壮大な美しさを誇るマダガスカルのバオバブの木
太陽の強い地で育つバオバブ
白くて大きいバオバブの花。壮大な木の大きさに比べて、花は意外と優しい色と形をしています。花に寄り添うように垂れ下がるのは、ヘチマに似た色と形をしたバオバブの実。ビタミンCやカルシウムが豊富で果肉は調味料など食用として用いられます。種子からは油を採ることもでき、若葉も食用として食べられています。
年齢はわからない神秘的な木
バオバブの木には年輪がないので樹齢を測定することはできませんが、古い木では数千年~数百年にもなるそうです。
大きなバオバブの木の場合、中は空洞に
バオバブの木の中は空洞になっていることが多く、水分を沢山含んでいます。バオバブの木は乾季になると葉を落とし、幹に蓄えた水分で雨のない時期を乗り越えます。
現在でもバオバブは現地の人の生活を支える貴重な資源です。バオバブの実を販売することや、加工した実で収入を得ることは、現金収入の少ない地域では生きるために欠かせません。
環境問題はここにも
バオバブにも環境問題の波が襲います。地球の異常気象により、アフリカの降雨量が減少。その影響で水不足になり、象が水分を沢山含むバオバブの木を食べ枯れてしまうという現象が起きています。
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
「星の王子様」にも登場するバオバブの木
不思議な魅力のあるバオバブの木ですが、フランス人の飛行士・小説家のアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの小説『星の王子さま』(ほしのおうじさま、フランス語原題:Le Petit Prince、英語: The Little Prince)に登場しています。
「バオバブもね、高くならないうちは、まず、小さい木なんだよ」
残念ながら物語の中でバオバブの木は、星を破壊する悪い植物になっています。王子さまは小さい惑星がバオバブが沢山生えることによって破壊されないか心配です。だからバオバブの木が大きく育つ前に、羊に食べさせてしまおうという話。あれだけ大きな木ですから、きっと根っこも凄く大きいことでしょう。
アフリカやオーストラリア(一部)などのサバンナ地帯に多く生息するバオバブの木。その高さはおよそ30メートルで直径は10メートルにもなるといわれています。マダガスカルの西海岸にあるモロンダバという町から車で30分ほどいくと、観光地として人気のあるバオバブ街道があります。道の両はしにたたずんだバオバブがお出迎え。