「他人に期待しない」は使い方次第でストレスの一因になることも
「他人に期待しない」を、本当の気持ちとは裏腹に使ってない?
例えば、職場において「手伝ってほしい」「助けてほしい」など、自分以外の誰かに「~してほしい」と言われることってよくあると思います。頻繁にありはするものの、その全てが自分の思い通りにはいかないことを私たちは知っているはずです。
だから、本当は手伝ってほしいのに「どうせ誰も手伝ってくれないから、自分でやろう。他人には期待しない」と言い聞かせ自分ひとりで頑張り続ける…。「他人に期待しない」という言葉を、こんな風に使っている人はいませんか?
自己防衛のために使っている可能性も…
どうしてそんな使い方をしてしまうのでしょう。「他人に期待しない」という言葉によって、本当は手伝って「ほしい」のに手伝って「ほしくない」ことにする、助けて「ほしい」のに助けて「ほしくない」ことにする等、これでは自分の気持ちに嘘をついていますよね。
それは、もし本当に誰も手伝ってくれなかった時、助けてくれなかった時に自分が傷つくことをおそれて、先回りして自分を守ろうとしているからかもしれません。
「どうせ~だから他人に期待しない」という使い方では、人生を軽やかにするどころかむしろ、ストレスにつながるような気がしませんか?そして、そんな言葉とは裏腹に、周りにはかえって期待しているように聞こえてしまうものです。
人生を軽やかにする、「他人に期待しない」考えの正しい使い方
では、「他人に期待しない」とは、どんな使い方をすればよいのでしょうか。正解は、「相手の考えや行動を尊重する」ために使うことです。
本当は手伝ってほしいのに「どうせ誰も手伝ってくれないから、他人には期待しないんだ」と言って自分で頑張ってしまう場合、相手に声掛けをする前から“NOと言う”“難色を示す”と相手の行動を勝手に予想し、決めつけてしまっていますよね。
これでは相手に対して失礼な上、自分に対しても否定的です。そしてこのような理由付けをしながら頑張っても、達成感よりむなしさの方を強く感じてしまうでしょう。
相手を尊重し自分を肯定するために使おう!
いかがでしょう。
同じ「他人には期待しない」でも、受ける印象がまったく違います。これなら相手の考えを決めつけず、同時に自分のことも卑下せずに、お互いが気持ちよくいられるのではないでしょうか。
さらに、「自分としては手伝ってほしいけど」と素直に気持ちを汲んでいることから、自分の気持ちにも嘘をつかずに済みますね!
尊重はする。でもその前に自分にできることは「伝えること」
一方で、「期待しないでおこう」と言って済む程度なら良いのですが、どうしてもお願いしたいことがある場合もありますよね。そんな時、相手の考えを尊重するだけでは助けは得られないでしょう。
もちろん、相手の考えや行動は尊重します。でもその前に「自分の気持ちをしっかりと伝える」ことが必要です。「手伝ってほしいなあ…」と心の中で思っているだけでは伝わりません。ましてや雰囲気で察してもらうことなど至難の業と言えるでしょう。
断られても大丈夫。伝えるべきことは伝えよう。
「どうしても手が回らないから手伝って欲しい」「1時間だけ手を貸して」「○○して欲しいのだけどいつなら都合が良い?」等、具体的に自分の要望を伝えましょう。相手の状況によっては、気持ちの良い返事がもらえないこともあるかもしれません。
けれど、何事も伝えないことには始まりません。そして、誰しも自分の仕事や事情を抱えているからこそ、断られることはあって当然のこと。しっかりと思いを伝え、相手の返事を尊重しましょう。そして、あなたの要望に応えてくれた相手には感謝の気持ちを伝えましょう。
「他人に期待しない」は、みんなが気持ちよくあるために使おう
期待とは、相手の気持ちに関係なく勝手にかけてしまうもの。そして、かければかけた分だけそれを下回った時に負の感情が湧いてしまうものです。
つまり期待をしなければ負の感情は生まれない、ということになります。そして「他人に期待しない」という言葉を、自分を守るために使うのではなく、相手も自分も尊重し、お互いが気持ちよくあるために使っていきたいと思いませんか?
「他人に期待しない」という言葉、これはストレスなく軽やかに生きていくために必要な心得だとよく言われていますよね。ですが、使い方を間違えるとかえってストレスに感じてしまうことも…。そんな「他人に期待しない」考え方を正しく使えていますか?