そろそろお蕎麦の季節です
夏そばと聞くと、「新そば」が出来るまでの一時凌ぎというイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、 夏そばは太陽と大自然の恵みをふんだんに受け、秋そばとは違った味わいを楽しむことができます。
蕎麦猪口、おろし、一生ものの「お蕎麦グッズ」
そば猪口(東屋)
日本の財産ともいえる熟練した職人の技術を生かし、一貫したこだわりを持って作られる製品の数々は日本的な美意識を再認識させてくれるものばかり。東屋(あづまや)はそんな古きよき日本の「道具」を現代に蘇らせると同時に、今の生活にマッチした使いやすいデザインに改め、新しい日本の一面を教えてくれます。
出典:東屋 | scope
そば猪口以外の使い方や贈り物にも最適
江戸時代後期になり庶民の間で蕎麦が頻繁に食べられるようになると、この「おちょこ」が盛り蕎麦のつけ汁の器にちょうどいいという事になり「蕎麦猪口(そばちょこ)」と呼ばれるようになりました。
その歴史は300年。そして当時から、蕎麦を食べるための器としてだけでなく様々な食器としての使い勝手が良い事から「雑器(ざっき)」と言われていたそうです。
今でも骨董品店や古美術商を巡れば必ずといっても良い程見つかる古伊万里の蕎麦猪口。
江戸後期から明治時代にかけて、どこの家庭でも普段使いの食器として親しまれて来た蕎麦猪口は、昔の人々こそマルチカップとして日々愛用していたのかもしれませんね。
色絵葉っぱに蝶 蕎麦猪口
米満さんの蕎麦猪口は、側面の立ち上がりに角度があって、
足元がきゅっとしまった印象。
だからでしょうか、葉っぱの間を飛び回る蝶の動きも鮮やかに感じられます。
見込み(内側の底面)を覗くと、そこにはかくれんぼをしているもう一羽の蝶が。
使うたびに元気をもらえる蕎麦猪口。
毎日の生活に欠かせない器に、きっとなってくれるはずです。
蕎麦猪口大事典 鳥獣戯画
そばちょこ&薬味皿セット
篠竹丸ざる:松野屋
経年変化で青竹はやや黄色がかり、艶が増していくという特徴があります。
使い込むほどに美しさを増し、使う度に愛着が湧いていきます。
控えめなのに、食卓を演出してくれる松野屋の篠竹丸ざる。
使い勝手の良さと美しさを感じて下さい。
そばざる :公長齋小菅
すずがみ
シマタニ昇龍工房とは、明治42年創業以来、寺院用のお鈴(りん)を専門に製造している富山県高岡市の工房です。そしてシマタニ昇龍工房が2013年に新しく立ち上げたブランドがsyouryuです。
0.7mmの薄さの、やわらかで変幻自在に曲がる錫の器は自分で好きな形に折り曲げて使うことができるうえに、サイズも11cmから、13cm、18cm、24cmと4種類のサイズがあるので、麺類の器と薬味の器、それぞれオリジナルの形で作ることができます。
「すずがみ」と、通常のスズの板との違い。
それは、すずがみは全国に10人に満たないりん職人のうち、3人の熟練の鍛金職人が金槌で「叩く」ことで圧延し、曲げ伸ばしによる金属劣化を少なくしているところにあります。
だから、すずがみは曲げ伸ばしを繰り返しても金属疲労が起こることなく、ずっと大切に使えるのです。
薬味グッズ
どんな薬味がおすすめ?
大根おろし、ネギ、ノリ、わさびなどおそばに合う薬味はたくさんあります。薬味はそばの味をより美味しくしてくれるだけでなく、毒消しや、栄養素の吸収を良くするといった働きもあるそう。
例えば、わさびは、食欲を増進させたり消化を助けたりするだけでなく、強い防腐力や殺菌作用も。さらに適量をそばと一緒にとれば、そばに含まれている、脂質や糖質の代謝を促すビタミンB2の働きを高めてくれるそう。
そばだけでなく他の麺類にも欠かせない、薬味の代表格が「ねぎ」です。ねぎは体を温め、内臓の働きを盛んにし、血液の循環を良くするため、冷え性の改善や疲労回復、強肝作用などの効果があります。また、ねぎに含まれる硫化アリルはそばに含まれるビタミンB1の吸収を高めてくれます。ねぎは薬味以外でも、鴨南蛮そばなどの具としても登場します。まさにそばとの相性は最高です。
こちらも暑い日にとくに人気のある大根おろし。大根おろしは食欲を増進させるだけでなく毒消しや、中に含まれるジアスターゼという消化酵素が消化を助けてくれるそう。さらに、おろしたてはビタミンCが豊富なので、ぜひおろしたてをおそばと一緒にいただきたいですね。
よくおそば屋さんでみかける「新そば」の表示ですが、新そばは夏と秋があります。しかし一般的に秋そばを言い、夏そばよりも風味豊かで美味しいと言われていますが、実は夏そばも太陽の恵みをいっぱい受けて、秋そばと違った味わいがあります。