学校から帰ってきて晩ご飯が始まるまでの時間、母が立っているキッチンにいるのが好きでした。その日学校であった出来事を母に聞いてもらい、母が手際よく作る料理をそばで見ていました。給食はあまり食べられない子だったのに、家では味見係をかってでる食いしん坊。

キッチンの母は、手の込んだ料理も楽しそうに作っていたことを今も覚えています。工程が多い料理は私たち姉妹もよく手伝っていましたが、その時間も思い出深いです。母が作る料理はなんでも好きですが、中でも手作りお菓子は特に大好物。家に帰ってきたときに、手作りお菓子やデザートがあるとうれしかったことを覚えています。ほんのり洋酒が香る大人味のパウンドケーキやレモンの酸味が効いたヨーグルトムース、揚げたてのドーナツもおいしかったなぁ。

そんな母とは、歳とともに顔や体型がだんだん似てきているなぁと思います。不意に鏡に映った自分の顔が母に見えてびっくりすることも。最近、字も似ていることに気付きました。いつも母の字をお手本にしていたからかな。笑いのツボが似ているのも親子だなぁと思います。このごろは笑いじわまでそっくりに。年々、変なところが似てくるもんだなぁと感心します。

ずーっと見守ってくれて感謝しています。小さいころから家を巣立つまで、毎日キッチンでいろいろな話をしましたね。料理をしながらだと、ふだん話しづらいこともなぜか話せたりしました。私にとって、いろんな思い出が詰まった場所。そこで作ってもらったおいしいものたちでこんなに大きくなりました！今度、親子3世代でクッキングできるのを楽しみにしていますね。パウンドケーキのレシピを教えてね。