アメリカ発・新しい食のトレンド。「ベジセントリック」って?
「ベジセントリック」とは、野菜の「Veggie(ベジ)」と、「中心の」を意味する「Centric(セントリック)」を合わせた「野菜中心」という意味の造語。野菜の味や食感をメインに味わう、アメリカの健康志向の高い層に注目を集めているヘルシーな食のスタイルです。
野菜をあくまで「中心」として、「肉」「魚」「乳製品」などを完全にNGとしないのが、厳格なベジタリアンやヴィーガンとは違うところ。無理せず、おしゃれに、自由な発想で、野菜のある食を楽しむ考え方が「ベジセントリック」なんです。
野菜でヘルシー&華やかに!「ベジセン」おつまみメニュー集
今回は「ベジセン」のコンセプトを活かした、おしゃれでヘルシーなおつまみメニューをご紹介。家飲みやホームパーティの機会に、野菜たっぷりの食卓で、味も見映えも大満足のおもてなしをしてみませんか?
Ⅰ. 旬のチカラは絶大。「季節の野菜」でベジセンレシピ(夏編)
野菜を食べる上で、何より気にかけるべきなのは「旬」です。旬の野菜は味わいも栄養も凝縮され、余計な手を加えなくても美味しいもの。さらに「春には代謝を高める」「暑い季節に体を冷やす」など、気候に応じて体が欲するものを摂れるという意味でも理にかなっているんです。
出典: 「冬」と名前がついているけれど旬は夏、それが冬瓜です。瑞々しくさっぱりした味わいは夏にピッタリ。さらにカリウムや食物繊維などがたっぷり含まれていて、夏バテやむくみ対策にも効果的。同じく夏が旬の桃と合わせて、淡いグリーンにピンクが映える華やかサラダに仕立てます。
贅沢パルミジャーノのゴーヤとクランベリーのクロスティーニ
出典: 夏に食べたくなる野菜といえば、沖縄生まれのゴーヤ。強い苦味と甘酸っぱいクランベリー、香り高いパルミジャーノが絡み合い、複雑で食欲をそそる味わいに。バゲットに乗せて焼き上げることでおしゃれな前菜になります。
出典: 夏野菜の定番ナスとチーズ。旨みが凝縮した真っ赤な完熟トマトとナスを重ね、チーズを散りばめてオーブンで焼き上げます。ナスは予めオリーブオイルで焼いておくのがポイント。オイルを吸収させておくことで、オーブンで焼き上げると香り高くトロトロになります。
出典: 色鮮やかなズッキーニやパプリカも、夏が旬の野菜です。イカの塩辛をアンチョビのように使い、オリーブオイルとニンニクで炒めた一品は、和と洋が融合した大人のお味。
Ⅱ 話題の「まんなか」に♪おしゃれな「西洋野菜」レシピ
「うち飲み」でおもてなしをするなら、お料理もセンスよく見せたいですよね。難しく手の込んだ料理じゃなくても、素材のセレクトを工夫するだけでおしゃれなビジュアルに仕上がります。ゲストから驚きの声が上がるおもてなし料理を並べましょう。
出典: イタリア・ローマ生まれであることからその名がついた、カリフラワー「ロマネスコ」。幾何学的な形が螺旋状に集まるこの形状は「フラクタル」と呼ばれ、まるで精緻な彫刻のようです。うっとりと見つめていたくなるこの美しさをいかした調理方法で楽しむのが◎。
スティックブロッコリー&ロマネスコの春のアクアパッツィア
出典: ロマネスコと、茎の長いブロッコリー「スティックセニョール」は、もともとの形状を活かしてカット。エビやあさり、白身魚など、淡白な味の魚介類と合わせて、自然な旨味を引き出したアクアパッツァです。
アメリカやヨーロッパでは一般的に食べられている「アーティチョーク」は、独特の形が特徴的。菊の仲間で、日本名は「チョウセンアザミ」。食用にされているのはつぼみの部分です。
出典: アーティチョークの食感はホクホクのでんぷん質。風味はソラマメやクリを合わせたようだとも言われます。ピタパンの上にアーティチョークのオイル漬け、ほうれん草、チーズ、松の実を乗せて焼き上げます。チーズはピザチーズだけでなくゴルゴンゾーラなど、いくつか種類を混ぜることで複雑で高級感ある味に。
出典: 黄色いカボチャ「コリンキー」は生でも食べられるのが特徴です。若取りしたものをスライスして…というのが一般的な生食のレシピですが、色や食感を生かすよう切り方を工夫してみて。
出典: 薔薇の形にするといっても難しい技術は不要。ピーラーを使って縦に細長くスライスしたコリンキーと生ハムを重ね、くるくると巻いていくだけ。ベビーリーフを敷き詰めて盛り付ければ、まるでガーデンに咲いた薔薇のようです。
出典:www.flickr.com(@ceratosaurrr.) 彩りは斬新、でも味はふつうのジャガイモだから、好き嫌いを選ばずお客様に出せるカラーポテト。使うなら、火を通しても色を保てる品種がおすすめ。たとえば、紫のじゃがいもは「シャドークイーン」や「キタムラサキ」、赤は「ノーザンルビー」や「ドラゴンレッド」などです。
出典: おしゃれメニューとして定番化した「ハッセルバックポテト」も、カラーのじゃがいもを使うと、インパクト抜群の新メニューに!普段のお料理に副菜として添えるだけでもテーブルが華やぎますよ。
Ⅲ 「スーパーフード」で、ヘルシー&イマドキなベジセンレシピ
「ヘルシー」をより強く意識するなら、栄養価が高く比較的カロリーが低いといわれている「スーパーフード」を使ったメニューはいかがですか?アボカドやナッツ、ベリー類、キヌアなどの穀類を、他の食材と上手に組み合わせながら摂り入れてみましょう。
出典: アボカドは「森のバター」と呼ばれるくらい栄養価の高い素材。カリウム、葉酸、体に必要な飽和脂肪酸、ビタミンBや食物繊維も豊富です。スキレットでじっくり焼いたあとは、仕上げにお好みではちみつをかけて、さらに栄養価を高めたメニューに。
出典: 穀物の一種であるキヌア。タンパク質、食物繊維、アミノ酸が豊富で、またグルテンを含まないためグルテンフリー食材としても注目されています。茹で上げたキヌアのプチプチ食感が、いつものサラダに変化をつけてくれますよ。
出典: 鉄分やカルシウム、食物繊維を豊富に含むイチジクに、ポリフェノールをたっぷり含むブルーベリーやブラックベリー、キヌアパフなどスーパーフルーツがたっぷりのデザートプレート。仕上げにシナモンパウダーで香りづけを。盛りつけに使った黒のスレートプレートはインスタグラムでも人気のアイテム。果物の色味が映えてアート作品のようですね。
”ベジセン”をおいしくする!調味料のバリエーション
調味料次第で、野菜の味だけでなく食感や見た目まで変わるのが「ベジセン」の面白さ。素材の味を引き出すような調味料をセレクトして、いろいろな組み合わせを楽しみましょう♪
旨味がたっぷり凝縮された旬の野菜は、グリルやフリッターにして、こだわりの塩をパラリと振るだけでご馳走に。岩塩やハーブソルトなど、風味のある塩を選ぶと、味がより豊かになります。
出典: サラダにはドレッシング、温野菜ならアヒージョ。パサつきがちな野菜の味や食感をなめらかにまとめてくれるのがオイルです。オリーブオイルや亜麻仁油、ヘルシーオイルとして注目を集めているマカダミアナッツオイルなど、メニューに合わせて選んでみましょう。
野菜メインの料理にコクや旨味を付け加えるのに欠かせないのがチーズ。マイルドな味わいならクリームチーズやモッツァレラ、塩気を加えるならペコリーノ・ロマーノやパルミジャーノ、刺激的な香りと奥行きを加えるならゴルゴンゾーラ…作りたい味によって種類を選ぶのも楽しいですね。
出典: 夏のレシピに、目にも涼やかな彩りを与えてくれるのがジュレ。とろりと素材に絡むので、ドレッシングのかけすぎも防げます。
出典: オーブン焼きやグリル野菜には、ソースやディップで変化をつけて。にんにくやマスタード、こしょうなどで香味を加えたソースは、野菜本来の旨味をより際立たせてくれます。
さまざまな野菜を使って、華のあるテーブルを演出する「ベジセントリック」なメニューをご紹介しました。おもてなしの機会だけでなく、普段の食事に取り入れるだけでもヘルシーになれそうですね。季節ごとの野菜を「まんなか」に、彩りや食感を楽しむ「ベジセン」を積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか?
「ベジセントリック」とは、野菜の「Veggie(ベジ)」と、「中心の」を意味する「Centric(セントリック)」を合わせた「野菜中心」という意味の造語。野菜の味や食感をメインに味わう、アメリカの健康志向の高い層に注目を集めているヘルシーな食のスタイルです。