心がざわついて呼吸が浅くなる…。そんな時の応急処置、あります
本記事で取り上げるのは、そんなシーンで、冷静な、平常心を取り戻すための<応急処置>アクション。
ズーンと沈みこまないうちに、荒ぶる気持ちを救ってあげるアクションを試してみることで、自分への精神的ダメージを最小限でとどめられるかもしれません。
緊張しそうになったら、手のひらに「人」という文字を書くみたいな感覚で。ご紹介するアクションは、それぞれ、1分もかからないうちに実践できますよ。
イライラしそうになったらその場で&すぐに、応急処置アクションをお守り感覚で試してみてくださいね。
心を落ち着かせる《応急処置》5つのアクション
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
1.深呼吸をする
気持ちを落ち着かせるために、まず試したいのは「深呼吸」。
緊張やストレスを感じるときに、よく「深呼吸をしよう!」という言葉を耳にしますが、それは、単に「ひと息ついて落ち着こう」という意味合いだけではありません。
人はストレスを感じて緊張状態に陥ると、無意識のうちに、呼吸が浅くなりがちに。とくに空気を「吐く」より「吸う」ことがおろそかになってしまいます。
だからこそ、イラッとした時は意識的に「深呼吸」をすることで、体中に酸素を巡らせ、血流を促進。それにより、緊張→穏やかな精神状態へと、戻していくことができます。
深呼吸のポイントは、吐き出すとき、肺の空気を十分に吐き切るようにすること。
大きく吸って、大きく吐く――。「深呼吸といえば、これが当たり前のやり方」とお分かりの方が多いかもしれませんが、改めて意識するようにしませんか。深呼吸はリラックスしたい場面で、大変理にかなった応急処置方法です*
2.話すスピードを、ゆっくりにする
こちらは、「人と話すのが緊張する!」「人との会話中、イライラが募ってきた…!」といった場面での、即効性が高い処方箋。
とにかく、いつもより「ゆっくり」話してみましょう。早口になるのは、なんとしても避けるようにすべきです。
なんとなく「勢いで早口で話すと、なんだか心が興奮してきて、話す内容もヒートアップしがち」とお分かりの方は多いことでしょう。そう、早口は、平常心を失いやすい状態をつくってしまうのです。
理由は先ほどの「1.深呼吸」同様、緊張状態で早口(呼吸が浅い)になると、自分に酸素がうまく巡らなくなってしまうため。意識的に酸素を取り込めるようにゆっくり話すことで、心を落ち着かせることができます。
ちなみにゆっくり話すことのメリットは、心が落ち着く、ということだけではありません〇
言葉を紡ぐスピードに余裕が生まれ、考えながら適切な言葉を選んで発することができるようになりますよ。「余計な一言を言ってしまうことが多い…」という方は、ぜひこの機会に習得しましょう*
そしてもう1つ。落ち着いた物言いをすれば聞き手の交感神経を無用に刺激することもないので、相手も快くあなたの話に耳を傾けてくれやすくなるという効果も期待できます。
3.少しだけ上を向く
気持ちが落ち込みそうなとき、少しだけ上を向くこと。
目線を、正面よりも少し高い位置にやるよう意識してみましょう。
なんで上?と思われるかもしれませんが、実はこんなデータがあるんです。
ある実験で、2つのグループに、「A:階段を上がること」「B:階段を下りること」をそれぞれ繰り返してもらったところ、結果的に、Bを行ったグループのほうがリタイア者が続出。その理由のひとつは、Bのグループは過去の失敗などを思い出しがちで、「どうにも気分が滅入ってしまう」ということだったそう。
それに対して、Aを行ったグループは「成功体験」「あたたかい記憶」などを思い出していた方が多かったそうです。
この実験は専門家によって、「A:常に斜め上を見ている状態」、「B:常に斜め下を見続ける状態」という差が、この結果をもたらしたのでは?という見解が示されています。そう、物理的に「上を見る」ことは気分を自然に引き上げてくれるのに一役買ってくれるんですね。
シュンとしたとき、クヨクヨしたとき。
無理に元気を出すのはつらくても、「そんな時にはただ空を見る」と決めておくことなら簡単にできそうです。
4.自分が居る場所を変える(或いは、自分の姿勢を変える)
むしゃくしゃ…!と感情の荒ぶりを感じたとき。或いは、シュン…と気持ちが落ち込みそうと感じたとき。今自分のいる場所から、ちょっと離れた場所に移動しましょう。
ベランダに出て深呼吸しても良いですし、同じ室内でも今いる席から離れた窓際に向かうだけでもOK。職場なら、トイレの手洗い場に移動して、手を洗うだけでも、気持ちの切り替えスイッチになります。
「ただその場から離れるだけ」なのですが、これはアンガーマネジメントの方法として代表的で、「タイムアウト」とも呼ばれています。
それすら難しい場合には、大きく姿勢を変えるのもオススメ。
例えば、立っているのであれば、近くのイスに腰掛けてみましょう。座るだけで思わず「ハァ」と息を吐いて文字通りひと息ついたり、ちょっと心がホッとした経験はだれでもあるはず。
自分の感情が生まれた「場」や「姿勢」を一度手放して、心を手当てしてあげてくださいね。
5.鏡に映る自分を見る
すぐに鏡を取り出したり、近くに鏡がなかったり…というときには、スマホや窓ガラスに映りこむ自分を見てもいいですね*
深く沈み込む前に。手早く心を整えよう。
ネガティブな気持ちを感じると、目指すは「ポジティブ!」と思いがちですが、一気にそこを目指さなくても大丈夫。
まずは「いつものあなたに戻る」のが大切。手元に備えたあなたなりの方法で、手早く優しく応急処置をしてあげましょう。
早くフラットな気持ちに戻れれば、気持ちも目の前の状況も、変な方向にこじれることだって防げるはず。今回のお話が、あなたなりの「自分の取り戻し方」のヒントになりますように。
毎日できることなら、感情に波風を立てずに、心穏やかに過ごしたい。だからこそ、なかなか揺るがないメンタルでいたいのに――。
思い通りに進まない状況にイライラしたり。納得できない他人の言動にムカムカと怒りが沸いてきたり。自分に嫌気がさしてきたり。人へのプレゼンや発表に緊張してきたり。だんだん自分の感情に亀裂が生じてきて、落ち着かない~!という時ってありますよね。
そのような時、どのように自分自身をリカバリーすればよいのでしょう?