1日に5000回以上!?生きることは、意思決定の連続。
「何を着るか?」といった日常的な決断から、大事な場面で「何をどう言うか」、職場や家庭で「何を優先して進めていくか」など…あなたが想像する以上に、今日を過ごすことは「決める」ことを絶えず行い続けること、といっても過言ではありません。
きっと「自分が満足する結論に至る」道筋が見つかりやすくなりますよ。
自信をもって自分で決めるための4つのヒント
1.既に手にしているものの価値を客観的に見つめ直す
≫ ≫ 好きかどうかどうかは関係なく、もう買えないものだから大切なものと思っている
□ あまり相性がいいとは感じていないものの、近くに住んでいるのでしょっちゅう会っている友人
≫ ≫ 自分に本当に必要かどうかは関係なく「大事な人脈/存在」と思っている
Point:「これを失ったら、再びお金やパワーをかけて手に入れたいか?」を問いかけよう
「もしこれを処分して困ったら、同じ金額を出してもう一度買うか?」
「もしどちらかが引っ越ししたら、交通費や時間をかけて会いたいと思うか?」
そんな自分への問いは、思いこんだ価値をリセットしやすく、自分にとっていい決断をする助けに。
結果が「Yes」ならあなたにとって本当に価値があるものなので、引き続き大切に。「No」ならこれまでの関係性を見直したり手放したりしてはいかがでしょう?
2.サンクコストに捉われない
既に支払い済みの費用、取り返せない過去の時間や労力―このように「どうがんばっても取り返すことのできないコスト」のことを「サンクコスト」と呼びます。このサンクコストによって、合理的な判断ができなくなる場合がしばしばあるのです。
例えば、こんな経験はありませんか?
□ 1500円で本を購入したところあまり面白くなかったが、お金がもったいないので最後まで読む
□ 夏休みの旅行当日に大きな台風がやってきそうだが、予定通り出発する
Point:「もったいない」「せっかくだから」は要注意
先に挙げたのはいずれも、「ここまでの時間が、お金が、努力が無駄になる」という思いに執着した結果、よりよい選択肢を見逃してしまいかねない例です。
恋人と過ごした期間にかかわらず、別れを選択すれば新たな出会いや別の機会に恵まれるかもしれません。
また、本代の1500円は戻らないのですから、読書は中止して別のことをしたり、面白いと思える本を読みなおした方がより価値の高い時間となります。
旅先でとりあえず調達した食事をとりながらじっとホテルの部屋で台風が過ぎ去るのをしのぐくらいなら、キャンセル料がかかっても旅行は見送って、自宅や近場で別の過ごし方をした方が貴重な休みを有意義に過ごせる可能性が大きいのではないでしょうか。
「もったいない」「せっかかくだから」と思う自分がいたら要注意。サンクコストにばかり捉われて、「本当に楽しめる機会」「有意義な時間」を損失していないか考えましょう。
3.選択肢以外のものと比較する
日々の買い物から人間関係まで、何かを選択しようとするとき、「AかBのいずれか」をどうしても選びきれず、なかなか結論が出ないこともしばしばありますよね。
Point:「第3の選択肢」も視野に入れる
判断をする場面において、選択肢を設定したり提示されたりすると、人はその選択肢AorBのどちらかからベターな方を選ぼうと考えがちですが、もしかしたらベストなのは「選択肢C」かもしれません。
悩むほどに視野が狭くなりがちですが、他に道がある可能性を常に意識しておくと、本質的な意思決定につながりやすいですよ。
□ 衝突しがちなXさんに対して「A:話し合う」or「B:自分が我慢する」? → C:「Xさんとの距離を置く」
4.「サティスファイザー」のあり方を意識する
何かを決断するときに、人は大きく2つの傾向に分かれると言います。
まず、常に最高の結果を追求しようとする「マキシマイザー」タイプ。
もう一つは、ある程度の結果で納得できる「サティスファイザー」タイプ。
それぞれ一長一短はあるものの、「決断後の満足度が高い」のは「サティスファイザー」だと言われています。
というのも、マキシマイザーは完璧を求めるがゆえに、「もっといい選択肢があったのでは」と思いがちであったり、選択の結果が90点だったとしても「100点ではなかった」ことに不満を抱くこととなります。
物事において絶対的な正解はないことの方が多いのですが…。
Point:「正しい選択」より「自分にとっていい選択」
それに対して、サティスファイザーは「大体でOK」、「ないものに注目する」よりは「今あるものに注目する」― いわば「足るを知る」というスタンス。
もしあなたが人生のパートナーを一人選ぶとき、世界中のお相手全員と会って相性や価値観を確かめ合うのは不可能ですよね。
完璧な選択肢を追い求めてストレスをためるよりも、「あの時はこの選択が私にとって最善だった」と思い、その選択に感謝する。「絶対に正しいかはわからないが、いい選択をした」と思えれば、自分の決断を肯定でき、その後の人生の満足度も上がるはずです。
【おまけ】よい決断の前提は「たっぷりの睡眠」
ここまで4つのヒントをご紹介してきましたが、「満足な決断」の大前提は、しっかり睡眠をとること。
ある実験によると、1週間4~5時間程度しか睡眠をとらなかったり、1日徹夜したりした結果、血中アルコール濃度0.1%相当の機能低下になるという結果も…。つまり、睡眠不足での判断は、大なり小なり酔っぱらった状態で何かを考え決めるのと同等とも言えます。
悩み迷うときは、なかなか眠れないことも多いものですが、とことん考えようとする前に、まずは「しっかり眠るための工夫や努力」を丁寧にするのが得策と言ってもよさそうですね。
おしまいに・・・
大人になった今、自分のことは自分で決めるしかなく、それがプレッシャーになることもあります。でも、自分で選択肢を見つけ選べるからこそ、楽しいとも言えるはず。
今回ご紹介したヒントによって、あなたの日々の決断が、より自分らしく自信に満ちたものになりますように。
第三者から見ると「それってそんなにいいもの?」と思う「モノ」や「人間関係」、「機会」に対しても、人は一度それが自分のものになった瞬間に、高い価値として見積もってしまいがちなのだとか。
もしも以下の例のように、「せっかく手にしたものだから」と必要以上に高く価値を見積もっていることに気づけないと、本当に大切な「モノ」や「チャンス」を見失うことにもなりかねません。