そもそも雑穀とは?
一般的に雑穀といえば、小さい粒をつけるヒエ・アワなどの穀物を思い浮かべますが、雑穀の定義は“日本人が主食以外に利用している穀物の総称”だとか。つまり、主食は白米ですから、それ以外の穀物。広い意味ではキヌア、アマランサス、ごま、豆類なども雑穀に含まれるそうです。
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
雑穀は縄文時代から
出典:unsplash.com
日本では、縄文時代の遺跡からヒエやオオムギの種が採取され、なんと紀元前3000年以上も前から栽培されていたことがわかっているそうです。古事記には「稲・粟・麦・小豆・大豆」が五穀とされ、古来から日本人の食生活になじみの深い穀物として愛されてきました。戦後の食生活の変化で雑穀の栽培量は激減しましたが、健康志向の高まりによって再び注目が集まっています。ダイエット食としてもよく耳にしますね。
雑穀の種類と栄養は?
雑穀は長寿食であり、その種類にもよりますがビタミンやミネラル、抗酸化パワーに優れたポリフェノールなども豊富で、栄養価に優れています。腸内環境を整えたり、肌の若々しさをキープする手助けなど、メリットがいっぱいで、穀物のパワーは想像以上!
雑穀には、アワ・ヒエ・キビ・モロコシ(高きび)・ハトムギなどのほか、ソバ・アマランサス・キヌア・黒米・赤米などがあります。健康のためにも、ぜひ毎日の食事に取り入れてみましょう!
雑穀料理のレシピ
雑穀は色も形もさまざまで、見た目だけでなく食感も魅力。白米に雑穀を混ぜて炊くのは、多くの方が既にされていると思いますが、ほかにも雑穀を主役にしたお料理に挑戦してみませんか?コツさえつかめば、お料理のレパートリーがぐんと広がりますよ。
基本的な雑穀の炊き方
雑穀を主役にした料理は、まず雑穀だけを炊くことが基本になります。簡単ですので、分量や手順を覚えておくと役立ちますよ。
【材料(分量)】
・雑穀(1カップ)
・水(1.5カップ)
・塩(小さじ1/4)
【炊き方】
1.雑穀をしっかり洗って、ざるで水切りをする。
2.水を沸騰させた鍋に、塩と雑穀を入れてかき混ぜながら煮る。
3.混ぜながら鍋底が見えるようになったら、均一にならして蓋をして弱火で15分炊く。
4.コンロから下ろして10分蒸らせばできあがり。
・雑穀(1カップ)
・水(1.5カップ)
・塩(小さじ1/4)
【炊き方】
1.雑穀をしっかり洗って、ざるで水切りをする。
2.水を沸騰させた鍋に、塩と雑穀を入れてかき混ぜながら煮る。
3.混ぜながら鍋底が見えるようになったら、均一にならして蓋をして弱火で15分炊く。
4.コンロから下ろして10分蒸らせばできあがり。
キビ
もち種とうるち種がありますが、国内での栽培はほとんどが“もち種(もちきび)”。ビタミンB1、B6、亜鉛などが豊富で、黄色い色素は抗酸化パワーに優れたポリフェノール。冷めても、もちもちした食感が残ります。
アワ
ヒエと並んで日本最古の穀物で、稲が伝来するより前の主食だったといわれています。うるち種よりも、もち種(もちあわ)が多く栽培されています。黄色い色はポリフェノールで、ミネラルの王様といわれるマグネシウムは、白米の約5倍だとか。味は淡白で、上品なおいしさです。
モロコシ(和名:高きび)
アフリカ原産で、紀元前3000年以上前から栽培されていたとか。穀物として食べるほか、ビールの醸造の原料になったり、茎は壁材や燃料になるなど利用範囲の広い雑穀です。噛みごたえがあり、ひき肉のかわりに利用されることも多く、“ミート・ミレット”とも呼ばれます。
ヒエ
ヒエは、縄文時代から栽培され、アワとともに日本最古の穀物といわれています。ヒエに含まれるたんぱく質は、善玉コレステロール値を高める効果が期待できます。ほかの雑穀よりも汚れが残りやすいので、よく洗ってから使いましょう。
ハトムギ
中国では、古来から漢方薬や滋養強壮食として重宝されてきました。漢方の生薬名は、ヨクイニン。新陳代謝を促し、美肌効果が期待できます(ただし、妊娠中の方は避けましょう)。コロッとした形状で噛みごたえがあり、雑穀らしい素朴な味わいがあります。
キヌア
キヌアは、南米インカ帝国で愛されてきた食材。アメリカNASAが「21世紀の主食になる」と発表したことで有名になりました。カルシウムや鉄分などのミネラルや食物繊維が豊富です。
アマランサス
アマランサスは、紀元前5000~3000年にはアンデス南部の山岳地帯のアステカ族に栽培されていたといわれています。キヌアよりも粒が小さく、新食感。カルシウム、ビタミンB6、葉酸、亜鉛、鉄分などが多く含まれています。
黒米・赤米
黒米には、美肌効果や抗酸化性に優れたポリフェノールの一種である「アントシアニン」がたっぷりで、食物繊維、鉄分、マグネシウムも豊富です。薬膳料理にも使われ、濃い紫色の仕上がりが特徴。また、赤米は抗酸化作用のあるポリフェノールの一種である「タンニン」を多く含みます。縄文時代に稲が伝来したときの米は赤米だったといわれており、日本の米のルーツといえそう。赤米を蒸したものは、赤飯の起源だとか。
粒ソバ
タンパク質やビタミンB群、ミネラルのほか、ソバ特有の成分である「ルチン」はポリフェノールの一種で、健康にいいとされています。殻を取り除いたソバ米は、食感もつるんとしていて料理に使いやすい素材です。
いかがでしたか?
雑穀は、健康や美容にいいだけでなく、料理に新しい風を運んでくれます。楽しみながら健康になれるなら、こんなおトクなことはありませんね。ぜひ、雑穀の奥深い世界をあなたものぞいてみませんか?
こちらの写真は、ヒエ。冷害にも干ばつにも強い作物。縄文時代から栽培され、アワと並んで日本最古の穀物といわれています。