お正月やお食い初め…お祝いの「鯛の塩焼き」を手作りしたい
縁起の良い鯛を丸ごと一匹使って作る「鯛の塩焼き」。お正月にとどまらず、お食い初め、結婚式、還暦祝いなど、あらゆるお祝いの席を盛り上げてくれるお料理です。ぜひ、おうちで上手に焼いて、思い出深いお祝いの席にしたいですね。
【豆知識①】尾頭(おかしら)付き「鯛」はなぜ縁起がいい?
縁起が良いとされている「鯛」。尾頭付きは、完全にそろっているという意味で人生を全うすることにつながるといわれ、昔から語呂合わせで「目出鯛(めでたい)」とも呼ばれてきました。そして、鯛の色が赤と白(紅白)なのも縁起物として好まれる理由のひとつです。
また、そもそも鯛は“魚の王様”とされる魚であり、大きな鯛では20年以上、最長で40~50年生きるとか。“長寿”を示すものとしての役割もあり、それを神様にお供えするのですから、お祝いの席にぴったりですね。
【豆知識②】お祝いの「鯛の塩焼き」。時には飾り物になることも
お正月に出される尾頭付きの鯛の塩焼きは、「睨み鯛」という名で、飾り物の一種として扱われることもあります。元日に出しても、お正月三が日は箸を付けることはなく、言葉の通り“見ている(睨み)”だけ。1月4日には、もう一度温め直してから食べてよいとされています。あくまで全国共通ではなく、西日本、特に関西に多い風習です。
【豆知識③】塩焼きにする鯛の種類について
塩焼きにするのは主に「真鯛」
鯛の種類は、真鯛をはじめ、血鯛・黄鯛(レンコ鯛)、金目鯛など24種。お祝いの席で食べられる鯛は、最高級とされる「真鯛」を使うことが多いようです。ちなみに、金目鯛は煮付けや汁物向き。
丸ごと一匹「鯛の塩焼き」の作り方
<はじめに>鯛の下処理
うろこ(鱗)の処理
まずは、うろこ取りから。うろこは必ず尾から頭に向かって取っていきます。包丁の刃を当てて取っても構いませんが、ペットボトルのキャップやうろこ取りという専用の器具を使ってもきれいに取ることができますよ。
まな板のに鯛のにおいが付くことが気になる時は、牛乳パックで代用するのもおすすめ。また、大きめのビニール袋の中でうろこ取りをすれば、飛び散らずに済みますね。両面のうろこが取れたら、必ず水で洗い流しましょう。
内臓やエラの処理
エラの処理は、エラ蓋を開けてエラを取り除いていきます。その際、エラはとがっていて手に刺さると痛いので気を付けましょう。
また、内臓処理のためにはお腹を開く必要がありますが、切腹を連想させるため、お祝いの席では不向き。そのため、口からお箸を2本入れて箸をひねりながら内臓を処理します。取り出したらしっかりと流水で洗いましょう。
鯛の焼き方
塩の振り方
鯛の塩焼きはとっても簡単。ポイントは、塩を高い位置から全体に振りかけること。そうすることでムラができにくくなります。塩は天然の粗塩がおすすめ。振り塩をすることで魚から出た水分とともに生臭さも抜け、またタンパク質が固まって、うまみを閉じ込めてくれます。振り塩をした後は、30分ほど置いて、水気をよく拭き取って焼きましょう。
焼くときのコツ
焼く前には化粧塩もしっかりと。焼き始めるとひれが焦げてしまいます。そのため、背びれ、尾びれ、腹びれにたっぷりと塩をつけて、さらにアルミホイルで包んでから焼くことで、焦げてバラバラになりません。
火加減は必ず弱火にしてじっくり焼いていきましょう。じっくり焼くことで中まで火が通り、身がふっくらできあがりますよ。
オーブンで焼く方法も
鯛の塩焼きは、オーブンでこんがり焼く方法もあります。化粧塩をしたり、尾にアルミホイルをかぶせるのは、グリルで焼くときと同じ。途中でオーブンの温度を少し下げてじっくり焼くレシピもあります。
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【番外編】おもてなしおすすめ!鯛料理の人気レシピ
塩焼き以外にも、おめでたい鯛を使った料理のレパートリーを増やしておくと、おもてなしにも困りません。刺身や切り身など扱いやすい部位を活用しましょう。
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「鯛の塩焼き」の美味しい焼き方をマスターしましょう!
とても立派でお祝いの席にぴったりの鯛。シンプルな塩焼きは、一番美味しくいただける調理法かもしれませんね。味付けがシンプルなだけに、残ってしまってもアレンジするレシピはたくさんあります。おめでたい鯛を使った他のレシピも覚えておくと何かと重宝します。美味しい鯛料理で、幸せ気分を楽しめたら素敵ですね♪
*画像のご協力、ありがとうございました*
少し塩焼きが残ってしまったときにおすすめの、鯛めし。研いだお米と骨や皮を除いたほぐし身、調味料を合わせて、炊飯器のスイッチを入れるだけ。おにぎりにして海苔を巻いていただくのもいいですね。