「リフレクションノート」とは?
「リフレクションノート」は、ビジネスシーンや人材育成の場で活用されています。失敗も成功も含めたあらゆる経験を振り返り、そこから学びや気づきを得て、自らを成長させる方法なのです。思考の整理や問題解決など、わたしたちのふだんの生活にも活かすことができる、「リフレクションノート」をご紹介します。
「リフレクションノート」の効果
「リフレクションノート」では、経験から得た学びや気づきを言語化します。言葉として書き出すことで、頭の中でボンヤリとしていた学びや気づきが明確になるのです。このほか、考えがまとまったり、アイディアが浮かんだり、意志が明確になるなどの効果があります。
KDAフレームワークを用いる
記憶をたどりやすいように、「リフレクションノート」ではKDAフレームワークを用います。「Keep(保つ)」「Discard(切り捨てる)」「Add(追加)」の3つの観点から、経験を振り返るのです。
KDAフレームワークのヒント
D:うまくいかなかったことで、今後はやめることは?
A:今回経験したことから、今後新たに始めることは?
いつどこでやるか
「リフレクションノート」は、いつでもどこでも実践できます。毎日の振り返りでもいいし、週ごと、月ごとの振り返りでもいいでしょう。何かのプロジェクトや企画、目標達成までの区切りごとに実践するのもいいですね。定期的に振り返りをして、やめることと(D)とやること(A)を明確にし、次の期間に活かします。
用意するもの
「リフレクションノート」に必要なものは、ふだん使っている手帳やノート、スマホのメモ機能など、記録できるものならなんでもOKです。あとは、手帳のスケジュールや日記、スマホのカメラロール、SNSの投稿内容などが手元にあると、過去の出来事を思い出しやすいでしょう。
「リフレクションノート」で今年1年を振り返ろう
今年も残すところあと1~2か月となる頃が、1年を振り返るのにちょうどいいタイミング。年の瀬が押し迫ると何かと忙しくなり、ゆっくりと自分と向き合うことが難しくなるからです。ここでは、「リフレクションノート」で1年を振り返り、来年の計画を立てる方法をご紹介します。
1年を4期に分けて振り返る
まず、1年を1~3月、4~6月……というように4期に分けます。お勤め先の四半期に合わせたり、お子さんの学期に合わせたりしてもいいでしょう。その期間ごとの出来事や行動、結果を思いつくまま書き出します。出来事に関わったキーパーソン、役立ったスキルやツールなども書いておくと、後々役立ちますよ。
1年を4つの要素にまとめる
次に、1年の経験を4つの要素でまとめます。4つの要素とは、「価値があること」「成功したこと」「失敗したこと」その他思ったこと」です。「価値があること」とは、あなたの人生の核となることで、信念やポリシー、楽しくてワクワクするようなこと、得意なことや好きなことを指します。
要素ごとに、1年の経験から得た学びや気づきを書き留めておきましょう。
次の1年の計画を立てよう
最後に、KDAフレームワークを用いて、次の1年の計画を立てていきます。うまくいったことで、来年も続けていきたいことは何でしょうか? うまくいかなかったことで、来年はやめたいことは? 今年1年の経験をふまえて、来年新たに始めたいことは何でしょう? そこから、次の1年の行動目標や達成したいことを導き出します。
日常の困ったことにも「リフレクションノート」が使える
1年の振り返り以外にも、「リフレクションノート」が役立ちます。日常生活には困ったこと、思い悩むこと、モヤモヤとすることなど多々あるものです。そんなとき、KDAフレームワークを用いて思考を整理すると、次の一歩が踏み出せるようになります。
人間関係がうまくいかないとき
仕事やプライベートでの人間関係がうまくいかないとき、自分を犠牲にしてしまったり、人に当たってしまったり、思いが堂々巡りして辛くなりますよね。そんなとき、KDAフレームワークで状況を把握すると、解決の糸口が見つかるかもしれません。
人間関係を振り返る「リフレクションノート」のヒント
D:うまくいっていない人間関係で、この先整理したい関係は?
A:今回経験したことから、今後はどんな人間関係を築いていきたい?
「べき思考」にとらわれて身動きがとれないとき
仕事だから、母親だから、常識だから、○○するべき! そんな「べき思考」にとらわれ、身動きがとれなくなってしまったとき。あなたを苦しめる「べき思考」を、KDAに分けて整理してみましょう。本当に必要な「べき」は、それほど多くないことに気付くかもしれませんよ。
「べき思考」を振り返る「リフレクションノート」のヒント
D:うまくいっていない「べき思考」で、今後やめてもいいと思える「べき思考」は?
A:今回経験したことから、「べき思考」に変わる柔軟な考え方はある?
人と自分を比べてモヤモヤと苦しいとき
人と自分を比べてしまうのは、競争社会で育ったがゆえの条件反射です。そんなときはモヤモヤと思い悩むのではなく、理想の人との比較を、自分の成長の糧にしてしまいましょう。「今の自分のままでいいところ」「やめたい悪癖や習慣」「理想とのギャップを埋めるためにできること」を書き出してみると、モヤモヤはどこかへ消え去ります。
人との比較を振り返る「リフレクションノート」のヒント
D:理想の人と比べて気づいた、今後はきっぱりとやめたい悪癖や習慣は?
A:理想とのギャップを埋めるために、今後自分にできることは何?
リフレクションノートはあなたの強い味方
自分と向き合い、成長させる「リフレクションノート」をご紹介しました。失敗だけでなく、うまくいったことも含めてすべての経験を振り返り、成長の糧にする方法です。ご紹介した内容をご参考に、あなたも「リフレクションノート」を活用してみてくださいね。
何か失敗をしたとき、自分を責め続けたり、ひとり反省会で落ち込んだりしていないでしょうか。反省も時には必要ですが、そこから何かを学び取り、次に進むことが大切です。「リフレクションノート」では、失敗だけでなく、うまくいったことも含めて、すべての経験を振り返り、成長につなげていきます。