幸せのモノサシを他人に預けていませんか?
なぜ幸せを感じられないのか、いつも不満ばかりが募るのか。生活に困っているわけでもなく、健康を損なっているわけでもない。でも満たされない思いでいっぱい……。
それは、人と比べることをしているから。頭のどこかで「あの人と比べて私は……」といったことを考えていませんか?それが、幸せのモノサシを他人に預けているということなのです。
人と比べるということ
「あの人よりはマシ」「自分にないものをもっている人が羨ましい」「同じように努力しているのに自分だけうまくいかない」などと誰かと比べては一喜一憂していませんか。
誰かを基準にすると、あなた自身の幸せのモノサシがいつまでも不安定なままです。あるときは誰かに勝ったような気になったり、またあるときは誰よりも不幸であるかのように感じたりしてしまいます。
絶対評価のモノサシをもとう
世の中には比較することが当たり前になっている風潮があります。お金を持っている人は幸運で、そうでない人は不運。仕事で評価されている人は幸せで、そうでない人は不幸。友達が多い人は恵まれていて、そうでない人は惨め……。これらはすべて「相対評価」です。何かと比べないと評価できないのです。
そうではなく、自分はこうだから幸せだと言えるような「絶対評価」のモノサシをもつことです。
幸せはどこかにあるものではない
何かを手に入れれば幸せになれる、どこかへ行けば幸せが見つかる、そんなふうに思っていませんか。確かに、欲しかったモノを手に入れたり、現実逃避してどこかへ行ったりすれば、高揚した気分が得られるかもしれません。でもそれは一時しのぎにすぎないのです。
幸せは自分の外側にあるものではなく、自分自身の中にあるもの。決して派手な感情ではなく、じんわりと心の奥からにじみ出てくるような、奥深い感情なのです。
人と比べない「HAPPYの作り方」
ここまで、幸せとは何かについてお伝えしてきました。人と比べるものではなく、何かを得て感じるものでもない。自分の外側にあるものではなく、内側からじんわりと感じられるもの。自分の幸せのモノサシは自分で決めるとは、そういうことなのです。では、実際に人と比べずに幸せを感じとるには、どうすればよいのでしょうか。
自分の“好き”は何?
誰かがイイと言っていたから、SNSでイイねされたいから、流行っているから。そんな理由で自分の“好き”を決めてしまっていませんか。みんな横並びで同じような“好き”を共有していると、それはそれで安心できるという一面もあります。
では、あなたの心はどう感じているでしょうか。自分の“好き”に敏感になることは、人と比べない幸せを見つけることにもつながります。
・ほしくもないのに、人と同じように持っているモノ
・興味がないのに、SNS受けのためにしていること
・嫉妬を避けるために、あえて同調していること
どんなときに幸せを感じる?
人と比べて自分が幸せかどうかを判断するのは、すでにお伝えした通り「相対評価」であり、安易な方法です。
では、どんなときに幸せを感じるか、心の声に耳を澄ませてみましょう。自分の内側にある本当の幸せは、声高に「幸せだよ!」とアピールしたりしません。ふだんの何気ない出来事や行い、身のまわりのありふれたことを思い返してみましょう。
・毎日の衣食住に不自由がないこと
・いつもそばにいてくれる家族や友人の存在
・大きな病気をすることなくすごせていること
・生活に困らない程度の収入が得られていること
・ほどほどの余暇を楽しむゆとりがあること
無意識に不満を口にしていない?
「ため息をつくと幸せが逃げる」とはよく言いますが、それ以外にも注意が必要なのが、不平不満です。あなたは不平不満を一日のうちにどのくらい口にしているか、気にかけたことはありますか? 数えだすとキリがないほど、わたしたちは無意識に不満を口にしたり、頭の中で繰り返したりしているものです。
・不満を言って、問題を解決しようとしていること
・発する言葉によって、不幸な現実を引き寄せていること
・無意識に発しがちな「疲れた」「痛い」「しんどい」
もっとHAPPYになるために
ここまで来れば、もうあなたは人と比べて幸せかどうかを確認したりしないはずです。それだけでも大きな進歩ですし、じんわりと幸せを感じ始めていることでしょう。ここでは、もっとHAPPYになるためのヒントをご紹介します。
幸せはシェアしよう
自分のところに舞い込んだ幸せ、あなたはどう使うでしょうか。一人占めしたいという気持ちもあるかもしれませんが、幸せはシェアして分かち合うことです。
見返りを求めず人に親切にすると、脳内に幸せを感じるホルモンが分泌されることが分かっています。まわりの人を幸せにすることは、巡り巡って自分を幸せにするのです。そんな利他の心、ペイフォワードの精神をもちたいですね。
HAPPYを引き寄せよう
不平不満を口にすると、不幸な現実を引き寄せることは既にお伝えしました。つまり、HAPPYを引き寄せるためには、ポジティブな言葉を積極的に発するのがいちばんなのです。
「疲れた」と言いそうになったら、「今日もよく頑張ったなあ」と言う。「なんでわたしだけ」と愚痴っぽくなったら、「これはチャンスかもしれない」と言ってみる。感謝の言葉もHAPPYを引き寄せるのに効果的です。
幸せの感度を上げよう
幸せには、結婚や出産など誰が見ても分かりやすい幸せもあれば、誰にも気づかれないようなささやかな幸せもあるもの。「○○できないから」「○○がないから」といって不幸に注目するのではなく、今あるもの、与えられているものに目を向けるのです。そうやって幸せの感度を上げていくと、自分のまわりにちりばめられた小さな幸せに気づくことができるようになります。
幸せかどうかを気にしない
幸せになりたい、自分だけの幸せを見つけたい。追い求めるほどに、現実はうまくいかなかったりするもの。そんなときは、あえて幸せかどうかを気にしないことです。たんたんと、ひょうひょうと、毎日を無事にすごせれば御の字だと思えば、幸せかどうかは気にならなくなります。
自分の幸せのモノサシを大切に*
人と比べない「HAPPYの作り方」をご紹介しました。幸せの基準は人それぞれです。自分の幸せのモノサシは自分で決める。それが、あなたが本当に幸せを感じられるようになるための、近道なのです。
自分の幸せを見失っていたり、他人と比較しては落ち込んだり……。思い当たる節があるのなら、あなたは幸せのモノサシを、他人に預けてしまっているのかもしれません。他人軸で生きるのではなく、自分軸で生きる。自分の幸せは自分で決める、それが本当の幸せを感じられるようになるための、近道なのです。