伝統に自由な発想をプラス。「畑漆器店」の暮らしの道具
伝統的な山中漆器のお椀を中心にした「卯之松堂」と、伝統の技をベースに自由な発想を盛り込んだ「col.」2つのシリーズを展開。敷居が高いと思われがちな伝統工芸品に、既成概念にとらわれない新しい発想を自由に取り入れ、人々の心に響く作品を生み出しています。
畑漆器店の器が目指しているのは、「暮らしの道具」。良質の素材、美しく機能的なデザイン、扱いやすく丈夫な製品作りを心掛けているそうです。
伝統工芸の美しさを日常に。「卯之松堂」シリーズ
山中漆器の伝統工芸の技術を用いて作られた、「卯之松堂」シリーズ。木の育った方向にそって木取りする「縦木取り」と呼ばれる技法を用いてろくろ挽きで作られ、口当たりの良さと持ちやすさが特徴です。民具としての器の原点を追求した素朴な姿は、日常の多様なスタイルにマッチします。
『汁椀』
汁椀は、口が狭く温かいものが冷めにくいつくりになっています。女性やお子さんでも持ちやすいサイズ感。職人さんの手により丁寧に作られた器は、使い続けていくうちに深みが増し、愛着も増します。こちらは上品なツヤ感を楽しめる、うるし仕上げの飴タイプです。
『飯椀』
木の素材感が活かされた飯椀です。口を広くとり、ご飯が盛りつけやすい浅めのつくり。木製なので、あつあつのご飯を盛りつけても、すぐに熱くならず、手にも優しい。木肌タイプは、木目のナチュラルな美しさを堪能できます。
『盛器』
お茶うけのお菓子を入れたり、ミカンなどの果物を入れておいたりと、昔おばあちゃんちで見たようななつかしさのある盛器。小豆色は、ツヤがひかえめで落ち着いた印象です。
カラフルで遊び心たっぷり。「col.(カラー)」シリーズ
BORDER（ボーダー）
「col.(カラー)」は、積み木やコマ、ダルマ落としなど、日本の子どもたちに昔から愛されてきた木のおもちゃをベースにデザインされました。鮮やかなカラーバリエーションとシンプルなフォルムが、暮らしに彩りを与えてくれます。
ボーダーシリーズは配色の異なる3色の器を積み重ねることでボーダー柄が生まれる、遊び心のあるデザイン。ツヤのないマットな質感のカラフルな塗装に、透けて見える木目が良い味わいに。松花堂弁当をイメージしたお重弁当をつくるも良し、それぞれを小鉢の代わりに使っても良しと、幅広く使えます。
SOJI（ソジ）
「Soji(素地)」は、木目の「素」の美しさを生かした普段使いの器のシリーズ。この「hako」はマルチに使えるキャニスターで、用途に合わせて使いやすいS、M、Lの３サイズ。
お裁縫道具を入れたり、お菓子を入れたり、重ねて収納も出来るマルチさが魅力。机上の細々した物の収納場所やアクセサリーケースとしても。
まげわっぱ風のお弁当箱として使うのもステキです。白木の器はごはんやおかずを美味しそうに引き立て、ランチタイムの楽しみを何倍にもアップしてくれます。水洗いすることもでき、お手入れもラクラク。
KOMA（コマ）
片付ける際には蓋としても使えるソーサーがセットの湯飲み椀です。木の温もりある質感が、口を付けたときにホッとします。
お茶菓子を添えて出す時には、蓋に乗せて出すなんて使い方も。やさしい色使いに、おもてなしの心をのせて。
TRICO（トリコ）
愛らしいキノコのような形の容れ物。ナチュラル、グレー、グリーン、オレンジの4色のカラーバリエーション。ツヤのないマットな質感はウレタン塗装によるもの。溶剤を使わず無鉛・無臭のため、安心して食品を盛り付けることができます。
※写真左から2つめのホワイトは、現在販売されていません。
食べ物を入れたり、アクセサリーの収納等に。蓋は受け皿としても使えるので、何かちょっと出しておきたい小物を置いておくこともできます。
おわりに
伝統工芸品に、既成概念にとらわれない新しい発想を自由に取り入れた「畑漆器店」の暮らしの道具。木の温もりあふれるカラフルな器は、生活に彩りをプラスしてくれそうです。
「畑漆器店」は、1930年に手塗り職人・畑卯之松氏が創業した漆器メーカー。石川県加賀市で450年もの間培われてきた「山中漆器」の木工ろくろ挽きの技術を基に製造されています。