完璧を求めすぎてない?
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完璧を求めるのは悪いことではありません。完璧主義の方は、一般的に責任感が強く、物事を丁寧に・高い精度で行えると言われます。一方完璧を「求めすぎる」と、理想に現実が追い付かない時、自分を自分で追い詰めたり、柔軟にふるまえなかったりして、心が疲れてしまうことも。生きづらさを感じる方の中には、無意識で完璧を求めている方もいるでしょう。心をすり減らさないために大切なのは、あなたにとってほどよい完璧を探ること。そこで、まず自分の心の状態を知るために、次の項目をチェックしてみましょう。
あなたは「求めすぎ」ている?自分を知るためのチェックリスト
☑1 他人からどう見られているかが気になる
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かつて、完璧にすることによって褒められた経験や、ちょっとしたミスで強く怒られた経験はありませんか?「他者から認められたい」という想いは、誰もが抱いているもの。しかし完璧を求めすぎる方は、そうした経験を経てしまったために、「物事を完璧にしなければ他者から認められない」と思い込んでいる場合があります。思い込みが強すぎると、自分が何をすべきかよりも、他者からどう見られているか、評価されているのかばかり気になってしまうことも。
☑2 できたことを認められず、できなかったことばかり考える
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完璧を求める人は、今の自分が完璧でないことをよく知っている人でもあります。そのため理想を完璧に実現することだけを考え、少しずつ成長しているのに気づかなかったり、失敗したことにばかり目がいったりと、ポジティブな部分を見逃してしまいます。いつまで経っても理想に近づかないという徒労感ばかり感じていては、心はどんどんすり減っていくでしょう。
☑3 どんな状況でも、中途半端や妥協が許せない
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もっとできるはずなのに、できなかった自分が許せない。できることがあるのに、しない人を許せない。完璧主義の人は、自分へも他人へも厳しい批判の目を持っています。時にはそれが役立つこともありますが、状況によっては柔軟性を失わせ、融通が利かなくなってしまうことも。中途半端や妥協が許せないせいで、自分も他人も疲れさせてしまっているかもしれません。
☑4 失敗することが恐ろしく、失敗しそうなことからは逃げる
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完璧を求める方にとって、他人からの評価が下がるため、そして完璧にこなせない自分が許せないために、失敗は避けなければならないもの。あらかじめ完璧にできないだろうと分かっていることならなおさら、挑戦することができません。本来、何事も失敗を経て成長していくもの。理想を高く持つのはよいことですが、スタートすらできなければ、せっかくの挑戦の機会を失うことになるかもしれません。
☑5 少しでもつまずくと、とたんにやる気をなくす
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新しい物事を始められたとしても、すべてが順調に進むわけではありません。予定が狂ってしまったり、思いもよらないアクシデントが起こったり。完璧主義の方はそうして少しつまづいただけで、「きっと自分では完璧にできない」と思ったり、「失敗するならやる意味がない」と考えたりして、それ以上進むのを諦めてしまうことがあります。上手くいかない時は別の方法を選べるはずですが、理想の過程から外れて考えられないために、成長のチャンスを逃してしまう可能性もあります。
「完璧主義」から抜け出そう!楽になるための心と行動のヒント
STEP1:「完璧主義」の殻を破ろう!
何が起こっても「大丈夫」の心を忘れずに◎
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うまくいかないとき、現実が理想に追い付かないとき、自分や他人を責めてしまうことはありませんか?完璧を追い求めるマインドの裏側には、自分への自信のなさが隠れています。だから自分が許せなかったり、他人に原因があるのではと考えたりしてしまいがち。
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けれど理想までの距離は、ほとんどの人にとってすぐに縮められるものではありません。理想にたどり着いた人も、必ずいくつもの問題を一つずつ乗り越えて実現しているはず。何か問題が起こった時には、まずそのことを思い出しましょう。そしていつまでも問題に囚われるのではなく、問題が起こらないようにするにはどうすればいいかを考える方向へシフト。いつでも「大丈夫、なんとかなる」と前向きに考えることを大切にしてみてくださいね。
あえて意味のないことや小さな失敗をしてみる
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完璧にとらわれてしまうのは、自分が許せないから。それなら自分を許せるように、普段から練習してみませんか?あえて何の意味もないことをする時間をとったり、あえて普段なら絶対に失敗しないことをしてみたり。そうして完璧でない自分に慣れ、受け入れられるようになれば、心がぐっと楽になるはずです。
あなたの評価=あなた自身という考え方から抜け出す
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他人に認められたいという気持ちから完璧を追い求める人は、自分が受けた評価が自分自身への評価だと思い込んでいるかもしれません。しかし実際は、その評価はあなた自身ではなく、あなたが起こした行動や結果に対するもの。たとえ悪い評価を得たとしても、あなた自身が否定されたわけではないんです。ですので一度受けた評価も、これから評価を上げたり、くつがえしたりすることができます。
結果のことは考えずにチャレンジしてみる
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完璧主義の方にとって、結果を予測せずに新しい物事に挑戦することは、失敗する可能性があって恐ろしいと感じるかもしれません。しかしだからこそ、結果を忘れて飛び込んでみませんか?内容をよく知らない映画を観てみる。モチーフを決めずに筆を手にとって絵を描いてみる。目分量で料理をしてみる。もし失敗したとしても、誰かに迷惑がかかるわけでも、誰かからの評価が下がるわけでもありません。小さなことから、ぜひチャレンジしてみてください。
STEP2:人との関わり方を通して、自分を見つめ直す
他人に完璧を求めない
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完璧を求める人にとって、「自分はできるのになんであの人はできないんだろう」と考えたり、「こうすればいいだけなのに、なぜできないんだろう」と疑問に思ったりと、周りの不完全が目につきがち。これは、理想に向かって強い意思で突き進める、完璧主義の人の魅力の裏返しです。しかし、実際にはあなたがその人に代わることはできませんし、あなた一人で全てをこなすことも難しいはず。周りの不完全が気になってしまう時は、ひとまず自分のことだけに集中するよう、考え方を切り替えてみてください。
他人の視点から物事を考えてみる
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自分のことだけにうまく集中できない時は、あえて他人について徹底的に考えてみましょう。その人のできることや得意なことは何でしょうか?これまでどんな努力をしてきて、どんなことができるようになり、何を成し遂げて来たのでしょうか?そう考えていくと、おのずと心も落ち着いてくるはず。自分と同じことを相手にも求めたり、状況をよく把握せずに一人で突き進んだりすることを避けるためにも、他人の視点に立って考えられる余裕を持っておきましょう。
弱いところを他人に見せてみる
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自分の弱みを見せることは。自分の評価が下がることにつながる、と考える完璧主義の方も多いのではないでしょうか。他人に対して頑張っている自分を見せると、確かに相手の受ける印象はいいでしょう。しかし、その分あなたの心はすりきれ、他人と本心から打ち解けるのを遮ってしまうかもしれません。
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対人関係で疲れていると感じた時は、少しずつ自分の弱いところ、苦手なもの、嫌いなものなどを、誰かと共有してみてください。一度弱みを見せてしまえば、もうあなたは完璧を保つ必要がなくなり、素の自分で相手と向き合えるようになるはずです。自分にとっての弱みが、相手にとっての魅力になるなど、新しい発見もあるかもしれませんよ。
自分から他人に助けを求めてみる
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完璧主義の人は、「やるべき」と思ったことを最後までやり遂げる力があります。しかし、そのせいで誰かに助けを求めるのが難しくなりがち。人によっては、自分ひとりでできないことが失敗であると考える方もいるでしょう。人に助けを求めることは、あなたの評価を下げることでもなければ、失敗でもありません。自分の力の範疇を超えていると思ったときは、自分から他人に手を伸ばしてみてください。きっと心が楽になりますよ。
STEP3:心が苦しくてどうしようもない時は…
自分の理想を客観視してみる
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あなたの心を苦しめるのは、理想と現実の「差」ではないでしょうか。自分は理想に至っていない、だから自分はだめなんだ…。その差を埋めるために、一度自分の抱いている理想を客観的に見てみませんか?他人はどう考えているのか、他人はどんな理想を持っているのか…あなたの理想は、もしかしたら周囲と比べて高すぎるのかもしれません。
アクシデントが起こった時には、一杯のお茶を
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予定が狂ったり、思いもよらないアクシデントが起こったりすると、完璧を求めすぎる人ほどパニックに陥ります。しかし、そんな時こそ一杯のお茶、あるいはあなたの好きな飲み物やおやつを用意して、一息ついてください。
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そして、次のように自分に問いかけてみてください。今できないことは、今すぐしなければならないことですか?他にもできることはありませんか?落ち着いたら、別の角度から見てみませんか?目の前のことにばかりとらわれず、視野を広げれば、新しい道が見つかるはずです。
できるようになったこと、成し遂げたことを自分で評価する
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物事を俯瞰できるようになったら、改めて自分自身を見つめ直してみてください。あなたの中には、あなたが努力してできるようになったこと、成し遂げて来たことが、必ずあるはずです。理想にばかりとらわれてそこにたどり着けないことを嘆くのではなく、自分がここまで成長できたことを喜び、自分で自分を褒めてあげましょう。大丈夫、あなたは着実に、前に進んでいます。
できなかったことは、「次に挑戦すること」と考える
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「できなかったことを無視することなんてできない」と、完璧を求める方なら考えるでしょう。その強い意思は、大切に持っていていいものです。しかしそんな考えばかりに囚われていると、できなかった自分を責め、前に進めなくなってしまうことも。ですから何かにつまずいた時は、まずその原因を追究し、自分を責めるのは辞めましょう。代わりにできなかったことを「次に挑戦すること」と考え、新しい気持ちで向き合ってみてください。
STEP4:新たな挑戦に足がすくんだ時は…
過去の失敗は忘れる
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新しいことに挑戦しようと思った時、昔の失敗が思い出されて始める前から諦めてしまったことはありませんか?完璧を求める方は、「また前と同じように失敗してしまうかもしれない」と恐ろしくなり、次の一歩を踏み出すことができない場合があります。すぐに忘れることは難しいかもしれませんが、できるだけ頭の中から締め出して、考えないようにすることが大切です。
「失敗しそう」と思ったら、あえて失敗をめざしてやってみる
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それでも失敗が頭をよぎる時は、あえて失敗を前提として挑戦してみませんか?失敗しても当たり前、うまくいったらラッキー♪そんなマインドで挑戦すれば、失敗も怖くありません。本当に失敗したとしても、挑戦する過程で得た物事は、必ずこれからのあなたの糧になってくれるはずです。
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あえて失敗するなんて、完璧をめざす方にとっては無駄に思えるかもしれません。しかしここで大切なのは、成長や挑戦のチャンスを逃さないこと。いつまでも「前失敗したから…」と足踏みをしていると、何も新しいことを始められず、成長することもできなくなってしまいます。
完璧が必要なところは、とことん追求してOK
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「完璧を求めるのをやめよう」と意気込んでも、すぐに断ち切るのは困難ですよね。完璧主義は、場所や状況を間違えなければ、理想の実現に近づくための強い味方になってくれるもの。完全に自分のこれまでの考え方を否定するのではなく、役立つポイントを見極めて、長所として上手に使ってあげてください!
制限時間や明確なゴールを決めて取り組む
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物事を行う順序を明確に決め、「これをやらなければ次へ行かない」と過程にも完璧を求めることは、理想に近づくために必要な時もあります。一方で考え方を狭め、一つのステップにつまずくと次へ行けない、という事態に陥ってしまう可能性も。そのため制限時間や明確なゴールといった大枠を決め、そこへ向かって進むこと第一に考えてみましょう。過程にばかり気を取られず、本当に大切なことを意識し続けられれば、着実に理想へ近づいていけるはずです。
ほどよく完璧を手放して、新しい一歩を踏み出そう
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これまでずっと完璧を求めてきた方にとって、今すぐに完璧主義をやめるのは難しいかもしれません。しかし完璧へのプレッシャーから解放されたあなたは、心がずっと楽になっているはず。意外な力を発揮できたり、他者との新しい関係性を築けるようになっているかもしれません。完璧を求めるという自分の魅力は大切にしながら、今一度自分に向き合って、新しい一歩を踏み出してみてください。