おうちでできること
心と体をラクにするには、まずはおうちでの暮らし方を振り返ってみましょう。忙しいことを理由に、自分自身のお世話をないがしろにしていませんか? 毎日がんばっている自分の心と体のケアは必要です。たとえ時間がなくても、今までの習慣にちょっと足すだけ、または置き換えるだけの方法ならできそうだと思いませんか?
朝晩のすごし方
日中は元気にすごし、夜はぐっすりと眠りたいですよね。そのためには、朝はしっかりと太陽の光を浴び、夜は眩しい光を避けることが大切です。太陽の光を浴びることで、体内時計がリセットされ、心を穏やかにするホルモンが分泌されます。夜の暗がりは、日中活発に働いた脳や体を休めるホルモン分泌を促し、熟睡へと導いてくれます。
薬膳で体の中からケア
冷えや疲れ、ストレスに負けないためには、体の中からケアすることも必要です。薬膳というと難しいようなイメージがあるかもしれませんが、ふだんの食事で取り入れることができます。冷えには体を温めるショウガやネギ、シソ。疲れには胃腸をいたわる山芋や長芋。イライラにはニンニク、落ち込みには肉や卵、豆類がおすすめです。
マインドフルネスで心を穏やかに
心を「今、ここ」にとどめることを、マインドフルネスといいます。あれこれ悩んだり、くよくよしたりしている間、わたしたちの心は「今、ここ」にない状態です。そんな状態では、賢明な行動、適切な判断はできませんよね。マインドフルネスはいつでもどこでもできます。呼吸や姿勢、食事など、五感に意識を向けてみましょう。心を「今、ここ」にとどめ、心を穏やかに保つことができます。
ポジティブワードを使う
自分の言葉で自分自身を傷つけていないでしょうか。口には出さなくても、「わたしはダメな人間だ」などと心のなかで呟く言葉も同じです。自分で自分を責めてもプラスにはなりません。どんな状況でも、あえてポジティブワードを使いましょう。声に出すことで耳からも情報が入り、自己肯定感を高めることができます。
人とのじょうずな付き合い方
職場や学校での人間関係をはじめ、家族や友人といった近しい人との間でも、大なり小なりストレスはあるもの。心がざわついたり、体に不調が出たりすることがあるかもしれません。そんな人間関係をもっとラクにする、じょうずな付き合い方のコツは、自分自身のちょっとした意識の変化にあります。
話し方
ゆっくりと丁寧な話し方をする人が目の前にいたら、あなたはどう感じますか?落ち着く、安心する、そんな気持ちになることでしょう。ゆっくりと話すことで、しっかりと呼吸ができ、心身がリラックスします。それは話す方も聞く方も同じです。思ったことがそのまま口に出てしまうことがないよう、ひと呼吸おくことも大切ですね。
言葉選び
がんばっている人につい「がんばって」と言ってしまいがちな場面ってありますよね。悪気はなくても、知らず知らずのうちに相手を追い詰めてしまうことも。あなた自身にもそんな経験があるかもしれません。「無理することないよ」「焦ることないよ」と、相手を守るような言葉選びができるといいですね。
感謝
何かをしてもらったら、感謝の言葉を伝えますよね。そのとき、どんな感情が沸くでしょうか。あたたかい、ポジティブな感情で満たされると思いませんか? 感謝をすることは、心を安定させたり、免疫力を高めたりする効果があることが分かっています。
何かをしてもらった相手に対してだけでなく、ふだんの仕事にも、当たり前の日常にも感謝してみませんか。そうすることで、心が穏やかになり、病気にも負けない強い体へと変化していきます。
内面を磨く
物腰がやわらかく、言葉遣いが丁寧な方。内面からにじみ出る、その人となりや美しさが感じられる素敵な人。あなたの周りにもいませんか? どうやったらそんなふうになれるのか、気になりますよね。それは、毎日の心がけや美しい習慣のたまものなのです。わたしたちにもできる、内面の磨き方をご紹介します。
レジリエンス
レジリエンスという言葉をご存知でしょうか。打たれ強さ、心の弾力性などと言い換えられ、逆境を乗り越えられる力のことです。物事には二面性があります。ポジティブな面、ネガティブな面、どちらもあるということです。何かが起きたとき、その二面性に気付けることで、次へと進むことができます。また、仕方ないと諦めて開き直ることも、立ち直るひとつの方法です。
美しい所作
自分の所作がどのように見られているか、意識したことはありますか。物を受け取るとき、または手渡すとき、片手で済ませている。ドアを閉めるとき、物を置くとき、大きな音を立てている。あまり品がいいとは言えませんよね。手先にまで神経を行き届かせ、物は両手で扱う、静かに音を立てない、姿勢を正す。少しの意識でできること、始めてみませんか?
内的成長
「○○しなければならない」「○○するべきである」そんな考え方に縛られて、自分自身を不幸にしていないでしょうか。こういった非合理的な思い込みをイラショナルビリーフといいます。この思考パターンに陥ることで、ストレスを必要以上に大きく感じてしまうのです。
「○○するにこしたことはない」というように、理にかなった思考=ラショナルビリーフへと転換していけば、思い悩むことが少なくなり、自分自身も周囲も生きやすくなります。
心と体をラクにして、がんばりすぎないわたしに。
ついがんばりすぎてしまう「今のわたし」にちょうどいい、心と体をラクにする暮らし方をご紹介しました。これならできそうと思えるものが一つでもあれば、ぜひ試してみてください。そうすればきっと、心と体がしだいに整って、自分らしく自然体で生きられるようになるはずです。
忙しい毎日を送っていると、「もっと肩の力を抜いてラクに生きられたら……」と思うことがあるかもしれませんね。何かを変えたい、でも何をすればいいか分からない。時間をかけて何かをするにはハードルが高い。それならば、ふだんの生活のなかでの「心がけ」や「習慣」をちょこっと変えてみるのはいかがでしょう。