温泉卵とは黄身が半熟、白身は半凝固状態で仕上げたゆで卵のこと。黄身の凝固温度（約70度）が白身の凝固温度（約80度）よりも低いという性質を利用して、作られています。68度前後のお湯に30分ほど浸けておくと温泉卵の状態に仕上がります。湧出する温泉や蒸気がこの温度に近いと、温泉卵を作ることができるというわけです。

ビタミンやミネラル類をバランスよく含む卵。実はビタミン類は熱に弱いため、加熱することですこし失われてしまいます。固ゆで卵よりも半熟卵、温泉卵の方が消化しやすいため、体が弱っているときには半熟卵、温泉卵を選んでみるとよいでしょう。

温泉卵は、黄身と白身の凝固温度の違いを利用して作るため、適温は68度前後で時間は20分から30分程度といわれています。ただ、この温度をキープし続けるというのが非常に難しいため、温泉卵を家で作るのは難しいと思われがちです。温度計とタイマーがあればいいのですが、もっと分かりやすいレシピで覚えておくと簡単に作ることができるようになります。

卵につくサルモネラ菌は70度で30分以上加熱することで死滅するといわれています。自家製の温泉卵は衛生状態なども完璧な状態ではないので、日持ちはあまりしません。作ったらできるだけはやめに食べるようにして、どうしても保存したいというときは冷蔵庫で保存するようにします。作り置きおかずと同じように、容器は除菌して清潔なものを用意し、できるだけはやめに食べきるようにしましょう。

工場で衛生管理を徹底して作られている市販の温泉卵の賞味期限はおおむね1週間から2週間程度です。生卵よりも賞味期限は短めと考え、購入したらできるだけはやく食べきるようにすると安心です。

お湯を沸騰させたあと、水をさして急激に温度をさげたところに卵を入れます。基本的に放置しておくだけなので、失敗することなく美しい温泉卵が完成します。

沸騰させたお湯に水溶き片栗粉を溶かし入れ、とろみをつけることで、お湯の温度を一定にキープします。片栗粉は少なすぎても、多すぎてもダメ。ちょうどよいとろみ加減を作ってあげるのが、良い状態の温泉卵を作るポイントになります。

炊飯器の保温機能を使うと、一定の温度を保つことができるので温泉卵を作ることができます。おおむね30分から40分ほどかかるので、時間があるときにおすすめの方法ですね。

電気ケトルを使うときは、まずはお湯をいつも通りに沸騰させ、その後、水を150㏄ほど入れて温度を下げます。静かに卵を投入したら11分から12分ほどそのまま放置しておくだけで、ちょうどいい頃合いの温泉卵が完成します。コンロやレンジを使わないので、暑い夏でも簡単ですし、なにより安全に仕上げることができるというのが嬉しいポイントですね。

マグカップと電子レンジを使うとあっという間に温泉卵を作ることができるんです。お料理のトッピングとしてのせたいときには、お料理が完成したあとにさっと作って、できたてのところをいただきましょう。

温泉卵メーカーとは、専用のスタンドに卵をセットして熱湯を注いで待つだけで美味しい温泉卵ができるという優れものです。温泉卵メーカーの種類によって、何分、待つか異なっています。

ぶりの山椒味噌焼きという和風なテイストにも温泉卵はよく似合います。白と黄色が入ることで、うつわの中がぱっと華やぎますね。

食べやすくカットしたチキンの中央に温泉卵をのせて、可愛らしさをアップしました。仕上げにパルメザンチーズをふりかけて、イタリアンテイストを強めています。

なすと豚肉の味噌炒めにも温泉卵をトッピングして。さらにトップには糸とうがらしをのせて、キュートな見栄えに仕上がりました。白と黄色と赤のコントラストがとてもきれいですね。

ひき肉を使ったドライカレーうどんは、そのままだとぽろぽろして食べづらいのですが、温泉卵があればとろみがついてうどんにも絡みやすくなります。

温泉卵をおうちで美味しく作れるようになると、毎日の食卓はもっともっと豊かなものになります。栄養たっぷりの卵を彩りよく使えたら嬉しいですね。いつものお料理に温泉卵をプラスすれば、特別感もアップしますよ。おうちで作る温泉卵にぜひチャレンジしてみてくださいね♪