“らしく生きる”ヒント
世界の素敵なことわざ
ペンは剣よりも強し/イギリス
武力での解決をやめ、条約によって組織同士の取り決めを果たすのは、人間の歴史の中でも誇るべき叡智。しかし近親憎悪とはよく言ったもので、家族だからこそ感情をぶつけたり要求が膨らんだりしがち。いつも冷静で相手の立場を尊重できる人でありたいですね。
行動は言葉よりも強力である/ドイツ
Die Tat wirkt mächtiger als das Wort.
直訳すると、「行動は言葉よりも強力である」です。
先ほど紹介したことわざと、あえて反対の言葉を選んでみました。日本語の「言うは易し行うは難し」に近い意味合いです。頭の中の考えは膨らみ理論武装するものの、なかなか行動できないということがありませんか?
時には武力、ということではなく、どれだけ良いことを口で言ったり紙に約束したりしても、行動が伴わなければ説得力がありませんよね。特に子どもからは「ママだってできてない!」と素直に返ってきそう。まずは自分が責任を持って行動する、それがきっと周囲に好影響を与えます。
仏像の背中に金箔を貼る/タイ
ปิดทองหลังพระ
直訳すると、「仏像の背中に金箔を貼る」という意味です。
人には見えない場所で良い行いをすることを示しています。行動の大切さを伝えることわざを紹介しましたが、それは人に見えない場所でこそ重要なのかもしれません。
毎日の家事も、いうなれば家族には見えない場所で家族のためにしていること。正当な評価がないとわかると腹立たしいこともあるけれど、褒められるためではなく家族が気持ちよく過ごすための行いであり、笑顔でいてくれると嬉しいですよね。
重要なのは年齢より気持ち/ブラジル
O importante não e a idade e sim como você se sente.
直訳すると、「重要なのは、実際の年齢ではなく気持ち」という意味です。
見た目や情報に判断されないように、ということを示しています。日本の美や容姿に関することわざ「器量は当座の花」などに近い意味です。
初対面のあいさつなどで「おいくつですか?」と質問するのは日本人特有の習慣といわれます。年齢や学歴、家族構成などに、左右されることがありませんか?自分の心がどう感じるかをいつも大切にしたいですね。
たくさん聞いて見て、少しだけ語れ/ハンガリー
Sokat hallj, láss, keveset szólj.
直訳すると、「たくさん聞いて見て、少しだけ語れ」という意味になります。
日本にも「口は災いの元」ということわざがありますが、世界中に似たようなことわざがありますよ。ついつい饒舌になりがちな人は肝に銘じておきたいことわざですね。
このハンガリーのことわざは、語るよりも見て聞いて知識を深めることが大切であることを伝えています。その上で“少しだけ”語るようにという教え。実は世界の同じようなことわざはもっと辛口で、身を滅ぼす結果を暗示しているものが多いんです。ハンガリーのやさしい教えを生活に取り入れてみましょう。
人は知らずに裁き、神は知って罰する/エチオピア
ሰዎች ባለማወቅ ይፈርዳሉ ፣ እግዚአብሔር ግን ያውቃል እና ይቀጣል ፡፡
こちらはエチオピアの公用語、アムハラ語の表記です。直訳すると、「人は知らずに裁き、神は知って罰する」という意味です。
実はエチオピアは1970年代後半に大規模な識字キャンペーンが行われました。それまではほとんどの人が読み書きをしない無文字文化。このことわざも口頭で伝えられてきたのです。時には子供を叱らなければならないパパママにおすすめのことわざ。
世界のことわざの大きな特徴が「神」にまつわるものが多いこと。日本にも「仏の顔も三度まで」などがありますね。人が人を裁くことは社会システム上必要ですが、倫理としては許されないのかもしれません。裁き罰を与えるのは最後に神のなさること。人ができるのは互いを思って懸命に伝え合うことでしょうか。
楽しい人には草も花、いじけた人には花も草/フィンランド
To an optimist every weed is a flower; to a pessimist every flower is a weed.
直訳すると「楽しい人には草も花、いじけた人には花も草」という意味です。
同じ景色も、気持ち次第で色が変わって見えることがありますよね。世界のすべてを前向きに楽しめるよう、いつもご機嫌でいたいものです。今のあなたはどんな気分?
気の持ちようで世界の色が変わって見えるのは、人間関係も同じかもしれません。いじけて卑屈な気持ちを持っていると、他者からのやさしさも素直に受け取れない場合がありますよね。でもそれはきっと、自分らしさとは違うはず。穏やかな心ですべてがポジティブに見える魔法をかけましょう。
The pen is mightier than the sword.
直訳すると、「ペンは剣よりも強し」。
英語の代表的な格言として知っている人も多いのでないでしょうか。最初に用いられたのはイギリス人作家エドワード・ブルワー・リットンの歴史劇「リシュリュー」です。剣がなくても国は救われる、ペンは魔法の杖と描かれています。冷静さを欠いて、強行突破しがちな人におすすめ。