新しい年を迎える時、それを一つの区切りとして目標を立て直したり、気持ちをあらたに新しい目標を掲げたくなりますね。それは、どんな目標ですか？

仕事で成功したいという方もいれば、幸せな家庭を築きたいという方もいるでしょう。あるいは、自分の夢を叶えたいとか、好きなことを仕事にしたいという方もいるかもしれません。

ところが私たちが望む「〜になりたい」という思いを叶えるのは簡単なことではありません。どんなに頑張っても、なかなか手が届かない「幸せ」を追いかけ続けることは想像以上に苦しいもの。

簡単に手に入れられないのはどうしてなのでしょう。それは自分の成長にともない願望も変化するからです。「〜になりたい」という思いを持って頑張るうちに自分の考え方や価値観も変わっていくのは当然のことですよね。

日々変わりゆく自分とともに変わりゆく望みを手にすることは、ほとんど不可能と言えるでしょう。つまり「幸せになりたいから頑張る」という思いのままでいると、心を休める暇もなく頑張り続けなくてはならないのです。

けれど、このままの状態では、どんなに頑張っても幸福感はもちろん、達成感すら得られません。そしていつしか「疲れた」という思いに取って変わられてしまうでしょう。

「幸せになりたい」と思ったからといって本当に幸せになれるわけではなく、その思いを手放したからと言って不幸になるわけでもありません。私たちは、もしかすると「幸せになりたい」という思いに囚われすぎているのかもしれません。

幸せになるために頑張ることで、かえって生きていくことに疲れを感じるならば、一度「幸せになりたい」という思いを手放してみましょう。

また、どうにもならない運命の力に抗うのではなく、現状を自分の運命として受け入れることは、今の自分を丸ごと肯定し、「〜幸せになりたいから頑張る」という考え方そのものを大きく変えるきっかけとなるでしょう。

そうすると、もっともっと！と先ばかりを見据えていた視線を、自分の足元に戻すことができるでしょう。「〜になりたい」と生き急ぐ思いばかりを優先しすぎて、今の自分の暮らしをおろそかにはしたくありませんよね。

「〜になりたい」という思いをいったん全て手放し、今を見つめるだけでは、向上心まで失ってしまうようで少し寂しい…　そんな思いもあるかもしれません。それならば、全てを頑張ろうとせず自分にとって一番大切にしたいものについてのみ頑張ってみませんか？

全てを頑張ろうとすると、どうしても中途半端になり、その全てを達成することができない焦燥感から「疲れ」を感じてしまうのです。優先順位の一番高いものについてだけ「〜になりたい」という気持ちと正直に向き合いましょう。

優先順位をつけてみると、本当に大事にしたかったのはこれだ、と改めて気づけるのではないでしょうか。それは、やみくもに全てを頑張ろうとすることよりもこれからの生き方を明確に見据える第一歩につながりますね。

仕事、家庭、夢などに関して、「〜になりたい」という思いを抱くのは、それらが充実している人生って幸せそう…というステレオタイプのイメージがあるからなのかもしれません。

けれど、「幸せそう」というのはあくまでもイメージです。多くの人が「幸せ」のイメージを持ちながらも、たしかな幸福感を得られずに悩むなら、「自分にとっての幸せとはなにか」、改めて知る必要がありそうです。

自分にとっての幸せを明確にし、その上で何を優先すれば良いのかを知る。たとえ小さくとも手ごたえのある達成感を積み重ねながら、充実した日々を過ごせたら、その時あなたは自分だけの本当の幸せを手にしているはずです。