「また変われなかった」とただ自分を責めるのは、もうおしまい。
ところが実際は・・・その情熱は、いつの間にか下火になりがち。
「明日がんばろう」という先延ばしの気持ちが芽生え、気づけば「このままでいいか!」とOKを出し・・・。「また変われなかった」と自分にガッカリしてしまった経験はありませんか?
つまり「変われない」「続けられない」のは、あなただけの悩みではないのです。
「闇雲に頑張る目標」ではなく「自分が頑張りやすい目標」を立ててみて!
なりたい自分を叶えるためには「自分ががんばりやすい目標」を立てて、それに向かって日々「努力を積み重ねやすい方法に落とし込んでいくこと」にあるからです。
さぁ、早速「なりたい自分になる」ための目標を上手に立ててみましょう!
❃あなたが頑張りやすい目標の立て方(SETP1~3)
SETP1:5つの要素【SMART】を用いて「現実味のある目標を立てる」
【基礎知識】「SMART」とは?
②「Measurable」(計量性)
③「Achievable」(達成可能性)
④「Realistic」(関連性)
⑤「Time-bound」(期限)
「SMART」の5つの要素について、ご説明していきますね。
① Specific(明確性)
曖昧な目標は「頑張りにくい目標」の代表格。達成に向けてやるべきことがわかりにくくなってしまうからです。あなた自身がいつ目にしても、いつも「一つの姿」が想像できる目標であることを意識しましょう。
② Measurable(計量性)
例えば漠然と、ただ「がんばる!」という宣言では、もし成長できたとしても目標を達成できたのかどうかは自分でも判断しにくいもの。また、「がんばる」のは達成に向かって取り組む「状態・態度」であり、「なりたい像」そのものではないはずです。
「どこまで行ったら達成なのか」の基準を明確にしましょう。
③ Achievable(達成可能性)
ともすると、目標は「高い方がいい」と思いがちですが、あまりにも現実からかけ離れているとモチベーションを失うこととなります。一方、すぐ手に届くレベルにしてしまうと、黙っていても達成できてしまい目標を立てる意味すらありません。
イメージとしては、今の自分を「100」としたときに、目標を「110~120」くらいに設定するのがよいでしょう。
④ Relevant(関連性)
なりたい自分像を実現するための本質的な目標かどうか、優先順位高く取り組む必要があるかどうかを確認しましょう。
➄ Time-bound(期限)
適した時期に「期限」が設定できていれば先延ばしを防止する効果と同時に、間近すぎる期限設定にしてしまい必要以上の負荷をかけすぎることも回避できます。
【実践編】「SMART」を用いた目標設定の例
例:資格取得を目指す場合
例えば年始にその志を目標にしたためると「今年は○○資格を取得する!」で終わってしまいがちですが、SMARTを用いて検証しながら目標設定すると、以下のようになります。
●Specific/Measurable/Time-bound
・・・4月15日の○○試験で2級に合格する。
●Achievable
・・・準備期間は4か月。3カ月程度で進める問題集が市販されていることと、毎日の通勤時間が勉強時間に充てられるので、合格を目指すことは現実的。
●Related
・・・現在の仕事との関連性も強い内容。今の仕事を続けていくことでキャリアを積みたい自分にとっては一つの武器になり、周囲からの信頼にもつながる。
例:ダイエットにチャレンジしたい場合
●Specific/Time-bound
・・・12月31日までに、健康を維持しながら体重を落とす。
●Measurable
・・・体重-3kg、体脂肪率-5%
●Achievable
・・・3kgのダイエットはより短期間で成功させたことがある。体脂肪率については、いま一切運動をしていないのとが間食が多いので、それを中心に見直すことで達成できる可能性は十分にある。
●Related
・・・最終的になりたい姿は「健康的で引き締まった体」なので、達成することで理想に近づける。
SETP2:現実味のある目標を立てたら、「一晩寝かせて、見直そう」
例えば先ほどのダイエットの例では「体脂肪率を下げるより、筋肉量を上げることが大事」と感づけるかもしれません。(その場合は「Measurable」の指標を置き直して下さい)
SETP3:目標が定まったら、「具体的なアクションに落とし込む」
そこで準備したいのが「具体的なアクション」。以下の観点を参考にしながら、どんなステップを踏んで目標を達成するか落とし込んでいきましょう。
具体的アクションの決め方①:「今」からできる行動に落とし込む
目標達成までは細かなアクションを準備することになりますが、いずれも「今この瞬間から」「そのステージを迎えた瞬間から」できることに落とし込むようにしましょう。
目標達成ができないのは、「先延ばし」が大きな原因。逆に言えば、足を止めずに「今この瞬間から」スタートを切り続けることが大切と言えます。外国には「始まりが半分=物事を始めたら半分は成し遂げたも同然」ということわざがあるほどなんですよ。
■一例
「転職すること」を目指す場合:「実際求人のある企業を調べる」「転職経験のあるAさんに話を聞く→早速アポを取る」といった行動を起こせる
「○○の知識をつける」を目指す場合:「○○をテーマにした本をまずは3冊一週間で読む」など。今からその本を購入したり実際に読み始めることができます。
具体的アクションの決め方②:やることが多い場合は、小分けにして落とし込む
もしやることのボリュームが「100」ある場合、「1ヵ月で100やる」というアクションにするのではなく、「1週間に25進める、これを4週間続ける」としてみましょう。・・・というのも、次のような実験結果があるのです。
子どもたちを以下の2グループに分けました。
A:42Pの算数問題を一気に渡したうえで、それを7回にわけて回答させる
B:予め小分けにし6ページずつ算数問題を与え回答させ、これを7回繰り返す
・・・その結果、Bの方が、回答に要した時間は短く、正答率も高かったそう。
このことからもわかるように、最終的にこなす内容や量は一緒だとしても、一気に「頂上」目指して歩み始めるのではなく、分解して「今やること」「次のステップ」が見えやすくなっていた方が効率も成果もよいものとなるでしょう。
具体的アクションの決め方③:『正早安楽(せい・そう・あん・らく)』で糸口を探る
すべての目標に適用できるとは限りませんが、特に「改善」がテーマの目標を具体的なアクションに落とし込むのに便利なキーワードが『正早安楽(せい・そう・あん・らく)』。元々は業務改善の現場で用いられる考え方です。
■『正早安楽(せい・そう・あん・らく)』とは、以下の言葉の文字を取った言葉。
✔ より正しく
✔ より早く
✔ より安く
✔ より楽に
これを実践するにはどうしたらいいか?という視点をもって改善点を探り、具体的なアクションの選択肢を検討する、という方法です。
具体的アクションを決める時の注意点:『〇〇禁止』といった完璧主義の決め事はやめよう
目標やアクションを準備する際、「週3日はお金を使わないノーマネーデーを作る」「20時以降は絶対に間食禁止」といった、禁止事項で設定するのはやめましょう。パーフェクトに出来たら最高ですが、実際はどんなにやる気があっても、気分や体調の浮き沈みがあるのが人間です。
禁止事項を作るなら、あわせて破っても良いような選択肢・・・「どうしても難しい日は〇〇すればOK!ということにする」といったことも決めたいですね。
「決まりを破ったら即終了・達成不可能」にならないように、目標やアクションに余裕を持たせてあげることは、むしろ目標を確実に達成するための近道と言えるでしょう。
~実践例~「部屋を片付け掃除し、常に来客OKなレベルをキープする」という目標の場合
✔早:より時間をかけずにきれいにするには? → 「ついで掃除」を仕組み化する
✔安:より手間やお金をかけずにきれいにするには? → モノ自体を減らす
✔楽:より体や頭を使わずにきれいにするには? → ロボット掃除機を導入する、モノの住所をハッキリさせる
❃目標を決めたら終わりじゃない。「目標と上手に付き合う為のPoint」
そのためには、あなたが自分自身の「サポーター」となって、目標までの道のりを伴走してあげることが必要です。
Point①:毎日、自分が決めた目標・アクションを「見る」こと
どんなに素晴らしい目標やアクションプランでも、普段の生活で意識できなくては意味がありません。
「よく見える場所に貼りだす」「手帳の見開きに書く」「毎朝、目標とアクションを読み上げることを日課にする」など、必ず毎日自分の目に触れさせるようにしましょう。
リマインドの意味合いと共に、より目標への思いを強くする「マインド面」での効果も期待できますよ。
Point②:「目標振り返りノート」を作って、書き込んでいこう
「プランしたアクションをきちんと実行できたか?」「どんなことをしたか?」「どんな成果があったか?」「不自由や困難を感じていることはないか?」といったことを、日々記録していきましょう。
「思ったより効果的じゃないから、違う方向にシフトしてみよう」など、気づきによって軌道修正が可能となり、効率をUPさせたり、アクションをブラッシュアップさせたりすることができます。
「月に一度」「2週間に一度」など、まとまった時間を経て、『振り返り』を行うのもとても有意義になるはず。そういった「振り返りタイム」を決めたら、手帳にまとめて予め書き込んでしまいましょう♪
Point③:型にはまらなくていい。「目標を変えていくこと」を厭わないで
自分のモチベーションやコスト面、突然の異動や転勤、流動的に状況が変化する現在のコロナ禍など…。当初は想定していなかった事情や、やってみて初めて分かった障壁などの影響で、早々に目標達成が難しい見通しとなる場合もありますよね。
そんなときは、目標・アクションを積極的に「修正」しましょう。
『目標を修正する=負け』ではないので、執着する必要はありません。「これまでの積み重ねがもったいない」とも考えがちですが、大切なのはなりたい姿に向かって「近づくこと」「成長すること」。
少しそのスピードや方向性が変わったとしても、あなたが前進していればよいのです*
今度こそあなたはできるはず!考え込まずに今すぐ始めよう*
もしあなたの心の中に、本当に「やりたいこと」や「なりたい姿」があるのであれば。「私にできるかしら?」「また三日坊主になるのでは?」なんて考えこまず、今すぐ素直にノートを開いて次の目標について考えてみましょう。
たとえ手探りだったとしても、「頑張れる良い目標」と「最初の一歩」が準備できれば、道は徐々に開けてくるはず。あとはなりたい姿を胸に、目標に寄り添う目線を忘れずに…。
大丈夫。きっと今度こそ、「なりたい自分」に出会うことができますよ。
それでは、この「SMART」を用いた目標設定の具体例をご紹介します。これらの例を見ると、「希望」や「理想」に引っ張られすぎることなく、「なりたい姿」につながる現実像が明確に描けることがわかるはず。
自分の目標に置き換えながら、「SMART」の観点を用いるイメージを膨らませてくださいね。