繰り返しやってくる眠気たち・・・
午後に眠くなる理由
また、脳には食欲を刺激する「食欲中枢」がありますが、そのなかの「オレキシン」というホルモンの分泌がかかわっているのだそう。オレキシンは、空腹を感じたら活発になり脳を覚醒させますが、食事にありつけると活動が鈍くなります。活動が鈍くなれば脳が覚醒しづらいため、当然眠くなるという仕組み。食事後の血糖値の上昇も、眠気を引き起こす原因のひとつです。
オレキシンは、脳の視床下部と呼ばれる部分で作用する食欲や睡眠、体内リズムなどに関わるホルモンです。このオレキシンを放出するオレキシン神経が、「食事をよく味わいながら、美味しく、規則正しく摂る」ことにより活性化。
さらに、食べたものは消化器官によって消化され、体内に必要な栄養を取りこもうと内臓が働きます。消化活動のために胃腸に優先的に血液が運ばれて、脳への血流が減少するだけでなく、興奮や緊張によって活発になる「交感神経」よりも、リラックス時に活発になる「副交感神経」のほうが優位になり、眠気がやってくるというわけです。
睡魔に打ち勝つ11の方法
1、朝ごはんを抜かない
朝ごはんを抜くとエネルギーが出ないだけでなく、前の食事との時間があいてしまうことで、お昼ごはん時に血糖値が一気に上がってしまいます。時間がない場合には何でもいいので、食べるように心がけましょう。食物繊維の豊富な納豆や全粒粉のパンなどを選ぶと、次の食事でも血糖値の上昇をゆるやかにする「セカンドミール効果」が期待できますよ。
セカンドミール効果とは、GIの提唱者であるジェンキンス博士(トロント大学)が1982年に発表した概念です。ジェンキンス博士は、最初にとる食事(ファーストミール)が、次にとった食事(セカンドミール)の後の血糖値にも影響をおよぼすことを、「セカンドミール効果」と定義し、提唱しています。
2、野菜から先に食べる
炭水化物に含まれている糖質は、もちろん大切な栄養素。ただ糖質の高いものだけをいきなり食べすぎると、血糖値の急激な上昇につながります。おだやかに上昇させるためにも、メインの炭水化物を食べる前に、食物繊維をたっぷり含んだ野菜から先に食べるようにしてみましょう。
3、糖質の高いメニューを避ける
おにぎりや菓子パン、麺類などは、さっと食べられて便利なランチの定番。ですが、糖質の高い炭水化物がメインの食事は、眠気やだるさを引き起こす原因に。制限しすぎもよくないですが、お昼にはなるべく野菜を中心とした糖質の少ないメニューを選ぶとよいでしょう。
4、間食をあえて取り入れる
昼食前に間食を挟むのも効果的です。たとえばドライフルーツやナッツ類など、食物繊維を豊富に含むものをつまむようにしてみましょう。勤務中で難しかったりする場合には、飲み物を飲むだけでもOK。たんぱく質が豊富に含まれるもの豆乳や野菜ジュースなど、糖質が控えめのものを飲むようにすると◎
5、ゆっくりと食べる
満腹中枢は、食事を始めてから15分以上経ってから刺激されます。15分よりも前に食べ終わると満腹感が得られず、ついつい食べすぎてしまいがちに。血糖値の上がりすぎに繋がらないよう、よく噛んでゆっくりと味わうようにしましょう。
6、カフェインを摂取する
カフェインには、脳を覚醒させたり集中力を高める効果があるとされています。コーヒーや緑茶、紅茶、ココアなどを効率よく摂取すると、眠気を防ぐことができます。食前や食後に、これらの飲み物でほっと一息つくのもいいですね。ただし、カフェインは刺激の強い成分。過剰摂取は身体に悪影響を及ぼすため、摂取しすぎには注意が必要です。
7、アロマオイルを活用する
スプレーボトルに精製水を入れてアロマオイルを数滴垂らし、眠気や倦怠感を感じたときにシュッと一吹き。香りは、神経を刺激して眠気を解消するレモン・ユーカリ・ジュニパーなどがおすすめです。精製水はドラッグストアで手軽に購入できますよ。微量のアロマオイルを、ハンドクリームに混ぜて使う方法も◎
8、首筋や足の付け根を冷やす
リラックス作用のある副交感神経の働きを手軽に抑制する手段として、身体を冷やすといった方法があります。首筋や足の付け根、わきの下など、太い血管が通っているところを冷やすのが効果的。冷却シートや濡れタオルなど、家庭にあるモノで対応できますよ。
9、睡眠を改善する
睡眠時間は、できれば6時間以上は確保したいところ。スマートフォンやパソコンは就寝時刻の1時間ほど前から控え、食事は就寝の3時間ほど前までに済ませておくのがベストです。また、眠る入浴のとき、ぬるめのお湯にゆっくり浸かると寝つきがよくなります。眠る1~2時間ほど前にゆっくりと浸かると、睡眠の質の改善が期待できますよ。
10、眠気に有効なツボを押す
眠気に打ち勝つ方法として、ツボ押しも効果的です。ツボ押しは脳への直接的な刺激となるため、即効性のある眠気覚ましになります。眠気を感じたら、有効なツボを数秒間押してみましょう。やや痛いと感じるほどの強さが◎
【眠気に有効なツボ】
「中衝(ちゅうしょう)」・・・中指の爪の根元で、真ん中より少し人差し指側
「合谷(ごうこく)」・・・親指と人差し指で「く」の字を作ったとき、親指と人差し指の付け根が交差する骨のくぼみ部分
「労宮(ろうきゅう)」・・・手のひらの中心部
ヒトの眠気のピークは、夜中の午前2~4時、お昼の午後2~4時の2回。実は、お昼ごはん後は、ヒトは放っておいても自然に眠くなる生体リズムになっています。