将来設計とは、簡単に言うと、どんな人生を送りたいか考えることです。仕事や結婚、子供や老後など考えておきたいポイントはたくさんあります。将来設計をじっくりと考えてみることで、将来への不安は減り、具体的にいつ、どんなことをやらなければならないのかが見えてきます。

将来設計することで得られるメリットは数多くあります。まず、現在の状況を客観的に見つめることができるので、今の暮らしについて再考するチャンスになります。今の暮らしに満足しているのか、足りないことはなんなのかを把握することは、理想に一歩近づくことにつながります。

将来、なにをしたいのかを明らかにしていくと、そのために準備すべきことが見えてきます。お金の準備はもちろんのこと、たとえば、旅行のために体力づくりが必要だと分かったり、家の住み替えのために家財を効率的に準備するといった、付随する要素が分かるようになっていきます。

将来のためのお金の準備も必要です。将来設計を立てていくと、比較的、お金に余裕がある時期と費用がかさむ時期が見えてきます。いつが、「お金に余裕があるとき」であるのか認識することで、無駄遣いが減り、お金を計画的につかっていくことができるようになります。

事故や災害はなかなか予想ができないものですよね。でも、なにか起こったときに、将来設計がしっかりとしてあると、精神的なダメージを減らすことができるようになります。将来設計を考えることは、将来、起きうる様々な事象を考えることです。保険や貯蓄などもリスクに備える一端となります。

自分で将来設計図を書いて可視化してみると、より具体的に将来のイメージが湧いてきます。将来設計図では、自分だけではなく、家族のことも一緒に書き加えていきます。家族の欄には、それぞれのライフイベント時に、何歳になるのかを一緒に書き留めていくようにするとより分かりやすくなります。

将来設計図を自分でエクセルなどを使って書くことができる人は、自分好みの一覧を作ることができますよね。パソコンが苦手な人は、ウェブ上にあるシミュレーションシートを利用してみると簡単に作ることができます。将来設計のためのシミュレーションは、銀行や郵便局などのサイトでできるようになっています。

ライフイベントごとに大きくお金が動くときを把握しましょう。特に子育ては育て方によって、お金がかかる時期と金額に大きな差が生まれます。幼稚園から私立に行かせたいのか、それとも公立にするのか。途中から私立に切り替えるなら、中学なのか、大学なのか。目標とする大学に行くための塾代などはいつからかかるのか。こうしたことを子供一人一人に合わせて、しっかりと考えておきましょう。

車の購入も大きな金額のお金が必要となるライフイベントのひとつです。車のランクによっても、必要となる金額は変わってきます。車は車検や駐車場、ガソリン代など維持費も多額のお金がかかるものです。車を何年ごとに購入するか、どんな車種を選ぶのかといったことについても理想と現実をしっかりと見極めていきたいですね。

家は、人生の中でもっとも大きな買い物です。一軒家なのか、マンションなのか。広さはどの程度なのか、どこのエリアに買いたいのか。家を購入するときには頭金も必要です。家財道具も新しくするでしょう。家については、家族ともよく相談し、どういったものの購入を目指していくのかを考えてみましょう。

当たり前のことですが、お金は必要なときに使えるよう事前に準備するのが理想です。大きな金額が必要となる時期が明確になったら、そこに照準を合わせて貯金を始めるようにしましょう。

長く働ける時代になったとはいえ、やはり定年退職はやってきます。仕事をリタイアした後は暮らし方が大きく変わるときです。それまでは都心に住んでいた人も、定年で田舎へ移住するという人もいるでしょう。逆に、田舎から便利な都会へとコンパクトな暮らしを求めて移住する人もいるかもしれません。どういう暮らし方をしていきたいのか、家族と相談しておくと将来設計が明確になっていきます。

将来設計図は一冊のノートにしてみると情報をひとつにまとめやすくなります。家族のこと、考えられるライフイベントのことなどを中心に、いろいろな可能性を考えながら書き上げていきましょう。ノートを書くのをきっかけに、旦那様やお子さんと将来のことを話してみると、それぞれの考え方の違いにも気づくことができます。

短期的な観点からは、海外旅行や国内旅行など、具体的に行きたいポイントが決まっている旅行など細かく書いてみてもいいですね。そのために、必要なお金を試算しやすくなります。

長期的な観点からは、子供たちが自立した後のこと、老後のことなど、まだあまり具体的に想像はできないけれど、確実に起こるイベントを書き記しておきましょう。案外、人生の後半でもやらなければならないことは多いものです。

将来設計は一度作ったからといって終わりではありません。当然、その通りにはいかないものですし、もっと違う将来を目指したくなるかもしれません。その都度、将来設計を見直し、お金のこと、家族のことを考え直すきっかけとするとよいでしょう。

「目標に向かって頑張る」ことはとても大切なことです。予定していたライフイベントが思うようにいかなくても、そこに向かう過程で努力したことは自分の中に残ります。予定通りにはいかないのが人生と、心の片隅に留めて、チャレンジを続けていきましょう。

将来設計を作ってみると、暮らしに対する感覚がすこし変わってくるのが分かります。毎日の積み重ねが明日を作るということがよりリアルに感じられるはずです。より良い明日、そして、将来のためにできることをひとつひとつ、丁寧にこなしていきたいものですね。