深い呼吸ができていますか?
ストレス社会に生きる現代人は、知らず知らずのうちに呼吸が浅くなっていると言われます。私たちが日常無意識にしている呼吸には「胸式呼吸」と「腹式呼吸」があり、浅い呼吸は肋骨が動く「胸式呼吸」です。そして、質の良い深い呼吸へと導いてくれるのが「腹式呼吸」です。
腹式呼吸は、息を吸うときにお腹が膨らみ、息を吐くときにお腹が凹む呼吸法。呼吸筋とも呼ばれる「横隔膜」を上下に動かすことで呼吸を行います。横隔膜は肋骨の下にあるドーム状の筋肉で、その運動範囲は「胸式呼吸」で使われる胸の筋肉よりも広いのだそう。
無意識でもできる呼吸ですが、その質によって私たちの心やカラダに様々な嬉しい効果をもたらすと言われています。今回は、腹式呼吸で得られるメリットと腹式呼吸のやり方をご紹介します!
腹式呼吸で得られるメリットとは
腹式呼吸は、健康に携わる様々な場面で推奨されるほどメリットの多い呼吸法です。その理由は、腹式呼吸をすることで自然と深い呼吸ができることにあります。深い呼吸がカラダにいいと耳にすることも多いですが、具体的にはどんなメリットがあるのでしょうか。
高いリラックス効果が期待できる
出典:unsplash.com
腹式呼吸には、高いリラックス効果が期待できます。深くゆっくりと呼吸ができるので、自律神経のうち副交感神経が優位になるためです。普段は浅い「胸式呼吸」になっている人も、寝ているときは自然と腹式呼吸になっているのだとか。これは、睡眠中は副交感神経が優位になるので、自然とリラックス状態になっているためだと考えられます。
また、深い呼吸には「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌を促す役割も。腹式呼吸はリラックスを促し、ストレスを軽減し、穏やか気持ちへと導いてくれます。
また、深い呼吸には「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌を促す役割も。腹式呼吸はリラックスを促し、ストレスを軽減し、穏やか気持ちへと導いてくれます。
むくみや冷えの改善
腹式呼吸の大きなメリットとして、「血流がよくなる」ことが挙げられます。血流がよくなることで、むくみや冷え性などの不調の改善も期待できます。
また、血流がよくなると基礎代謝アップの効果も。基礎代謝が上がると痩せやすくなるので、ダイエットのサポートにもつながります。相乗効果として、疲れにくくなったり、集中力が高まったりする効果も期待できるでしょう。
また、血流がよくなると基礎代謝アップの効果も。基礎代謝が上がると痩せやすくなるので、ダイエットのサポートにもつながります。相乗効果として、疲れにくくなったり、集中力が高まったりする効果も期待できるでしょう。
お通じ改善やデトックス効果も期待
腹式呼吸には、内臓のマッサージ効果も期待できます。腹式呼吸でお腹が膨らむのは、息を吸い空気がカラダに入ると横隔膜が収縮し、胸郭(胸を覆う肋骨の内側の空間)が上下に広がるため。すると内圧がかかり肺に空気が入ります。
これが、腹式呼吸のメカニズム。横隔膜が伸び縮みすることで内臓に圧がかかり、マッサージ効果が得られるのです。腹式呼吸により内臓に適度な刺激が伝わり、便秘の改善やデトックスなどの効果もあると言われています。
これが、腹式呼吸のメカニズム。横隔膜が伸び縮みすることで内臓に圧がかかり、マッサージ効果が得られるのです。腹式呼吸により内臓に適度な刺激が伝わり、便秘の改善やデトックスなどの効果もあると言われています。
インナーマッスルが鍛えられる
インナーマッスルが鍛えられることも腹式呼吸のメリットと言えます。腹式呼吸のときに動く横隔膜は筋肉です。胸の肋間筋と同じく、呼吸にまつわる筋肉なので「呼吸筋」とも呼ばれているインナーマッスルです。呼吸をすることで体幹が鍛えられるなんて嬉しいですね!体幹が育まれると、カラダの軸が安定したり、疲れにくくなったりするでしょう。効率的なダイエット法とも言えそうです。
初心者さんでも大丈夫◎腹式呼吸のやり方
腹式呼吸は誰にでも簡単に取り入れられる呼吸法です。実際に腹式呼吸をやってみましょう。立っていても座っていてもできますが、慣れるまでは仰向けで練習するのがおすすめです。お腹に手のひらをあてると、お腹のふくらみを感じやすくなりますよ。
腹式呼吸を行うタイミング
腹式呼吸はいつでもできますが、より効果的に行うためにはいくつかのポイントがあります。腹式呼吸は、リラックスを促す呼吸法。そのため、リラックスしたいときや、イライラしそうなときが腹式呼吸をするおすすめのタイミングです。
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夜寝る前や、仕事や家事の合間のリフレッシュとして行うのもよいでしょう。腹式呼吸をすると腹圧がかかるので、食後すぐは避けましょう。また、血行が促進されるので、アルコールを飲んでいるときも控えてくださいね。
腹式呼吸をやってみよう!
腹式呼吸の簡単なやり方をご紹介します。落ち着いた環境で、気軽にチャレンジしてくださいね。座った姿勢でも、仰向けに寝転がった姿勢でも、やりやすい体制でOKです。慣れるまでは、手のひらをお腹と胸にあてて、呼吸のリズムを感じながら行うと◎
腹式呼吸のやり方
【1】右の手のひらをお腹に、左の手のひらを胸にあてます(逆でもOK)。
【2】まずは、今ある息をすべて吐き切ります。
【3】鼻からゆっくりと息を吸いながら、手のひらに反発するようにお腹をできるだけ大きく膨らませます。手のひらでお腹が大きく膨らみ、胸はほんの少し膨らむのを感じながら丁寧に息を吸いましょう。
【4】口からゆっくりと息を吐きながら、お腹をぺたんこにしていきます。カラダから空気が抜けていくのを手のひらで感じながらしっかりと吐き切りましょう。慣れてきたら鼻から吐いてもOKです。
【2】まずは、今ある息をすべて吐き切ります。
【3】鼻からゆっくりと息を吸いながら、手のひらに反発するようにお腹をできるだけ大きく膨らませます。手のひらでお腹が大きく膨らみ、胸はほんの少し膨らむのを感じながら丁寧に息を吸いましょう。
【4】口からゆっくりと息を吐きながら、お腹をぺたんこにしていきます。カラダから空気が抜けていくのを手のひらで感じながらしっかりと吐き切りましょう。慣れてきたら鼻から吐いてもOKです。
腹式呼吸で気をつけること
出典:unsplash.com
腹式呼吸をするときに気をつけたいのは、以下の3つです。
・しっかり吐き切る
・姿勢に気をつける
・余計な力を抜く
・しっかり吐き切る
・姿勢に気をつける
・余計な力を抜く
文字通り、呼吸は吐くことから。息を吐き切れないと浅い呼吸を招く原因につながります。カラダの中の余白をなくすイメージで、最後の一滴までしっかりと吐き切りましょう。
姿勢もポイントです。猫背や前かがみの姿勢ではお腹を広げにくく、浅い呼吸につながります。また、大きく吸いこもうと意気込み過ぎると、肩や胸に余分な力が入り、うまくお腹が使えないことも。背筋をスッと伸ばして、肩の力を抜き、たっぷりとお腹を膨らませながら腹式呼吸を練習してくださいね。
姿勢もポイントです。猫背や前かがみの姿勢ではお腹を広げにくく、浅い呼吸につながります。また、大きく吸いこもうと意気込み過ぎると、肩や胸に余分な力が入り、うまくお腹が使えないことも。背筋をスッと伸ばして、肩の力を抜き、たっぷりとお腹を膨らませながら腹式呼吸を練習してくださいね。
腹式呼吸に慣れてきたら・・・
ヨガやストレッチをしながら
深い呼吸とともにカラダを動かすヨガやストレッチに、腹式呼吸を連動させてみましょう。動きながら腹式呼吸をすることで、血行促進やインナーマッスルを鍛える効果もより期待できそうです。腹式呼吸の性質を上手に利用すると、ヨガのポーズやストレッチを深められますよ。
息を吸うときには「手足を上げる」「カラダや背骨を伸ばす」「胸を広げる」などの動きを、息を吐くときには「手足を下げる」「カラダを縮める」「ツイストをする」などの動きを合わせましょう。
叶えたい夢をイメージしながら
叶えたい夢をイメージしながら腹式呼吸をすると、質の良い「イメージトレーニング」ができます。イメージトレーニングは、感性を磨き、豊かな想像力を育むのに役立つと言われています。
深い呼吸とともに、なりたい自分や、「こうなったら素敵だな」という前向きなイメージをしてみましょう。人は、緊張しているときよりも、ほどよくリラックスしているときの方が良いパフォーマンスができるもの。リラックスして肩の力が抜けたときに、いいアイディアやひらめきが生まれるかもしれません。
腹式呼吸をマスターして、呼吸の質を高めよう
腹式呼吸は、自然と呼吸を深くし、呼吸の質を高めてくれる呼吸法です。呼吸は、朝も昼も、寝ている夜の間も、24時間休むことなく繰り返しているもの。呼吸の質が高まると、心にもカラダにも嬉しい変化をもたらします。いつでもどこでも自分のタイミングで実践できるところも魅力のひとつ。日常に腹式呼吸を取り入れて、心身の健康に役立ててくださいね。