PART1:胃の調子がわるい方へ
☑︎ 症状をチェックしてみよう
☑︎ 無意識にたんぱく質よりも炭水化物を好んで食べてしまう
☑︎ 食事中に休憩してしまう
☑︎ 食事中にちょこちょこ水分を飲んでしまう
チェック項目に当てはまる方は、胃の調子があまりよくないかもしれません。食べ物を消化し、吸収するためには、胃と腸の力が重要な要となってきます。からだにいいものをどれだけ食べても、胃腸が悪ければ、吸収されないまま体の外へ出て行ってしまうのです。腸の調子は便がおしえてくれますが、胃の調子は目にみえないので、すこし分かりにくいかもしれません。自分の胃はどうかな?食事中や食事後、胃の調子はどうか確認してみてくださいね。
胃の力は胃酸が大切
胃酸過多?それとも胃酸不足?
胃酸の分泌をたすける食べ方
PART2:腸の調子がわるい方へ
☑︎ 症状をチェックしてみよう
☑︎ おなかがすっきりしない
☑︎ 肌荒れがなかなかよくならない
☑︎ なんとなく体調がわるい
上の項目に当てはまる方は、腸の調子があまりよくないのかもしれません。腸は、胃で消化した栄養をしっかり吸収する、大切な役割をしています。腸の調子がわるいと、せっかく入った栄養がそのまま出て行ってしまい、栄養不足になり調子を崩すことも多いです。栄養吸収や、デトックス、アレルギー症状など様々なことと関与している「腸」。一度、しっかり自分の腸と向き合ってみましょう。
便は腸の調子を教えてくれるバロメーター
まずは、腸に悪いものを体に入れない!
腸内環境が悪化してくると、腸内にいる「カンジダ」というカビが活発になります。カンジダが増えてくると、〈倦怠感が出やすくなる〉〈低血糖になりやすくなる〉〈ビタミンミネラル不足〉といった症状を引き起こしやすくなります。さらに、カンジダが成長すると腸に根を張り、その隙間から入ってはいけないはずのものが血中に漏れ、炎症反応が起こり、〈アレルギー症状〉も出やすくなります。カンジダの大好物は甘いものです。甘いものが多いと、どんどんカンジダも成長します。腸の調子がわるい人は、まずは甘いものを控えることから始めてみましょう。他にも、アルコールやカフェイン、小麦粉、牛乳に含まれるカゼインは摂りすぎると、人によっては、腸の調子を崩すことがあります。腸の調子が悪いなぁと思ったら、一旦こういったものを控えて、様子をみてみてくださいね。
腸内環境を整える食材を食べよう
腸内は、「善玉菌・悪玉菌・日和見菌」の3種類の菌がバランスよく存在することが大切です。腸内環境を整えると、栄養を吸収しやすく、便秘やむくみの解消につながり、肌の健康維持にも効果的です。腸の調子が悪いときは、悪玉菌が増え、バランスが崩れているかもしれません。善玉菌を増やすには〈善玉菌を多く含む食材を摂ること〉〈善玉菌のエサとなる食材を摂ること〉が大切です。善玉菌を多く含む食材は、ヨーグルトや納豆、ぬか漬け、キムチなどの発酵食品。善玉菌のエサになるものは、食物繊維が多い穀物・海藻類・きのこや、オリゴ糖が含まれる大豆やバナナ、リンゴなどです。どちらも、摂りすぎはまたバランスが崩れる原因になるので、ほどよい量を摂るように心がけましょう。
PART3:昼食後、強烈な眠気がある方へ
☑︎ 症状をチェックしてみよう
☑︎ 食事を変えてないのに太ってきた
☑︎ 疲れやすい
☑︎ 目覚めがわるい
☑︎ 食後に甘いものが食べたくなる
上の項目に当てはまる方は、「低血糖症」の可能性があります。実際、わたしも低血糖症に悩まされていました。通常の健康診断では判明しないため、老若男女問わず、低血糖症の人はかなり多く隠れているといいます。低血糖症の状態が続くと、〈急激な眠気〉以外にも、〈突然イライラする〉〈不安感を覚える〉〈やる気が起きず学校や職場に行けない〉などの「うつ状態」のような症状が出ることがあります。このような不調を感じている人は、低血糖症かもしれません。簡単な対処法をご紹介するので、試してみてくださいね。
低血糖症とは?
低血糖症とは、【血糖値を調節できず、安定した血糖値を維持することができない】病気です。通常、血糖値は食後緩やかに上がり、緩やかに下り、3〜4時間後に空腹時とだいたい同じ値になるのが正常の推移。対して、低血糖症の人は、食後急激に血糖値が上がり、空腹時を下回るまで急激に下がります。低血糖状態になると、非常に強い眠気に襲われます。甘いものや、炭水化物などの糖質を多くとる食生活をしている人は、誰でもその可能性があります。
血糖値を穏やかにする食べ方
血糖値を急激にあげやすい食品は、精製させた白米・小麦粉をつかったパン・砂糖など、『白い食べ物』です。不調を感じている人はまず、2〜3週間ほど昼食と夕食の糖質を制限してみてください。完全に抜いてしまうと、体にとって良くないので、すこし量を減らしたり、雑穀米や玄米や玄米麺など、主食を低糖質なものに変えてみてください。あとは、食べる順番も大切です。一口目に糖質をとると、血糖値がグンと上がるので、まずは食物繊維やたんぱく質を先に食べると、血糖値の上がり方がゆるやかになります。食後の運動も、血糖値を穏やかにするので、おすすめです。
間食は、食べるものを選んで
間食にチョコレートやクッキーなど、甘いものを食べてしまうと、そこからまた血糖値の乱降下が始まり、眠気やだるさが出てきます。どうしても間食してしまう場合は、おやつはナッツやチーズなどの、たんぱく質のものに変えてみましょう。甘いものを食べたくなったら、軽く運動するのもおすすめです。また、寝る前に甘いものを食べてしまうと、夜間低血糖になり、その間は不眠状態になり、目覚めがわるくなってしまうので注意しましょう。
PART4:月経前症候群がおもたい方へ
☑︎ 症状をチェックしてみよう
☑︎ 生理周期が不順、量が少ない
☑︎ イライラしたり不安になりやすい
☑︎ 手足が冷える、しびれる
☑︎ 疲れやすい、だるい
☑︎ 午後になるとエネルギーが切れる
☑︎ めまいや頭痛、肩こりがある
☑︎ 氷を好んで食べる
☑︎ 青あざができやすい
☑︎ まぶらの裏が白い
上の項目に当てはまる人は、鉄欠乏が原因かもしれません。「フェリチン」という、貯金の鉄が少なければ少ないほど、鉄欠乏の症状はひどくなります。鉄欠乏状態が悪化したものが「貧血」です。通常の健康診断の検査では、フェリチンの値は調べないため、とくに問題ないといわれるでしょう。しかし、「隠れ貧血」の女性はたくさんいるのです。症状が当てはまる人は、すこし読んでみてくださいね。
鉄欠乏ってどういう状態?
人は、1日に10mgの鉄を摂取し、10mgの鉄を排泄しているといいます。しかし、女性は生理の時にさらに多くの鉄が失われるので、慢性的な鉄欠乏になりやすいのです。鉄には、〈酸素を運ぶ〉〈メンタルを穏やかにする〉〈エネルギーをつくる効率をあげる〉〈肌をつくるコラーゲンの材料〉など多くの役割があります。鉄が少ないと、手足の冷えやしびれ・肩こり・頭痛などの、酸素不足の症状が出たり、イライラや不安が強くなったります。また、エネルギー不足になり、疲れやだるさが取れにくくなります。こういった症状は、鉄が子宮にあつまる生理前〜からだの外に出てしまう生理中に、とくにひどくなります。慢性的な鉄不足が、月経前症候群の悪化の原因のひとつに繋がるなのです。
鉄欠乏による不調に対する食事の工夫は?
まずは、鉄分の含まれている食材を摂るように心がけましょう。鉄分の多く含まれている食品には、ほうれん草や小松菜・ひじき、赤身の魚やレバー・牛モモ肉などがあります。鉄分には〈ヘム鉄〉と〈非ヘム鉄〉があり、ヘム鉄の方が吸収率が3〜10倍くらい高いです。動物性の食品にヘム鉄は多く含まれているので、そのことを頭に入れながら食材を選ぶようにしてみましょう。鉄欠乏の症状がひどい人は、食材に加えて、サプリメントで鉄を補ってあげることも大切。鉄欠乏がひどい人は、食材だけだとなかなか足りないのです。あとは、体調がきついときは無理せずに、しっかり休みましょう。自分を甘やかすことも大切です。
鉄の種類と、サプリメントの選び方
食材に含まれる鉄分にも、ヘム鉄と非ヘム鉄があるように、サプリメントにも2種類あります。保険適用される病院から処方される鉄剤は、実は非ヘム鉄なのです。吸収率が悪い分、それを補うために大量の鉄分を含んでいるため、副作用が出て便秘になったり、胃がムカムカして飲めなかったという方も多いです。市販の鉄のサプリメントも多くの会社から出されていますが、安いものはほとんど非ヘム鉄のサプリメントです。しっかりと、ヘム鉄が含まれているものを自分で見極めて選ぶようにしましょう。吸収率が全然違います。また、鉄は1日に1度何粒も飲むより、小分けに分けて朝・昼・夕の食後にすこしずつ摂る方が効果的です。摂りすぎには注意しましょう。また、ビタミンCを一緒に摂取すると鉄の吸収率がよりアップしますよ。
PART5:風邪をひきやすい方へ
☑︎ 症状をチェックしてみよう
☑︎ 毎年のようにインフルエンザにかかる
☑︎花粉症がひどい
上の項目に当てはまる人は、〈ビタミンD不足による免疫低下〉の可能性があります。免疫力が低いと、感染症にかかりやすくなります。自分の身を守るためにも、健やかに日々暮らしていくためにも、ビタミンDはとても大切な栄養素です。「あれ?わたし免疫力弱いかも」という方は、参考にしてみてくださいね。
ビタミンDの効果は?
ビタミンDは、〈骨を強くする〉〈免疫力をあげる〉〈がん予防〉〈腸の粘膜を保護し、アレルギー対策に繋がる〉〈妊娠しやすいからだつくりを手助けする〉〈心のバランスを整えるセロトニンを調整する〉など、様々なはたらきをしています。ビタミンDとは、紫外線に当たることでつくられる栄養素です。北海道と沖縄を比較すると、日照時間の長い沖縄県の方が癌の死亡率は低いという研究結果も出ているようです。しかし、近年は直射日光に当たる時間が減ってきているため、老若男女問わず『ビタミンD不足』または『ビタミンD欠乏』の方が本当に多いです。わたしのクリニックに来ている方も、検査してみると半数以上がビタミンD欠乏症でした。一度、ビタミンDを調べる採血を行なっている病院やクリニックで、検査してみるのもおすすめです。
ビタミンDをつくるためには?
ビタミンDを体内でつくるためには、紫外線に当たることが必要不可欠です。ビタミンD生成に必要な目安としては、「夏は木陰で30分、冬は顔や手に1時間程度日光に当たる」といわれています。日焼け止めやガラス越しだとあまり意味はありません。おすすめなのは、朝の日光浴です。朝の紫外線は力がよわいため、朝洗濯物を干しながら日光浴したり、朝の散歩をしたりしてみましょう。しかし、紫外線に当たりすぎるとシミが出来やすくなったり、皮膚ガンの原因になることもあり、毎日こんなに日に当たるのは怖い…という方はサプリメントに頼ってみましょう。
「胃の調子がわるいなぁ」そんな時、胃酸が多く出ているのか、それとも少ないのか。どのタイプなのかで、対応の仕方は変わってきます。簡単なチェックの仕方をご紹介します。
準備するものは、レモンと水。大さじ一杯のレモン汁を3倍の水で薄め、食事の間にひと口食べたら一口のむ、というのをなくなるまで繰り返してください。食後2〜3時間後に胃がすっきりする人は「胃酸不足」、胃がむかむかしたり不快感がある人は「胃酸過多」という傾向があると判断できます。途中で水分をとりすぎてしまうと、効果がすくないので控えめにしてくださいね。胃潰瘍や、食道潰瘍などの疾患がある方は行わないでくださいね。