「仕事を辞めたい」と思ったら。行動する前に考えたいこと

「仕事を辞めたい」と思ったら。行動する前に考えたいこと

長い人生、「仕事を辞めたい」「社会人が辛い」と思ったことが一度もない人はなかなか見たことがありません。生きるための仕事なのに、仕事が原因で「消えてしまいたい」「死にたい」とまで思ってしまう人もいます。もし今、働くことについて悩んで、心まで疲れ切ってしまったのなら、一度目を通していただけると嬉しいです。 2021年03月19日作成

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心がすり減っている人へ

もともと筆者も、一度仕事で心が折れてしまった経験があります。通院などを経た結果として、私は退職し、転々とした後、なるべく1人でお仕事ができる状態にシフトしました。
しかし、この記事は「仕事が嫌なら辞めた方がいい」という結論に持って行くつもりはないことを、先に伝えておきます。私は私なりの選択しかしていなくて、自分が選んだ道だからといって、すぐに同じ道を他者に勧めたくはありません。悩んでぐるぐる何度も同じ道を行き来したことや、暗い森の中でのひとりぼっちの野宿の経験が、誰かの生き延びるための知恵になったらいいなと思っているだけです。
私たちが仕事をする理由は、お金や社会的地位・居場所・役割を手に入れて、生きやすくなるためです。決して《義務》とか《存在理由》ではなく、自分がやりやすくなるために、仕事という方法を選んで、ツールを利用しているだけ…ということを考え直してください。もし、心がすり減って、《生きる》がやりにくくなっているのだとしたら、私たち自身のやり方について、考え直すチャンスだとしましょう。

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「辞めたい」に隠れているもの

苦しくなってきたら、逃げたくなります。辛いことがあれば、回避したくなります。それは特に問題のない感情です。抱いてしまったからといって、根性なしだとか、弱いだとか、心ない言葉を投げかけてくる誰かがいたとしたら、あなたに言っているのではありません。あなたと《何か》を重ね合わせて、それを否定したいだけなんです。
何かとは、彼らの嫌いなもの、過去のトラウマ、もしくは自分であったりします。彼らは鏡を見ていることが大半です。私たちも、そんな人たちのように、自分だけを見つめる時間を設けても構いません。みんなやっていることです。じっくり自分の輪郭をなぞってみましょう。

「死にたい」は歩幅が大き過ぎる

「辞めたい」はまだしも、仕事が嫌で「死んでしまいたい」は歩幅が大きすぎます。もう少し小さく、慎重に歩いてみましょう。絶対に飛ばしてしまっている部分があると思うんです。仕事は、趣味や日常の雑事と同じ大きさで並んでいる《営み》カテゴリのひとつです。深刻になる前に、きちんと問題の大きさを測りましょう。あなたはなぜ、こんなに悩んでいるんでしょうか。仕事関連の物事は、そこまであなたの目的に対して大切なことでしょうか。もう少し考えてみます。

あなたは何がしたいですか?

この際なので確認しておきましょう。あなたは、何が目標ですか。素敵な何かを手に入れることですか。結果や名前を残すことですか。何に貢献したいですか。それが可能になるのであれば、あなた自身の考える価値ある人生の設計に実は問題はない…ということを確認しましょう。その場合、今悩んでいる《仕事を続けること》は、目的ではなく、手段にランクダウンしますよね。

それを叶えた後は、何がしたいですか?

何がしたいかどうかを考えた後に、この質問もつけ加えてください。「それを叶えた後は、何がしたいですか?」経済的安定や、出世や地位や名誉、履歴書、家族、恋人、自分の思い描くかっこいい大人の女性の姿…など色々あるかと思いますが、それらを手に入れた後に、何をしたいでしょうか。どんな気持ちでありたいと思いますか?

大体の目的は、実は手段です。

突き詰めていく先に、何か物は存在しますか?私は、大体の人は、《どういった感情を抱いて暮らすか》に行き着くと思うんです。「気持ちいい」や「嬉しい」、「優しい気持ち」とか…。あなたの悩みの種は、そんな気持ちになっている自分の周りに何があるか、それに行き着くためのルートをいかに簡単なものにするか、という話だったりしませんか?

自己否定って必要ですか?

最終的なゴールが「気持ち」であれば、それに行き着くための道のりがどんなものなのか、どこをどう通っているのか、手に入れたもののジャンルが何なのかは、実は代わりが効くものではないでしょうか?ショートカットしても、回り道をしても、自分自身を否定する必要は、本当にあるんでしょうか?絶対にないと思いますよ。

ただ、選びたいものはきっとあるはずだから

こうして考えてから、今の仕事を続けるか否か、きちんとメリット・デメリットを比較して舵を切るべきです。この話の流れを見て、「私の目的には、実は今の仕事にしがみつかなくても良いみたい。じゃあ辞めよう」とあっさりは決めないでほしいです。
今の仕事には、福利厚生や勤務条件、雇用形態、築いてきた人間関係・キャリア…いろいろなメリットがあると思います。その中で何を優先しますか。自分の決めた理想像というゴールに、どうやって辿り着きたいかを選択していきます。その過程で、転職をするか、ここに留まるのか、もう少し誤差調整をする程度で動くのか。あなたが選ぶのは《手段》と《経路》、手に入れたいと思う《アイテム》です。

「今」を助かろうとすること

どこかに勤める上でのストレスの要因は、仕事の内容や残業時間、プレッシャーの総量も関係していますが、人間関係も含まれてきます。1人で立ち向かえるものではない問題がほとんどで、だからこそ消耗が酷くなってしまうように思います。その際に意識してほしいことをまとめてみました。

医療機関に頼る=深刻な事態ではない

まず、カウンセリングや心療内科に通うことに対して、《深刻な状況に陥ることの証明になる》と思っていませんか。確かに診療となるので、病名がつく可能性もありますが、状態は病名が示されても示されなくても同じです。風邪をひいた時に、病院に行くか行かないかで病状の深刻度合いは変化しますか?心も同じで、カルテに何か書かれるだけなのです。ひどい状態であれば、適切な処置を受けるべきです。

助けてくれる人の数=あなたの価値ではない

「誰も助けてくれない・味方してくれない」という孤独を感じることがあるかと思います。その時に、助けてくれる人がいないことを、自分の価値の低さに結び付けないことです。いかに善人であっても、孤立無援になることはあり得ます。あなたのヘルプへの応答の有無は、その時々の他者の心や立場・状態が左右してくるものです。味方の数は、あなたの主張の善悪や是非を決めるものではありません。

健全な場所にいるようにする

心が弱っていると、(悲しいことですが)それにつけ込もうとする人々がどうしても現れてきます。勧誘であったり、詐欺であったり、マインドコントロールのようなものであったり…。疲れていると、正常な判断がしにくくなるので、空気の濁った場所からできる限り離れることが大切です。荒んだ気持ちでいると、そういった波長に合った場所が居心地良く感じてしまうかもしれません。それにだけは流されないようにしてください。健全でクリーンな居場所を作ることを意識することです。

将来に目を向けてみること

今現在は、今そのもので精一杯かもしれませんが、状況というのは日々変化していくものです。これから社会も自分自身も、周囲の人々も、何年後も同じ状態を維持できるかと言われれば、結構難しいことでもあります。それを意識して、悩むことが大切です。
前述した通り、「辞めたい」の本当の意味をミクロで観察してみるいい機会だと思います。何を自分が優先したいのか。本当の本当にしたいことは何なのか。それはこの仕事じゃないとできないことなのか。この仕事を続けていく上で自分が得られるメリットは何なのか。突き詰めていけば、道は案外広く開かれているものだとわかると思います。
他人の目を気にしないことを説く人は多いですが、私たちは他人の価値観を気にしないようにすることまでは、あまり教わっていません。他人の価値観によって築かれた《メリット》、《デメリット》が、本当に自分の目標や望む将来に対し て通じるものなのか。それを見極めた上で道を選べば、「正しい・正しくない」という基準で将来を 決める必要はなくなるはずです。

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