冬至とは、二十四節気の一つで季節の区切りの日。
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冬至とは、太陽の見える位置によって季節を区切る方法の二十四節気の一つで、北半球では一年で最も太陽の位置(角度)が低い日に当たります。そのため冬至は昼の長さが一番短くなるので「夜が一番長い日」という風にも言われたりします。
冬至の次は、冷え込む時期を意味する「小寒」と「大寒」が続くため、暦の上では寒さ対策を強めるタイミングにも当たります。
冬至の次は、冷え込む時期を意味する「小寒」と「大寒」が続くため、暦の上では寒さ対策を強めるタイミングにも当たります。
冬至はいつ?
「冬至」がいつかを決める方法はいくつか存在しますが、基本的に太陽の位置が270度の瞬間のことを言います。一般的に「冬至」と呼んでいるのは「冬至の瞬間が含まれる日」のことです。
地球が太陽の回りを一周するのにかかる日数は約365.24219日のため、365日の暦は4年に一回うるう年を入れて調整していますが、その影響で冬至の日も固定された物にはならず、年によって数日の範囲で違ってきます。ちなみに、2021年の冬至は12月22日(水)です。
地球が太陽の回りを一周するのにかかる日数は約365.24219日のため、365日の暦は4年に一回うるう年を入れて調整していますが、その影響で冬至の日も固定された物にはならず、年によって数日の範囲で違ってきます。ちなみに、2021年の冬至は12月22日(水)です。
「冬至=日没時間が早い」ではない?
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「昼の時間が一番短い」と聞くと「一年で一番日没時刻が早い」という風に感じますが、実は一年で一番日没時刻が早い日は冬至よりずっと早い12月の上旬頃、逆に日の出が遅い日は1月上旬です。これは太陽の周りを地球が一年かけて一周する間、タイミングによって一日の間で太陽が真南から東にずれる大きさが変わってくることで日の入りや日の出の時刻が変化するためです。
冬至の特徴は「日照時間が一番短いけれど日没時間は特別早くない」と憶えておきましょう。
冬至の特徴は「日照時間が一番短いけれど日没時間は特別早くない」と憶えておきましょう。
「一年で最も昼間の時間が短い日」の項目で冬至や日没が早い日などについて詳しく解説されています。
冬至の意味や習慣には、未来への期待が込められている?
冬至を意味する「一陽来復」という言葉の意味
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冬至のことを「一陽来復(いちようらいふく)」と言うことがあります。その意味はいくつかありますが、冬至を境に日照時間が長くなって春に近づくことから「陰が極まって陽に転じる」「悪いことが終わって良いことが訪れる」という意味での区切りの日とする習慣もあったそうです。
ちなみに、古代中国では、冬至を元旦とする習慣があり「朔旦冬至」と言いました。
ちなみに、古代中国では、冬至を元旦とする習慣があり「朔旦冬至」と言いました。
古来の冬至の習慣とキリストの誕生祝が合わさった現在のクリスマス
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現代の暦で、年末の一番大きな行事といえばクリスマス。実はキリスト教が生まれる前にあった太陽を神とする信仰では、日照時間が一番短くなる冬至を一年の終わりとし、冬至の後から日が長くなる現象を太陽の復活、新年の始まりとする考え方があったようです。古代ヨーロッパではゲルマン民族が「ユール」と呼ばれるお祭りを行っていたそうで、今も北欧にその風習の名残があります。
その後、太陽の復活(冬至)とほぼ同じタイミングのキリストの誕生が結びつき、クリスマスとして広く祝われるようになりました。
その後、太陽の復活(冬至)とほぼ同じタイミングのキリストの誕生が結びつき、クリスマスとして広く祝われるようになりました。
冬至の期間に授与される一陽来復の御札やお守り
冬至はその日を境に新しい年が始まる大切な日、という考え方はいろいろな国で共通しています。
日本では、お寺や神社では冬至の期間に「一陽来復」の御札やお守りを授与している所があります。
冬至の日には一年の穢れを払い翌年の幸運を願う、特別な祈祷や火渡り神事が行われている所もありますので、近くであればお参りするのも良いかもしれません。
日本では、お寺や神社では冬至の期間に「一陽来復」の御札やお守りを授与している所があります。
冬至の日には一年の穢れを払い翌年の幸運を願う、特別な祈祷や火渡り神事が行われている所もありますので、近くであればお参りするのも良いかもしれません。
都内であればこちらで御札を授与していただくことができます。
冬至にまつわるお天気の言い伝え
冬至の風習には、冬至の天気で翌年の天候や収穫を占う物がいくつかあります。
「冬至の天気が良いと翌年は豊作になる」
「冬至に雷が鳴れば翌年は雨が多い年になる」
「冬至に雪が降れば豊作になる」
長い間、農耕が主体の暮らしだった日本で、天候が一年の生活を大きく左右する問題だったことが伺いしれますね。実際に当たるかどうか、調べてみると面白いかもしれません。
「冬至の天気が良いと翌年は豊作になる」
「冬至に雷が鳴れば翌年は雨が多い年になる」
「冬至に雪が降れば豊作になる」
長い間、農耕が主体の暮らしだった日本で、天候が一年の生活を大きく左右する問題だったことが伺いしれますね。実際に当たるかどうか、調べてみると面白いかもしれません。
冬至の食べ物とその意味とは?
体を労るビタミン源のかぼちゃ
冬至に食べる食材として定番なのが「かぼちゃ」。体の抵抗力を高めてくれるビタミンAが含まれる緑黄色野菜が不足しがちな冬、暖かい季節に収穫し長く保存できるかぼちゃは大切なビタミン源でした。大切な野菜を冬至に食べて体を労った風習と言えるかもしれません。
定番レシピだからこそ、冬至には丁寧に作って食べたいですね。
かぼちゃ以外にもある冬至の食材(冬至の七草)
“ん”が2個つく共通点!南京・蓮根・人参・銀杏・金柑・寒天・うどん
冬至の食べ物として有名なのはかぼちゃは、実は「冬至の七草/七種(ななくさ)」と呼ばれる食べ物の一つ。「南京 なんきん(かぼちゃ)」「蓮根 れんこん」「人参 にんじん」「銀杏 ぎんなん」「金柑 きんかん」「寒天 かんてん」「饂飩 うんどん(うどん)」、これら名前に“ん”が2つ入っている物が冬の七草になります。
※「ん」が「運」に通じるとして選ばれたという説があります。
※「ん」が「運」に通じるとして選ばれたという説があります。
冬至の献立に!かぼちゃが主役のメニュー&レシピ
シンプルにかぼちゃを食べるレシピ
電子レンジでできる塩かぼちゃ
ほんのりカレー風味のクミンかぼちゃ
冬至かぼちゃがメインの煮込み料理
かぼちゃと冬至七草のうどんでほうとう風煮込みうどん
鶏むね肉と豆乳のかぼちゃクリームシチュー
冬至にまつわる食材のおすすめレシピ
色で厄払いする冬至のかぼちゃ&小豆
疫病除けの小豆粥(冬至粥)
豚肉とかぼちゃの甘辛いとこ煮
冬至かぼちゃの黄色も厄除けの色!いとこ煮風ぜんざい
朝ごはんやおやつに!かぼちゃと小豆のスコーン
冬至スイーツにぴったりのかぼちゃと小豆のケーキ
かぼちゃ×にんじん
かぼちゃと鮭とにんじんの柚子味噌汁
かぼちゃ×れんこん
かぼちゃとれんこんのドライカレー
かぼちゃ以外のレシピ
エリンギと銀杏のバターしょうゆ炒め
「冬至、こんにゃく、砂払い」で食べる冬至のこんにゃく
冬至の定番「ゆず風呂」の意味と効果について。
冬至にゆず湯に入ると一年中風邪を引かない?
「冬至に柚子風呂に入ると一年中風邪を引かない」という言い伝えから、現代でも「ゆずを用意してゆず湯に入る」というお家も多いのではないでしょうか。厄払いの黄色をまとった丸い果実はお日様を思わせますね。一陽来復にふさわしい果物といえます。
香りの良いゆず湯は、リラックス効果が高い冬の楽しみ。冬至以外でもよく親しまれていますが、浴槽にゆずを入れるときに知っておきたいポイントがあります。
香りの良いゆず湯は、リラックス効果が高い冬の楽しみ。冬至以外でもよく親しまれていますが、浴槽にゆずを入れるときに知っておきたいポイントがあります。
ゆず風呂のポイント
熱いお湯をかけて皮からしっかり香りを出す
ゆず湯をするとき、ステンレスなどの耐熱素材のボウルかお鍋にゆずを入れ、かぶる程度の熱湯を注いで人肌くらいまで冷まし、浸したお湯ごとお風呂に入れます。このひと手間で果皮の精油成分が溶け出しやすくなり、香りがよく立って肌がしっとりする効果が高まるそう。
刺激に弱い人は果実を袋に入れてからゆず湯に
浴槽に丸くて黄色いゆずがプカプカと浮かんでいる可愛い様子もゆず湯の楽しみですが、小さい子供や敏感肌の人が入浴する場合、ゆずは袋に入れてから浴槽に入れましょう。
お湯で柔らかくなったゆずはつぶれやすく、砕けた果実や果汁がたくさんお湯に溶け込むと肌にとって強い刺激になります。専用の袋を縫うのもOKですが、不織布の水切りネットや100円ショップの小さな洗濯ネットを使うと簡単です。
お湯で柔らかくなったゆずはつぶれやすく、砕けた果実や果汁がたくさんお湯に溶け込むと肌にとって強い刺激になります。専用の袋を縫うのもOKですが、不織布の水切りネットや100円ショップの小さな洗濯ネットを使うと簡単です。
「良いことが訪れますように」と願いながら体を労わる冬至の習慣
かぼちゃを食べたりゆず湯に入る冬至の風習は、風邪を引きやすい時期に体を労わる意味があります。また、冬至に行われるお寺や神社の祈祷や神事、「運」に繋がる“ん”がつく食べ物を食べる習慣は、未来への期待が感じられますね。暦として季節の区切りである日に込められたそれらの意味がわかれば、今まで「冬至だからなんとなく」していたことも理解が深まり大切な行事になるかもしれませんね。