花の新しい愛で方。ハーバリウム
それはインテリアグリーンや生花に限らず、個性が感じられるドライフラワーやスワッグ、リースでも同じこと。
千差万別の楽しみ方がある花やグリーンですが、近年また新しい愛で方が注目されています。
ドライフラワーやプリザーブドフラワーを、瓶に入れてオイルで保存し、手軽に花との暮らしを楽しむ方法です。
最近では、インテリアショップやライフスタイルショップで見られるように。生花やブーケを贈るよりも取り扱いしやすく、プレゼントにも最適なインテリアアイテムです。
そんなハーバリウムは、自分でも作ることができます。インテリアの主役になる目にも色鮮やかなハーバリウムも素敵ですが、暮らしに溶け込むような、自分好みのナチュラルなものを作ってみませんか?
Blumen Hutteさんは、様々なシーンのディスプレイやお庭作りから、ご自身のフラワーショップでフラワーアレンジメントやリースの教室を開かれて、花やグリーンに携わることで大いにご活躍されています。
それではナチュラルな「ハーバリウムの作り方」をさっそく教わっていきましょう。
必要なものは、たったこれだけ
ハーバリウムオイルは、ミネラルオイル100%のもの。このミネラルオイルはベビーオイルの主成分として使用されていたり、保湿剤のベースとして使われています。
ナチュラルなハーバリウムにおススメのレシピ
あれこれ迷うのもハンドメイドならではの楽しみですよね。
キナリノならではのインテリアになじみやすく、市販のハーバリウムではあまり見られない、ナチュラルなレシピをご紹介します。
可憐で控えめな、草花のようなハーバリウム
誰もが小さい時に慣れ親しんだ草花は、可憐で控えめな魅力に溢れています。鮮やかで一瞬で目を引くようなものは少ないですが、だからこそ、気取らない優しい印象に。そんな親しみやすいハーバリウムのレシピです。
(草花風レシピ:瑠璃玉アザミ/ラベンダー/アスチルベ/ユーカリ)
まるでポンポンのような、まんまるフォルムの瑠璃玉アザミを主役に、ユーカリとラベンダー、そしてアスチルベの褪せたピンクを差し色にしたレシピは、透明感溢れる仕上がりになります。アスチルベの量を増やすことで、華やかさを調節できます。
グリーン中心のハーバリウム
グリーンを中心としたレシピなら、単色のカラーグラデーションが美しく、それぞれ葉の形状を楽しむのにもピッタリなハーバリウムができあがります。グリーンのみで構成してもよし、好きな差し色を入れてもよし。バランスを見つつ、調整しやすいので初心者さんにおススメのレシピです。
(グリーン中心のレシピ:フィリカ/バンクシャー葉/スパイラルリーフ/笹葉ユーカリ)
ノコギリ状の葉のバンクシャー葉を中心に、ひらひらとした羽のようなフィリカ、すらり長い笹葉ユーカリやスパイラルリーフなど、それぞれ葉のフォルムが楽しめます。
かすみそうのハーバリウム
白く華奢な小花が無数についたカスミソウ。ドライフラワーだと、いっそう小花の愛おしさが増してきます。そんなカスミソウの魅力を閉じ込めた素敵なレシピです。
(カスミソウのレシピ:カスミソウ/紫陽花アナベル/スケルトンリーフ)
繊細さと愛らしさが詰まったカスミソウに、紫陽花アナベルとスケルトンリーフで白を活かしたハーバリウムは、初夏の早朝のような、清々しさが溢れたできあがりに。電球のようなコロンとした瓶にすると、スノードームのような印象にもなります。
ミモザのハーバリウム
ドライフラワーでも、鮮やかなイエローの鈴なりの小花が魅力のミモザ。桜同様に、近年では春を象徴する花として人気ですね。ミモザのイエローからパワーをもらえるようなレシピをご紹介します。
(ミモザのレシピ:パールミモザ/ユーカリ/スケルトンリーフ)
どこか温かみを感じさせてくれるイエローが映えるよう、ユーカリを一枝、スケルトンリーフを二、三枚に抑えた、まさにパールミモザが主役のハーバリウム。凛とした佇まいが印象的です。大人の女性に贈りたくなりますね。
使用するドライフラワーについて
ナチュラルドライフラワーの場合、水分が残っているとオイルの中で腐食が進んで、濁りなどの症状が発生してしまいます。しっかりと乾燥したものを使いましょう。
使用する種類によってオイルを吸い込み、若干ふやけた状態になる場合も。また、花粉を多く含むものは花粉成分がオイル内を浮遊することもありますが、それも含めて個性になるのがドライフラワーで作るハーバリウムの魅力です。
ハーバリウムの作り方
①まずは、煮沸もしくはアルコール消毒した瓶をしっかりと乾燥させます。ドライフラワー同様に、水分が残っているとオイルが腐食して濁る恐れがあります。
②瓶にお好きなドライフラワーを詰めます。長めのピンセットがあれば便利です。
③バランスを見てドライフラワーを配置させたら、オイルをゆっくりと注いでいきます。
④時間が経つとオイルが若干膨張してくるので、瓶の入り口ぎりぎりまで満たさず、蓋との間に隙間を作っておきます。
オイルでドライフラワーが浮くので、軽いものや小さいものは、カスミソウのような広がりがあるものを逆さにして重石代わりにすると、浮きが抑えられます。
⑤蓋をして完成です。
ナチュラルなハーバリウムは、リビングやダイニング、ベッドルームなど、どのシーンにもしっくりなじんでくれます。
身近に花のある暮らしを
お好きなドライフラワーでも適している、適していないなどありますが、その制作過程も楽しみになるのがハンドメイドの面白さです。
ドライフラワーの数だけ幾通りも組み合わせがあるので、自分好みの素敵なレシピを探してみてください。
できあがる度に、きっと笑みがこぼれて、誰かにも贈りたくなるはず。
ナチュラルなハーバリウムで、笑顔の輪が広がるような丁寧なひとときを楽しんでください。
「花を買いに来られたお客様がみんな笑顔で帰っていかれるんです」合間の雑談で、そう語られていたのが印象的で、優しいお人柄を表していたBlumen Hutteさん。