忘れることは大事なこと
たくさんの思い出を忘れたくない、全部覚えていられれば良いのに…、と思う方もいるでしょう。でも、脳には容量があり新しいことを覚えるためには古い記憶から忘れていく必要があるのだそう。
また、過去の記憶の全てが良いことばかり、という方はきっといませんよね。良い事もあれば悪い事もあったでしょう。それら全ての記憶をいつまでも抱えているのはしんどいことかもしれません。
嫌なことの方が強く記憶に残る理由とは?
過去の記憶を忘れることで容量を空けたいのなら、嫌な記憶だけを忘れ去り、良かったこと、嬉しかったことをずっと覚えていたいですよね。それなのになぜか嫌なことの方を強く記憶しているような気がしませんか?
強く記憶に残すためには反復が欠かせません。勉強も何度も繰り返し書いたり考えることで、しっかり定着しますよね。それと同じく、嫌なことがあった時、クヨクヨと悩んだり反省したり、後悔したりと自分の中で何度も何度も考えることで、脳に強く刻み込まれてしまうのです。
ただ、前進するために考えることは必要
では例えば仕事で失敗したとして、反省もなく無かったことにしてしまえばいいのか、というとそれはちょっと違いますよね。同じような失敗を繰り返さないためにも、何故失敗したのかについて考えることは必要です。
考えても仕方のないことについて負のループのように考え続けるのではなく、そこから前進するためにはどうすべきか考え、原因を追及し改善できれば、次は成功につなげられます。そうすれば、嫌な記憶は良い記憶へと上書きできますよね。
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
自分の成長のために「忘れる力」を高めよう
前進するために必要となる反復ですが、嫌な記憶の中には考えてもどうしようもないことが多いものです。時間を元に戻してやり直すことなど、もちろんできません。
そして、嫌な記憶はふとした時に蘇り私たちを苦しめます。忘れることは、私たちが前向きに生きていく上でとても大切なことです。ではどうしたら、「忘れる力」を高められるのでしょうか。
「考えないようにする」のは難しい
そもそも反復しなければ良いと思いながらも、考えないようにするのはとても難しいことです。それが自分にとって後悔を伴うことなら尚更ではないでしょうか。
嫌な記憶が頭に浮かぶ度に「もう忘れよう」と強く思うことが逆に定着につながってしまう可能性もあります。つまり、「忘れる力」を高めるとは、「無」にするのではなく違うことに集中する方が早道と言えるでしょう。
「忘れる力」を高めるために、大事にしたい3つのポイント
Ⅰ:他のことに集中する
嫌な記憶で頭がいっぱいになってしまう時、それを追い出すためには他のことに集中するのが効果的です。今取り組んでいる仕事や趣味など、他のことを考える暇もないほど意識的に集中してみましょう。
Ⅱ:思考を切り替えるために「コレ」というものを持つ
ふと蘇ってしまう嫌な記憶には、思考を切り替えるアイテムを上手く使いましょう。好きな音楽や単行本をいつも手元に置いて、歌詞や文字をひたすら追うことで思考が負のループに入ることを防ぎます。
また、考え事をしながら体を動かすことはできません。そのため、その場でできるストレッチや筋トレ、ジョギングや水泳など、無心で体を動かすのもおすすめです。
Ⅲ:自分にかける魔法のひと言を決めておく
嫌な記憶による負のループを断ち切るために、「おまじない」のような言葉を決めて用意しておくのも効果的です。「ストップ!」「心配いらないよ」「そろそろ前に進もうか」など自分を責めることなく肯定できる言葉だと良いですね。
上手に忘れて今を楽しんで
反復が記憶を作るなら、嬉しかったことや楽しかった記憶を意識的に反復するようにしましょう。記憶によって気持ちが暖かくなったり励みになるのなら、それはとても良いことですよね。
過去は変えられないけれど、“今”この瞬間からなら自分の力でいくらでも変えていけます。そのためには忘れることも必要です。「忘れる力」を高めて、今とこれからを存分に楽しみましょう。
私たちは年を重ねるにつれ、多くの経験を重ねていろんなことを覚えていきます。それと反対に、鮮烈なものは別として、小さい頃の遠い記憶から少しずつ忘れていくものですね。