「労いの言葉」とは?
労いの言葉の意味
苦労や骨折りに感謝し、いたわる。現代では、同等または下の人に対して用いる。「従業員の労を―・う」
労いの言葉とは、相手がしてくれた苦労や骨折りに対して感謝を伝える、ということです。互いのやりとりをスムーズにし、気持ちよくいられるような労いの言葉をかけられたらとても素敵なことですよね。
敬語での労いの言葉
労いの言葉としてすぐに思いつくのが「お疲れ様です」や「ご苦労様です」という言葉ではないでしょうか。円滑なコミュニケーションを図るため、挨拶として職場内で交わされることも多いでしょう。
「~様」というワードが入っているので、敬語のように思われがちなこれらの言葉ですが、一般的に「ご苦労様です」という言い方は、目上の人に使うのは失礼に当たるとされています。
せっかくの労いの言葉も、感謝の意を伝える相手やその伝え方を間違えると、かえって失礼になりかねません。ビジネスシーンにおいては特に注意が必要です。
いつだって労いの言葉は目上の人から
目上の人には、労いの言葉の類語で感謝を伝えよう
労いの言葉とは「同等または部下に対して用いる」言葉です。つまり、目上の人に労いの言葉をかけるという行為自体があり得ないということになります。
ですが、働いていれば上司が自分のために骨折りしてくれたり、苦労を掛けてしまうこともありますよね。そんな時には、労うのではなく、素直な感謝の気持ちを伝えましょう。
労いの言葉の使い方&例文集【ビジネス編】
労いの言葉ですが、いざ使おうとするとどんな言葉が適しているのか迷うこともあるでしょう。ここでは、シーン別、相手別にどんな労いの言葉が最適か例をご紹介していきます。
【シーンⅠ】お礼したい場面で
あらゆる場面において、お礼の気持ちを伝えたい場合は多くの言葉を並べるよりも「ありがとうございます」「感謝しています」と、素直な気持ちを伝えましょう。
上司へ
「今日のプレゼンは大変勉強になりました」
「昨日のアドバイスに、大きな力をいただきました」
同僚へ
「予定が入っていたことをすっかり忘れてた。思い出させてくれてありがとう」
「なにがあっても臨機応変でほんと頼りになるね」
部下へ
「あんなアイディアがひらめくなんてすごいね」
「難しいお客さんの応対もソツなくこなすなんてやるねえ」
【シーンⅡ】プロジェクトの完了時or日常業務で
大きなプロジェクトが完了したときは互いに、あるいはリーダーが労いの言葉をかけます。また、日常においても労いの言葉はコミュニケーションを円滑にしてくれます。自然と労いの言葉が出てくるように心掛けていたいですね。
上司へ
「ご指導いただいて何とか完遂することができました」
「日ごろからお声がけいただきありがとうございます」
同僚へ
「長きにわたるご協力ありがとうございました」
「伝言ありがとう。先方も喜んでたよ」
部下へ
「みんなのおかげで完了しました」
「今日はお疲れ様。おかげでうまくいったよ」
【シーンⅢ】定年退職の場面で
定年退職の際は、長い間勤め続けたことに対する労いの言葉をかけます。ただし、目上の人が相手ですのであからさまな労いの言葉ではなく、感謝や尊敬の意を伝えるようにしましょう。
「定年退職おめでとうございます」
「いただいた教えを胸に頑張ります」
【シーンⅣ】メールで伝える場合
毎日顔を合わせる相手ではない場合、メールを送ることもあるでしょう。メールでも、口頭と同じように目上の人に対しては労いの言葉ではなく、「感謝・お礼」を伝えるようにしましょう。
「迅速なご対応を、ありがとうございました」
「ご回答ありがとうございました」
労いの言葉への返信の仕方
上司から労いの言葉をメールでもらった場合は、なるべく早く返信しましょう。まずメールを送って、自分に対して配慮してくれたことに対するお礼を伝えます。
「今後も変わらぬご指導ご鞭撻の程、お願い申し上げます。」
労いの言葉【ビジネス英語編】
英語でのコミュニケーションが必要になった場合は、どんな言葉を使うのが適切でしょう。
まずは、よく使われるフレーズをご紹介します。
(あなたの素晴らしい仕事ぶりにとても感謝しています)
*This project would not succeed if you were not here.
(もしあなたがいなかったら、このプロジェクトは成功しなかったでしょう)
部下の日ごろの仕事ぶりを労う定番の例文と、物事を成し遂げたことに対して「もし~」という表現によって「あなたのおかげで」という強い感謝の気持ちを表す例文です。
労いの言葉を英文にしてみると、よりダイレクトに響きますね。
労いの言葉の使い方&例文集【プライベート編】
職場だけでなく、共に暮らす家族や日頃親しくしている友人、そして自分に対しても忘れずに労いの言葉をかけてあげたいですね。言葉の選び方よりも素直な気持ちを伝えましょう。
家族に向けて
毎日一緒に過ごす夫婦や子どもたちですが、毎日一緒だからこそ伝えたい言葉ってありますよね。当たり前と感じることほど労いの言葉を掛け合って大切にしたいものです。
「いつも美味しい料理をありがとう」
「いつもそばにいてくれてありがとう」
友人に向けて
家族とはまた違う連帯感や信頼を持てるのが友達のいいところ。他人だからこそ、労いの言葉を口にしながら互いに支えあいましょう。
「あなたの存在が大きな力になっているよ」
「お互いに頑張ろうね」
自分自身に向けて
労うのは何も「自分以外の誰か」ばかりではありません。目に見えない頑張りや努力は、他でもない自分が一番よくわかっているのではないでしょうか。自分には「自分」という味方がいる、それだけで心も元気になるはずです。
「たまには休もうか」
「いつも味方だよ」
労いの言葉【日常英語編】
仕事から帰宅したときや、家族で互いに掛け合いたい労わりの言葉です。シンプルな表現ですが、気持ちが伝わりますね。
(仕事で疲れたでしょう?)
*Thank you for always supporting me.
(いつも、支えてくれてありがとう)
素直に「ありがとう」の気持ちを伝えよう
労いの言葉はかけてもらえると誰しも嬉しいものです。「ありがとう、すごい、頑張ってるね」という思いが胸に湧いた時、労いあるいは、感謝や賞賛として伝えましょう。心で思うだけではやっぱり伝わりません。
心の通ったコミュニケーションは、どんな間柄においても互いに気持ちよく過ごすために、また、さらに前へ進むための大きな力になってくれるはずです。
生活していく中で、一人でできることって意外と限られていますよね。職場でも家庭においても、誰かに助けられる場面は少なからずあるでしょう。そんな時、「感謝」の気持ちを表す「労いの言葉」をちゃんとかけられていますか?