周囲に相談しにくい、仕事の悩み
PART1:何のために働く?仕事観がぐらついた時は
物語風に語られる、優しいビジネス啓発書
「仕事とは何か?」という問いを考える
■『働くことがイヤな人のための本』中島義道(新潮社)
働くことに悩みすぎて、もう働きたくない!と思ってしまう方も多いのではないでしょうか。本書は長い学生生活の末、37歳にしてようやく定職に就いたという著者による1冊です。仕事とは何か?なぜ働かなければならないのか?といった根本的な疑問に、引きこもり・未婚の30代女性・中年サラリーマン・会社経営者といった人々との会話を通して、哲学的な考え方から答えていきます。読後もはっきりとした答えは見つからないかもしれませんが、きっと疲れた心を軽くしてくれるはずです。
仕事観をとらえ直すための視点を学ぶ
■『働き方の哲学 360度の視点で仕事を考える』村山昇(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
哲学者ニーチェ曰く、「この世に事実はない。あるのは解釈だけだ」。その言葉の通り、働くこと自体もまた解釈次第でいろいろな捉え方ができ、その捉え方によって仕事の悩みも生まれるそうです。それを回避できるよう、「健やかな仕事観」を築くための考え方を丁寧に図解しているのがこちらの1冊。「なぜ働くか?」という哲学的な観点から、会社の中で働く意味、メンタルヘルスの大切さなど、よりよい働き方を目指すヒントが満載です。
PART2:今の職場で定年まで働き続けられる?人生を見すえて
新しい時代の働き方を考える
■『ポスト・コロナ時代 どこに住み、どう働くか』長田英知(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
新型コロナウイルス感染症拡大により、世の中は大きく変わりました。仕事について、自分の人生について見つめ直したという方も多いのではないでしょうか。そんな時代にどこに住み、どんな働き方ができるのかを解説してくれるのが本書です。自宅選びから通勤の問題、未来の暮らし方まで、ありえる未来を見通し、その中で一人ひとりが取れる選択肢を示してくれるので、これからテレワークや田舎暮らしを考えている方にとっても参考になりますよ。
仕事も人生も満喫するための考え方
■『最強のライフキャリア論。 人生まるごと楽しむための思考法』岩橋ひかり(時事通信社)
時代が変化し、それに伴って「当たり前」が崩れていっている今、将来に対する漠然とした不安を抱えている方は少なくありません。そうした不安を解消し、自分の人生をよりよくしていくためにはどうしたらいいかを追求しているのが本書です。2人の女性とキャリアコンサルタントとの対話を通して、キャリアに関する悩みへの考え方が、ストーリー仕立てで解説されています。仕事という括りだけでなく、人生そのものを考え直したい時に、ぜひ手に取ってみてください。
仕事の経験多数!漫画家による半生記
■『仕事にしばられない生き方』ヤマザキマリ(小学館)
「テルマエ・ロマエ」などで知られる漫画家、ヤマザキマリさん。実はチリ紙交換のバイトや絵描き、大学教師、テレビリポーターなど、様々な仕事を経て来た人物でもあります。本書は、そうした経験を通して、好きな仕事は続けるべきなのか、お金がないとどうなるのか…といったテーマを半生記のような形で綴る1冊です。今働くことに疲れている方、働き方やお金に関して悩んでいる方は、どこかで役立つヒントが得られるかもしれません。
PART3:人間関係がうまくいかない時、自分でできることは?
近すぎず遠すぎない、距離感の取り方
■『私を振り回してくるあの人から 自分を守る本』Joe(WAVE出版)
仕事を頼まれすぎて首が回らない。いつも都合よく使われている…と職場の人間関係に疲れている方必見!本書では、誰かに振り回されてしまう理由を、自分の心を開け放ちすぎており、そのせいで他人にコントロールされやすい状態になっていることにあると解きます。逆に言えば、上手く自分の心を閉ざし、距離感の取り方を学べば、振り回されることはなくなるそう。そのためのヒントを教えてくれる1冊です。
職場できちんと人間関係を築きたいあなたに
■『職場の人間関係は自己肯定感が9割』工藤紀子(フォレスト出版)
自分をありのままに認められるという気持ちである、自己肯定感。近年ではいろいろな場面で大切とされることが多くなりましたが、実は職場での人間関係にも影響を与える可能性があるそうです。本書では、自己肯定感を高めるための方法や、付き合いたい相手のタイプ・仕事のシーン別でコミュニケーションに役立つ方法を解説。自己肯定感を高めることを通して、人間関係の悩みを解消するだけでなく、よりよい関係性を築くためのコツを学ぶことができます。
辞めたいのに辞められない!から抜け出すために
■『職場の「パワハラ」「モラハラ」の悩みを解決しあなたらしい人生を取り戻す方法』原田彗資(ごきげんビジネス出版)
自分とは関係ないと思い込みがちな、パワハラやモラハラ。実は気が付いていないだけで、毎日仕事に行くのが辛い、もう限界なのに辞められないなどと感じているあなたは、世間的にはそう呼ばれる状況に陥っているかもしれません。今の状況から逃れるために、本書ではそもそもパワハラやモラハラとは何なのか、なぜそうする人が出てくるのか、ターゲットになりやすい人はどんな特徴があるのかなどを解説。理解したうえで、誰でも取り組める具体的で実践的な解決方法も紹介しています。
PART4:働くのに疲れた時は、まず自分を大切にして
自分の心を優先するための考え方とは?
■『会社・仕事・人間関係 「もう、何もかもしんどい…」と疲れ果てたときに読む本』石原加受子 著、黒川依 画(SBクリエイティブ)
やる気が出ない、しんどい感じている時は、まず自分の心がどんな状態になっているのかを把握してみましょう。本書では、そんな心の状態に陥る理由や様々なパターンを詳細に紹介しています。現状を見つめ直させ、客観的な視点でパターンごとの考え方を教えてくれるため、本当の意味で自分の心を充実させるためのヒントが見つかるはずです。
一旦、頑張るのを辞めてみよう
■『がんばらなくても死なない』竹内絢香(KADOKAWA)
漫画家兼イラストレーターである著者は、会社を退職したものの漫画が売れず、自分を責めるばかりの日々を過ごしてきました。そんな中で見つけたのが、無理せず、頑張りすぎず、毎日を少しだけ楽しくするコツ。本書は、フルカラーで優しいタッチの漫画とともに、そんな「がんばらなくても死なない」ヒントを教えてくれるコミックエッセイです。肩の力を抜いて読めるので、心が疲れている時にもおすすめですよ。
職場の「しんどい」は、自分の心を守って解消!
■『1万人超を救ったメンタル産業医の 職場の「しんどい」がスーッと消え去る大全』井上智介(大和出版)
働いている時はもちろん、仕事のことを考えている時はいつでも「しんどい」と感じてしまうこともありますよね。そんな状況では無理をせず、一旦足を止めて本書のページを開いてみましょう。こちらの本では、職場の状態やあなたが感じていることに応じて、心を守るための具体的な方法を紹介!自分を大切にできるのは、会社ではなくあなただけだからこそ、辛い時に頼れる方法を見つけておいてくださいね。
PART5:仕事を辞めたいと思ってもいいんです
仕事に疲れ切ってしまったあなたへ
■『ちょっと今から仕事やめてくる』北川恵海(KADOKAWA)
今の職場が辛い、人間関係がしんどいと感じる方に、ぜひ手に取ってほしい小説です。主人公は、ブラック企業で働く青山隆。仕事に疲れすぎたせいで、いつの間にか駅のホームから線路に落ちようとしていたその時、ヤマモトという男に救われます。同級生だと名乗る彼でしたが、青山はさっぱり記憶がありません。昔の友達に連絡をとってみれば、確かにヤマモトは存在しましたが、本物は海外にいることが判明して…。結末までたどり着けば、疲れ切っている心をあたたかく癒してくれますよ。
次の仕事探しは「思考の軸」を持ってから
■『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』北野唯我(ダイヤモンド社)
転職を考える時、いつ辞めればいいの?といった素朴な疑問から、次の仕事や本当にやりたいことは見つかるのか?といった不安など、様々な悩みが浮かび上がりますよね。昨今はインターネット上に転職に関する情報があふれていますが、解決につながることもあれば、悩みの種になることも。そんな時におすすめしたいのが本書です。こちらの本では、情報に惑わされるのではなく、「思考の軸」を持つことが大切であると説きます。図や文章で丁寧に解説されている「思考の軸」を学び、自分らしく働くための方法を身に付けられる1冊です。
どこへ行っても誰とでも幸せに働くためには?
■『「いい人」をやめて幸せに働く』江守和代(マネジメント社)
本書が目指すのは、「月曜日が待ち遠しくなる働き方」の実現。人間関係、転職先、やりがい…仕事には様々な悩みが付き物ですが、職場を変えるのではなく、どこでも誰とでも幸せに働ける方法を身に付けることで、自分らしい働き方をしようと訴えます。ケーススタディや診断テストも織り交ぜて、自分にとって幸せで生き生き働ける方法を見つけられる1冊。転職に悩んでいる方も、ぜひ手に取って見てください。
■『仕事は楽しいかね?』デイル・ドーテン 著、 野津智子 訳(きこ書房)
35歳の主人公「私」は、妻子を持ち、そこそこの給料をもらえる仕事に就いて、真面目に暮らしてきました。ある時ひどい吹雪のせいで閉じ込められた空港で、一人の老人に出会います。「私」はふと仕事の悩みをぶつけてしまったのですが、実はその人は有名な実業家で…。
主人公が働くことに関する疑問や不満を告げると、老人がそれに答えていく、という物語の形で進むビジネス啓発書。優しい文章で語られるので、疲れている時にも読みやすい1冊です。