流行の鍋もいいけれど、日本全国には昔から伝わるおいしい「郷土鍋・郷土汁」がいっぱい。寒い季節は、ほっとするぬくもりの味をおうちで楽しんでみませんか?そこで今回は、北海道の石狩鍋や三平汁をはじめ、秋田のきりたんぽ鍋、青森のせんべい汁、山梨のほうとう鍋、神奈川の建長汁、愛知の味噌おでん、広島の牡蠣の土手鍋、福岡の水炊きなど、日本全国の郷土鍋と汁ものを、北から南までさまざまにご紹介します。あつあつの故郷の味で、体も心もぽかぽか温まりましょう♪2017年10月29日作成
自然の恵み豊かな日本列島。それぞれの土地で育まれた旬の食材をどっさり入れたて煮込んだ「郷土鍋・郷土汁」は、このうえなく贅沢な味ですね。この冬は、日本を旅するような気分で、各地の美味しいお鍋や汁を存分に味わってみませんか?
生鮭、ホタテ、味噌、バター、昆布など、北海道の美味が集結した「石狩鍋」。地元では、鮭の頭も入れるとか。いいだしが出るので、手に入ったらぜひ入れましょう。シメは、ラーメンなども北海道らしくていいですね。寒い日にぴったりのほっかほか鍋です。
「三平汁」の発祥は、渡島(おしま)半島・松前地方。ニシン漁がさかんだったころ、ぬか漬けのニシンを塩味の汁ものにしたのが始まりだとか。いまでは、一般的に塩鮭を使うことが多いようです。三平皿と呼ばれる深皿に盛ることから、この名がつきました。
「きりたんぽ鍋」は、秋田の比内地方が発祥です。本来は鶏だしを使う鶏鍋で、炊いた米をねばりが出るまでついて杉(秋田杉)の棒に巻き付けて焼いたきりたんぽを入れて楽しみます。米どころであり、比内鶏でも知られる秋田らしい郷土鍋です。
山形といえば、芋煮会で有名ですね。「芋煮鍋」のルーツは、元禄時代。最上川舟運の終点で、船頭が荷が引き取られるまでの退屈しのぎに作ったのが始まりとか。昭和に入ってからは、牛肉を入れるのが定番。もちろん、主役は地元名産のほくほくの里芋です。
「せんべい汁」は、鍋専用の南部せんべいを使った青森県八戸市周辺の郷土料理。汁物・鍋物、どちらにもなります。鶏や豚などのだしに、ごぼうやきのこの風味がきいた鍋で、おもに醤油味。だしを含んだせんべいはうまみたっぷりで、しかもふやけることなく、しっかりした歯ごたえが楽しめます♪
甲州名物の「ほうとう鍋」。かぼちゃの甘みと豚肉のうまみがよくからむ、みそ味の絶品鍋。本来は、包丁で刻んだ手打ちうどんを、ゆでずにそのまま鍋に入れてコクを出すようです。里芋やねぎ、きのこなど具だくさんで栄養たっぷり♪
まぐろとねぎのおいしさをシンプルに味わう「ねぎま鍋」は、江戸時代から伝わる庶民の味。当時、食用にしたのは赤身だけで、トロの部分は腐りやすいので廃棄されていましたが、それを工夫して料理にしたのがこの鍋。お手頃なまぐろのぶつ切りなどを使ってもおいしいです。
鎌倉に伝わる「建長汁」は、けんちん汁のもとになったといわれるすまし汁。建長寺の修行僧が作る汁がなまって、けんちん汁になったともいわれます。精進料理のため、植物性の材料しか使っておらず、大根・にんじん・ごぼう・里芋などをごま油で炒めてから煮込んでいます。
名物の八丁味噌を使った、名古屋の「味噌おでん」。大根やこんにゃく、牛すじなどにしっかりとした味噌の味がしみ込み、寒い季節にぴったりのコクのあるおいしさ。このレシピのように、豚のかたまり肉などを使うのもいいですね。
石川県は、治部煮で知られるように、鴨料理がさかんな土地。伝統の猟法で捕獲した鴨を使った「鴨鍋」は、貴重な郷土料理として受け継がれています。特徴は、鴨肉に小麦粉をつけてからだしに入れること。うまみをとじ込め、鴨本来の味を堪能する贅沢な鍋料理です。お店で鴨肉を見つけたら、ぜひお鍋にしてみてはいかが?
新潟では、お正月をはじめ、冠婚葬祭などさまざまな行事に欠かせない「のっぺい汁」。里芋やたけのこ、ごぼう、にんじん、鶏肉など具だくさん。具を小さく切るので、小煮物ともいわれ、栄養豊富な汁物です。本来は、貝柱でだしを取るようですが、一般的には煮干しだしでもOK。
大阪の代表的な鍋といえば「ハリハリ鍋」。本来はクジラ肉を使いますが、なかなか手に入りにくいので、牛肉や豚肉でもOK。肉のうまみと水菜のシャキシャキ感を味わう、シンプルながらの奥の深い鍋料理です。
ちりとりのような四角い専用鍋に、もやしやニラなどの野菜やホルモンなどがてんこ盛りになった「ちりとり鍋」。辛味噌などで味つけされ、大阪の下町の鍋として親しまれています。野菜が多くヘルシーなので女性にも人気。専用のちりとり鍋は通販などでも購入できますが、ホットプレートなどで代用してもOK。
粕汁の起源は定かではありませんが、おもに兵庫や大阪など酒蔵の多い関西地方で一般的に親しまれてきた汁物です。だしに、酒粕とともに味噌や醤油で味つけした汁で、具は鮭やブリ、豚肉、大根やにんじんなどの根菜類etc…。酒粕は栄養豊富で体を温めるので、寒い季節におすすめ!
広島といえば、牡蠣。鍋の内側に味噌を土手のように塗り、その土手をくずしながら旬のぷりぷり牡蠣や野菜、豆腐などの具を楽しむ「牡蠣の土手鍋」は、冬の郷土鍋の代表格。お酒などたしなみながら、ゆったりと味わいたい贅沢鍋ですね♪
山口県にある周防大島は、みかんの島。その特産物のみかんを使った「みかん鍋」は、ゆずともかぼすとも違う、優しい甘酸っぱさがだしによく合う人気鍋。特徴は、焼きみかん、地魚のつみれ、青唐辛子とみかんの皮で作ったみかん胡椒を入れること。いろいろ代用してアレンジ鍋もいいですね。
しじみで有名な島根県の宍道湖。海水と淡水の混ざった“汽水湖”で育ったしじみは、ふっくら柔らかくて身が大きいのが特徴。宍道湖産でなくても、大ぶりなしじみを見つけたら、ぜひ。ちなみに貝は水から煮るのがコツだそうです。もちろん、砂抜きはしっかりと。
「水炊き」は、博多の周辺で古くから親しまれてきた鍋料理。鶏の肉や骨からじっくりうまみを引き出すために、水から煮たことから“水炊き”の名がついたようです。博多の水炊きは、白菜よりもキャベツを使うことが多く、鶏だしのスープを堪能しながら、つけだれも楽しむ鍋です。
“だご”とは、熊本弁でだんごのこと。「だご汁」は、小麦粉を練って平らにのばしてちぎったものを入れた汁物で、農家の人々が家事の時間を節約するために作った料理。ちなみに、佐賀・福岡・長崎にもだご汁と呼ばれる汁物があり、大分では“だんご汁”が有名。味付けや具は違えど、だんごが入ることは同じです。
「さつま汁」は、かつて薩摩藩士が闘鶏で負けた鶏をぶつ切りにして、味噌味の汁にしたのが始まりだとか。鹿児島らしい無骨な汁物で、特産のさつまいもを入れることも多いそう。江戸時代、日本には肉食の習慣はなかったのですが、薩摩だけは鶏や豚を使った汁があったようです。
寒ければ寒いほど、温かさが身にしみる鍋物や汁物。今夜は冷えそうだな…という日には、あの土地のあの味を思い浮かべながら、郷土鍋や郷土汁を作ってみるのも楽しそうですね♪
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自然の恵み豊かな日本列島。それぞれの土地で育まれた旬の食材をどっさり入れたて煮込んだ「郷土鍋・郷土汁」は、このうえなく贅沢な味ですね。この冬は、日本を旅するような気分で、各地の美味しいお鍋や汁を存分に味わってみませんか?