手のひらの中で、自分だけのお庭が持てるテラリウム
リビングルームやキッチン、食卓にインテリアグリーンがあるだけで、不思議と雰囲気が明るくなります。また庭やベランダで好きな植物を栽培したり、部屋の一角でハーブを育てて、料理に活用したり。人それぞれ、グリーンを楽しむ方法はさまざまですが、ガラス瓶の中で植物を育てるテラリウムは、ここ数年人気になった栽培方法。
その魅力はなんと言っても、小さな庭を自分で作り上げることができる、ということ。
テラリウムの基本の作り方は、本や雑誌、ボタニカルショップなど、それぞれの考え方で違っていますが、今回は、植物・お花好きが集まって楽しむコミュニティサイトGreenSnap(グリーンスナップ)で人気のライターhanaさんに、ご自身のワークショップで教えられているテラリウムの作り方をうかがってきました。
とても気さくで可愛らしいhanaさんの作品は、どれも人柄を表したような、ナチュラルで優しい雰囲気に溢れています。hanaさんがワークショップで教えられている、基本のテラリウムの作り方をご紹介します。
まずはどんなものが?テラリウム作りのために用意したいもの
ガラス瓶
まずは植物を栽培するガラス瓶。今回はキナリノではおなじみのドイツ生まれの保存容器WECK(ウェック)を使用します。
基本的には、保存瓶やビーカー、ティーポットなど、お好みのガラス容器でOKです。100均にも使えるアイテムがたくさんあります。同じ植物を使って植えても、ガラス容器の形状で雰囲気が違ってくるので、色々とタイプの違うものを用意するのもいいですね。
また、蓋については植える植物の種類に関係していて、苔を使ったテラリウムは蓋があるものを、その他の植物は蓋をせずに使用するのが一般的なのだそう。
あると便利なアイテム
左から、花はさみ、スプーン、スコップ、ピンセット、霧吹き、ボウル。
植物
左から、うちわサボテン、多肉植物(パールフォンニュルンベルグ)、多肉植物(虹の玉)、エアプランツ。
今回は、比較的お世話しやすい植物で植えていきます。
うちわサボテンは、針が少なく育てやすいのだそう。グリーンとパープルの色合いが絶妙なパールフォンニュルンベルグは、上のアングルから見ると花のようなシルエットが楽しめます。ぷくぷくとしたフォルムが魅力の虹の玉。土がなくても育つエアプランツの4種類を使います。
土の層
左からミリオン(珪酸塩白土)、ホワイトストーン大、ホワイトストーン小、炭、水ゴケ、土(多肉植物やサボテン用の土)、モス。
植物の栽培だけではなく、土台の層も楽しめるのがテラリウムの魅力。
ミリオンは、鉢穴のない容器の底に敷き、根腐れの防止の効果があります。
ホワイトストーン大・小は装飾かつ水はけをよくするために使用します。
炭は土の浄化作用と色合いが楽しむ目的も。
水ゴケは、土の下に敷くことにより水やりの際にろ過してくれます。
植物を植えるための土、そして装飾用のモス。
今回はこの7種類でテラリウムの土台を作ります。
さっそく作ってみよう♪テラリウムの基本の作り方
1.ミリオンを底に敷きます。
2.ミリオンが隠れる程度にホワイトストーン大を敷き、ホワイトストーン小で隙間を埋めます。上の層が落ちないようにスプーンで整えながら、しっかりと隙間をなくしていきます。
3.炭を敷きます。敷く量はお好みで。黒い層を目立たせたい場合は厚めに、少し見えるくらいなら薄く。今回は層を楽しむため横から見てわかる程度にしています。
4.水ゴケに霧吹きで水分を含ませてもどします。摘んでみて、水ゴケがしっとりした程度で十分です。(しっかり水分をふくませてもどし、しぼってもOK。)
5.水ゴケを敷きます。
6.水ゴケに土をかぶせ、植物を配置します。サボテンは針があるので、柔らかく揉んだ新聞紙で摘むと手も傷つかないのでオススメです。置く場所が決まったら、ピンセットで根を土に埋めます。
7.その他の植物もバランスを見て、配置していきます。基本は大きなものから植えていきますが、背の高い植物はガラスの側面に寄りかからせるように配置すると、バランスが取りやすいです。
8.配置が終わったら、根が隠れるようにさらに土を被せ、植物と土の隙間を埋めるように、ピンセットで装飾用のモスを敷きます。
9.エアプランツは根が土になくても大丈夫なので、上からちょこんと置いてテラリウムの完成です。
テラリウムのお手入れ方法
テラリウムも植物なので、お手入れは必要です。水やりは、植えてから1週間後からはじめます。植物に直接かからないように、隙間から土にめがけて、ゆっくりと水を注ぎます。
そのあとは、2~3週間に一度の目安で水やりをします。
(土がしっかり乾燥してから。多肉植物にシワがよってからでもOKです)
環境によって違うので、ご自分の家にあったペースで水やりを行ってくださいね。
水のやりすぎに注意
多肉植物は元々それほど水を必要としないので、水がたまった状態はNGです。余分な水があると枯れてしまいます。ホワイトストーンまで浸かっているのは水のあげすぎの状態。
水をあげすぎた際は、しっかりと流してください。この時も柔らかく揉んだ新聞紙で植物を押さえながら、水を切ると植物も手も傷つきにくくてオススメです。
エアプランツのお手入れ
エアプランツは土に根が張っていないので、霧吹きで水をあげます。
様々なシーンに溶けこむ、テラリウム
直接当たるのはNGですが、植物なのでやはり光は必要です。多肉植物の基本は外で栽培しますが、ガラスの器なので日光が強く当たりすぎない、太陽光の入る風通しのよい明るい室内に置いてください。
動物のように表情が変化したり、鳴いたりすることはありませんが、植物にも感情があると言われています。朝、顔を洗う際に「おはよう」と挨拶すると、きっとテラリウムの植物たちにとっても嬉しい一日が始まるはずです。
身近にグリーンのある暮らしを
身近にグリーンのある暮らしで、丁寧なひとときを。
hanaさんの作品の一部。どれもhanaさんの優しさと可愛らしさが溢れたテラリウムです。