大根は、電子レンジにかけて下ごしらえしておくことで、早く柔らかくなります。
出典: コクとうまみがたっぷりのキムチ鍋。豚肉が定番ですが、牛すじ肉を使うことで新鮮な食感を楽しめます。野菜もたっぷりで栄養バランスも抜群。シメは、中華麵やインスタントラーメンがおすすめです。
出典: ソルロンタンは、骨付き牛を長時間煮込んだ韓国のスープ。現地では専門店もある人気の料理です。こちらのレシピでは、牛すね肉を使っていますが、すじ肉を加えると食感の違いも楽しくさらに美味しく仕上がりますよ。
出典: あっさりした中にも肉のうまみがしっかり感じられるスープ。シンプルな味わいで、どんな料理にもよく合います。
出典: 牛すじとや焼き麩を卵とじにして柳川風に。だしとめんつゆなどを使った上品な味わいです。焼き麩はしっかり戻し固く絞るのがポイント。
出典: 牛すね肉に合うピリ辛の美味しさとれんこんのシャキシャキ感が特徴のスープ。栄養もボリューム感も満点で、メインおかずのひとつにもなる汁物です。
出典: 神戸で愛されるすじこん(ぼっかけ)を丼物に。甘辛く煮込まれたぼっかけは、おつまみだけでなく、白いご飯とも好相性。濃いめの味付けで、お代わりしたくなる美味しさです。
出典: 牛すじ肉の煮込みがどんとのった牛すじうどん。だしのきいた関西風のうどんつゆがよくマッチします。食べ応えがあるので、ほかにおかずがなくてもこの一杯で満足感があります。
出典: 牛すじはカレー味にぴったり。ライスだけでなく、うどんにも相性抜群です。とろみのついた濃厚な味わいは、おなかの底から温まりそうです。
出典: 香味野菜を炒めたソフリットを使った本格的なラグーソースパスタ。牛すじのうまみ、野菜の甘みが存分に感じられるソースが絶品です。平麵のフェットチーネにソースがよく絡みます。
出典: 牛すじ肉の甘辛煮を使ったチャーハン。強火でパラパラに仕上げた中に、牛すじのとろとろした食感が楽しいひと皿。甘辛煮は、ほかにもラーメンや炒め物などいろいろな使いみちがあります。
出典: ピラフのようなエスニックな牛すじ入り炊き込みご飯。お好みでクローブやパンダンリーフ入れて炊いても、パクチーをトッピングしてもOKです◎
ここからは、牛すじ肉を下ゆでした際にできるゆで汁を活用したレシピをご紹介。牛すじのエキスが溶け出したスープを余すことなく使いましょう。
出典: ビーフストックをスープに使うのは、最もポピュラーな方法。簡単にわかめスープなどにするのもいいですし、このレシピのように牛すじ肉も入れてコムタンスープ(牛肉の煮込みスープ)にするのもいいでしょう。
出典: ビーフストックに野菜をたっぷりと入れた洋風スープ。肉のうまみや野菜の甘みで、シンプルな調味料でも深い味わいです。洋風料理にビーフストックを使いたいときには、下ゆでするときにローリエとにんにくを入れると踏み豊かに仕上がりますよ。
出典: ドイツの人気料理、豚のカツレツ「シュニッツェル」。ビーフストックを使ったほんのりスパイシーなトマトソースをかけていただきます。ワインにも合います。
出典: リンダールラーデンは、ドイツの定番の煮込み料理です。野菜を牛肉で巻いて炒めたら、ビークストック使用のトマトソースを注いでじっくり煮込めば、レストランのようなひと皿に♪
出典: ビーフストックスと牛すじを少し、あとは卵とねぎがあれば作れてしまう節約レシピ。あんかけにするとごちそうに見えてしまうから不思議です。
出典: 肩バラ塊肉を使った、テキサス風のBBQ。オーブンで一度焼き、ビーフストックを注いで再加熱。低温でじっくり焼き上げる柔らかな肉料理です。
出典: おでん以外にもバリエーション豊かな料理が楽しめる牛すじ肉。コラーゲン含有率も高く、美容効果も期待できるため女性にも嬉しいことばかり♪もちろん男性や子供にも好まれ、カレーやハンバーグなどの人気メニューにも使えるので、食卓のもう一品に取り入れてみてはいかがでしょうか。