素敵な人に聞いた「おしゃれ」のあれこれ
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素敵な人に聞いた「おしゃれ」のあれこれvol.10-モデル 香菜子さん【後編】

写真:松木宏祐 ヘアメイク:吉川陽子 文:キナリノ編集部

「素敵なあの人は、なんでおしゃれなんだろう?」――この疑問をご本人にぶつけて、おしゃれのあれこれを聞く連載の第10回目。今回はモデル・イラストレーターの香菜子さんにお話を伺いました。前編では、香菜子さんのおしゃれの基礎を作ってきたものをご紹介しました。後編では似合うものの見つけ方や最近の気分、プチプラアイテムなど、香菜子さんのおしゃれの応用編をご紹介します。さりげないおしゃれが魅力的な香菜子さんの「あれこれ」をどうぞ。

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2019年01月17日作成
<< 前編はこちら
【連載】素敵な人に聞いた「おしゃれ」のあれこれvol.10-モデル 香菜子さん【後編】
自然体な普段着の着こなしが支持されている香菜子さん。
モデル、イラストレーターとして、そして2人の子を持つ母として忙しい日々を送っています。
私服の着こなしを紹介したスタイルブックを何冊も出版する香菜子さんは、おしゃれをどのように楽しんでいるのでしょうか。

似合うものの見つけ方

《自分に似合うものがわからない》――これは、誰しも一度は思う、おしゃれにおける普遍的な悩み。
香菜子さんは、どうやって自分に似合うものを見つけていったのでしょうか。
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「顔うつりがいいものを選んで、この色が好き、これを着ていると気分がいいな、などのデータを自分の頭の中にストックしています。だから、最近はあんまり冒険をしなくなりました。」

なんでも着こなしているように見える香菜子さんにも、似合わない色があるそうです。

「“黄色が似合わない”って旦那によく言われるので、そういう色は買わないと決めています。買うのは黒や紺が多くて、偏っちゃうかな?と思った時期もありましたが、好きで似合っているからいい、と色を決めたら買い物がすごく楽になりました。」

一見同じ黒でも、様々なニュアンスがあります。
小さな違いを楽しみながら、だんだんと似合うものに絞られていったそうです。
そして、これから年を重ねていく過程で目指す姿があります。
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「この人といえばこれ、と象徴するようなものがある人になりたいと思います。おばあちゃんくらいになったらそれが出来ているといいですね。年を重ねるごとに削ぎ落とされていって、“ノームコア”っていいなと思うほどになりました。」

<究極の普通>を意味するノームコア。
制服のように、自分に似合う究極の服を見つけられたら素敵ですよね。
香菜子さんも、そこに向かっている最中です。

「服はいっぱい買ってしまうのですが、あれもこれもと選ばなくなった分だけ楽になりました。自分に似合うものがわかった上で買えるのは楽しいです。」

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香菜子さんといえば、スニーカーやローファーなどを履いているイメージがあります。
ヒールの靴は、履くのでしょうか?

「履こうとは思うんですけど結局背が高くなってしまうのでほとんど履かないです。でもそろそろヒールの靴でちゃんとしたものを1足買おうかなと思っています。」

“ちゃんとしたもの”を買おうと思っているのは、やはり洋服やおしゃれの“似合う”がわかってきたから。

「今は、3着持っていたコートから1着の良いものに絞って、長く大切に着るようなことをしていきたいと思っています。毎年友達のお店でガレージセールをしているので、そこでかなり整理しています。」

「究極の一着」を探すために、年に一度のガレージセールが、ワードローブと向き合う機会となっているのですね。

流行とプチプラアイテムの取り入れ方

おしゃれの刺激になる流行のものやプチプラアイテムを香菜子さんはどうやって取り入れているのでしょうか?

「流行は、そのまま真似することはしないでなんとなく、にとどめています。プチプラアイテムはよく取り入れていて、アクセサリーも、娘に教えてもらった近所のお店で3つで300円の細い指輪を買いました。そこは若い子が行くお店ね、と素通りしてたお店だったんですけど、連れて行ってもらって。」

安いから…と後ろめたく思うより、安く見えないものを選ぶのがポイント。
それで、「これいくらだと思う?」と人に聞くのも好きなのだそうです。
プチプラを取り入れたおしゃれも、ゲーム感覚で楽しんでいるのですね。
シンプルな着こなしのポイントになるイヤリングやバングル。「実はアクセサリーにあまりお金をかけないんです。以前落としてしまったこともあったのですが、何回かつけたし、となんとかあきらめがつくくらいの値段です。」

シンプルな着こなしのポイントになるイヤリングやバングル。「実はアクセサリーにあまりお金をかけないんです。以前落としてしまったこともあったのですが、何回かつけたし、となんとかあきらめがつくくらいの値段です。」

このコーディネートで着ているニットも約7,000円のプチプラアイテム。MEDE19F(メデ・ジュウキュウ)のもので、袖や裾のダメージ加工がポイントのちょっと遊びのある1枚。ワイドデニムはJohnbull(ジョンブル)。

このコーディネートで着ているニットも約7,000円のプチプラアイテム。MEDE19F(メデ・ジュウキュウ)のもので、袖や裾のダメージ加工がポイントのちょっと遊びのある1枚。ワイドデニムはJohnbull(ジョンブル)。

「一昨年に本格的なライダースジャケットを購入したのですが、ライダースって結構ハードルが高いですよね。自分の服に合うか不安があったので、本格的なものを買う前にお試しにプチプラブランドで1枚買って、1シーズン試しに着ていました。」

ちょっと気になるけど難しそうなアイテムにチャレンジするのにも有効なのがプチプラアイテム。
値段の高低は様々あるけれど、似合う服を見つけておしゃれを楽しむ過程では一番の近道なのかもしれません。

今のおしゃれの気分

こちらのトレンチコートは、今季買い足したというChaos(カオス)のもの。
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今回紹介していただいたコーディネートは、カーキ色が多い印象です。
今の気分なのでしょうか?

「カーキ色が気分の年と全然そうじゃない年があるのですが、今年は気分です。」

テイストは、マニッシュなものがずっと好きだそうです。

「パンツかスカートだったらパンツの方が多いですが、最近自分の中ではロングスカートがブームです。ブランドとのコラボレーションでロングスカートを作りました。」
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ずっと好きなブランドや最近気になるブランドはありますか?

「ずっと買ってるのはA.P.C(アー・ペー・セー)とかかなあ。最近は、今日着ているコートのChaosや、Johnbullのデニムはかわいいものがあるのでそのあたりが好きです。他にも今シーズンはoveride(オーバーライド)のベレー帽を買い足しました。店員さんが帽子への愛がすごくあって、かぶり方も色々教えてくれます。帽子を探しているときはいつもそこに行きますね。」

とっておきアイテム

普遍的なデザインのスーツ。「子どものお祝い事にいつも着ます。」という、香菜子さんのフォーマル服。

普遍的なデザインのスーツ。「子どものお祝い事にいつも着ます。」という、香菜子さんのフォーマル服。

とっておきアイテムとしてお持ちいただいたのは、「ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン」のスーツ。

「娘と息子の入学・卒業式などのほとんどの式典で着ているので、かなりの回数着ています。デザインが古臭くならないので着続けられています。」

フォーマルな場所で着る服は、案外選択肢が少なく自分が好きなものを選ぶのに苦労するもの。
でも、ずっと使うものだから妥協せずに選んだそうです。

受け継いでいきたいもの

現在20歳の娘・はわかさんもモデルとして活動中。たびたび親子共演もされています。
2人で一緒に買い物に行ったりすることもあるそうです。

「ときどき行くと、刺激を受けますね。“今の若い子はこういうの流行っているんだ”“これ、かわいいかも”と思って買ったり。普段自分一人では入らないようなお店やブランドに行けるので楽しいです。」

身長・体重、靴のサイズまでほとんど一緒の2人。
たまに、香菜子さんのお下がりをはわかさんが着たり、それがまた香菜子さんに戻ってきたり。
靴を共有したりもしているそうです。
香菜子さんから、はわかさんに受け継ぎたいものはありますか?

「トリッカーズのブーツは、メンテナンスをして大事に履いていっていつか娘にあげてもいいかな、と思っています。今は自分で履きたいですけど。(笑)娘は今はドクターマーチンとかを履きたいと思うんですけどね。」
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香菜子さんには、1つ決めていることがあります。

「娘の洋服は絶対否定はしないようにしていて、いいところだけ褒めるようにしています。洋服は自分の一番表に出ているものだから、けなされると悲しいじゃないですか。だから否定的なことは言わないようにして、良いときは“今日のそれかわいいね”と言っています。それは、娘だけじゃなくて、他の人に対しても同じです。かわいいと思ったときは、アメリカ人方式で褒めるようにしています。“口紅素敵だね”って。(笑)」

前編で話されていた、かつて伊達めがねをかけていたときに友達の「変だよ!」の一言が、ここにも影響しているのでしょうか。
「洋服は自分の一番表に出ているもの」だからこそ、自分も他人も尊重することが、おしゃれを楽しむのに大切なことなのかもしれません。


(取材・文/金美里)

香菜子(モデル・イラストレーター)

1975年、栃木県足利市生まれ。女子美術大学工芸科陶芸専攻卒業。在学中にモデルを始める。
1998年、出産を機に引退。2005年、第二子出産を機に雑貨ブランド“LOTA PRODUCT(ロタ プロダクト)” を設立。母の立場から「こんなものがほしい」をかたちに雑貨をデザインし人気を集める。2008 年よりイラストレーターとしての活動もスタート。また、モデル業も復帰し、さらなる活躍の場を広げている。モデルのかたわら2018年7月より架空のホテル“VILHELMS (ヴィルヘルムス)”を作り、備品などイメージしたプロダクトの制作を開始。
2015年、コーディネートブック『普段着BOOK』(主婦と生活社)を出版。たちまち重版となり、シリーズともに好評発売中。近著に東京の街を案内する「東京みちくさ案内」(主婦と生活社)
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