「空気を読む」とは、どういうことだろう?
その場の雰囲気から状況を推察する。特に、その場で自分が何をすべきか、すべきでないかや、相手のして欲しいこと、して欲しくないことを憶測して判断する。
互いに空気を読みながら会話をすることによってコミュニケーションが円滑に進むことは確かですよね。ですが、「空気を読む」ことを優先した結果、自分の考えや意見を押し込めてしまったという経験を持つ人も、いるでしょう。
主張をすること=「空気が読めない」ではない。
自己主張をしっかりする人は時に、「あの人は空気が読めない」なんて言い方をされてしまうこともありますよね。もちろん、自分の意見を主張すること自体が悪いのではありません。
主張したことによって「空気が読めない」と言われるのであればそれは、意見の出し方がその場の状況にそぐわなかった、ということかもしれません。主張というのは単に自分の意見を投げるだけでは簡単には受け入れられないものです。
全体の状況を俯瞰し、感情を抜きにして事実をしっかり見つめ、全員によく伝わるよう論理立てて主張できれば、「空気が読めない」とはならないはずです。きちんと説明しようとするあまり、話がだらだら長くなってしまうこともあるかもしれませんが、相手の視点に立って考え、簡潔に説明するクセをつけましょう。
他人を優先すること=「空気を読む」ではない。
「空気を読む」とは、誰かの意見を優先させることでも、誰かの意見に同調することでもなく、本来の意味は「状況を察する」ことにあります。
例えば数人で集まって話をするときは、適度な相槌や質問を挟むことで話がしやすくなりますよね。あるいは、みんながいろんな意見をどんどん出しているような状況においては、自分もアイディアを出すことによって嬉しい相乗効果が生まれるでしょう。
自分が今ある状況において何をすべきか、あるいは相手が何をしてほしいか正しく判断する、これが本当の意味での「空気を読む」ということではないでしょうか。
自分も相手も気持ち良い。それが「空気を読む」ということ。
ポジティブな言葉を選んで主張しよう
言いたいことも言わずに自分自身を犠牲にするような空気の読み方は大きな間違いです。本当は言いたいことがあるのに気を遣って空気を読んだつもりでいても、相手には全く伝わっていない、なんていうことは往々にしてよくあることです。
言いたいことを我慢する必要はありません。自分も相手も尊重できるようなポジティブな言葉選びによって伝える努力をしましょう。
お互いの信じるものや気持ちを大切にしよう
空気を読んだつもりで、結果的に自分や誰かを傷つけてしまったことはありませんか。自分の抱く考えはもちろん、相手の考えも尊重し、お互いを認め合う気持ちが何より大事です。
時には必要な「あえて空気を読まない」強さとは?
その場の状況は察するものの、どうしても自分の意見とは合わない、自分は賛同できないことがあるかもしれません。例えば「これから〇〇に行こうよ」とか、「みんなで〇〇しよう!」のような場合です。
みんなが盛り上がっている状況で、水を差すようなことはしたくないとは思いながらも、「自分は〇〇したくない」と思うこともあるでしょう。
あるいは上司や特定の人について、からかいの言葉や悪口がささやかれている、として…。皆がそれを否定せず同意している場面に遭遇してしまうこともあるかもしれません。
どちらの場合も、空気を読んで自分の考えや意見を言わずにその場を難なくやり過ごすことはできるでしょう。ですがそうすることによって自分の大切にしていたものが傷ついたり自分自身が嫌な気持ちになるのであれば、「私はそうは思わないかも」と率なく伝えるなど、あえて空気を読まない選択をすることも時には必要です。
「空気を読まない」=何が一番大切か、考えること。
大人になると、自分の気持ちばかりを優先することは難しくなります。ですが、「空気を読むこと」にばかり気を取られたくはありませんよね。
自分にとって何が一番大切か。今の状況で自分が何をするべきか判断に迷ったとき、自分にそう問いかけましょう。そして、時には空気を読まない選択ができるような強い自分でいたいと思いませんか?
私たちは仕事や地域、子どもの学校関係など多くの人と関わりながら生活しています。色々なバックグラウンドを持つ人たちと調和を取りながら上手にやり取りしていくために必要とされていることのひとつに「空気を読む」ことが挙げられるのではないでしょうか。