ザワークラウトは、もともとの意味は「酸っぱいキャベツ」。ドイツのキャベツの漬物で、その酸味はお酢ではなく、乳酸発酵によるものです。

ザワークラウトは、ソーセージなどの肉料理の付け合わせにしたり、サンドイッチにはさむなどそのまま食べるのはもちろん、ザワークラウトの上に肉や魚をのせて蒸し焼きにするなど、料理の素材として使うことも多くあります。

ザワークラウトは、加熱しないことのでキャベツのビタミンCが損なわれず、しかも乳酸発酵でさらにビタミンCがアップするようです。健康にも美容にも役立つ、とても有能な保存食といえそうです。

基本的な材料は、キャベツと粗塩。あとは、キャラウェイシードや赤唐辛子、ローリエなどがあればおいしくできます。保存瓶などを煮沸消毒してスタンバイさせてください。

スパイスは、キャラウェイシードのほかに、クミンシードなどもおすすめ。スパイスを入れることで、爽やかな風味が加わります。

ヨーグルトメーカーがある場合は、それを利用するのもおすすめ。温度・時間が設定できますので、失敗がなくて安心ですね。

こちらは、塩もみしたキャベツに調味料を加えて煮る方法。ほかにも、キャベツを炒めて味をつける方法も。いずれも、乳酸発酵ではないので、お酢で酸っぱさを加えます。

ザワークラウトは、熱湯消毒した瓶や保存袋に入れて、2週間～1か月程度を目安に食べ切るといいようです。なるべく空気が入らないように注意しましょう。

失敗の一番の原因は、水分が多いこと。まずは、キャベツを丸のまま洗ってから千切りに。千切りにしてから洗うと、水っぽくなります。一枚ずつ葉を洗う場合は、よく水気を取り除きます。

また、キャベツは季節など条件によって含まれる水分量が違うため、水気の多いキャベツの場合は、少し塩を多くします。

ザワークラウトは、できあがっていくと水が上がってきますが、その際、泡のようなアクが出ることがあります。アクはていねいに取り除くと、味に失敗がありません。

こちらは、クミンを多めに使った、風味豊かなザワークラウト。クミンシードを炒めることで、より香りが立ちます。本格的な味を時短で楽しむレシピです。

塩麹を使うことで、まろやかな深い味わいに仕上げたザワークラウト。塩麹は、クミンシードなどの洋のスパイスとも調和します。キャベツの千切りは、細かすぎない方がザクっとした歯ざわりが楽しめるそうです。

黒酢を使った和テイストのザワークラウト。たまにはこんなアレンジもいいですね。キャベツがもりもりたくさん食べられます。

即席ザワークラウトを作るときに、甘酒を加えるのもおすすめだとか。酸っぱいのが苦手な人には食べやすく、また発酵させた甘酒ならばヘルシーさも加わっていいですね。

レッド（紫）キャベツを使ったザワークラウトは、美しくて前菜などにも映えますね。メインに添えるだけでも、華やかなひと皿になります。

白菜、柚子、刻み昆布などを使った和風のザワークラウトも面白いですね。日本の白菜のお漬物とはひと味違う風味を体験してみませんか？こちらのレシピは、ヨーグルトメーカーを使っています。

ザワークラウトは、いろいろな料理に使われます。たとえば、世界三大スープのひとつともいわれるボルシチなど、スープにザワークラウトを入れるのも一般的。上品な酸味が加わり、本格的な味になります。

塩麹で作ったザワークラウトを入れたポテトサラダ。酸味とうまみがいいバランス。おつまみにもなりますし、サンドイッチにしてもおいしいですよ。

肉とザワークラウトをいっしょに煮込むのは、ドイツの代表的な料理法。こちらでは、牛肉を使っていますが、一般的には豚肉が使われます。じっくりコトコト鍋で煮込むか、あるいは低温のオーブンで調理します。

ドイツと同じように、フランス・アルザス地方でも肉とザワークラウトを煮込む料理「シュークルート」があります。ザワークラウトの上に、塩漬け豚やベーコン、ソーセージなどをのせて蒸し焼きにするのが一般的な調理法のようです。

スパイスのきいたミートボールとザワークラウトを丼物に。手軽に、しかも栄養バランスのいい、ボリューミーランチができあがります。

コクのあるサバのカレームニエルに、さっぱりとした酸味のザワークラウトがいい調和をもたらします。パンを添えて、サバサンドにして楽しむのもいいアイデア。

ザワークラウトをハムや卵などとともにパンにはさんで、サンドイッチにするのもポピュラーな楽しみ方。こちらは、マヨネーズなしで、マスタードとザワークラウトを味つけのポイントにしたサンド。おつまみにもなる大人の味です。

ザワークラウトを作ったら、ぜひ作ってみたいのが、ホットドッグ。ソーセージとザワークラウト、アラビアータソースだけのシンプルなホットドッグも、うまみと酸味のコンビネーションで、あとを引くおいしさ。がぶりと大きなお口で楽しみましょう。

爽やかな酸味でいろいろな料理に合うザワークラウト。そんなドイツのお漬物を、ぜひ食卓に取り入れてみませんか？味の世界が広がり、しかもヘルシー。身近でシンプルな材料で作れるのもいいですね。