アメリカやカナダに住む集団"アーミッシュ"って?
"アーミッシュ"は、アメリカやカナダに約20万人ほどいると言われる、ドイツ系移民を主とした宗教集団の人々のことです。
移民当時の生活様式を守ることを主義とし、昔ながらの生活をしています。
女性はワンピース、男性はシャツにズボンと、その装いもクラシカルです。男性は、大人になると髭を長く伸ばすのが慣わしなのだそう。
移動は馬車が基本
町中を走っていると、こんな一風変わった看板を見かけることがあります。
これは「馬車が通ります」の標識。この標識が見えると、近隣にアーミッシュのコミュニティがある目安だそう。
アーミッシュの人々は、自動車に乗ることはありません。馬車や自転車などで移動します。
アーミッシュのコミュニティ周辺には、写真のように一般公道を馬車で行き交う姿が見られます。
電気はほとんど使わない生活
アーミッシュのコミュニティでは、電線や電柱などが見当たらないことに気づきます。それは家に電気を引いていないから。
宗教集団であるアーミッシュの人々は、自分たちの信仰生活に反すると判断した現代技術を拒否しています。
そのため、家電製品などは原則的に使用しません。今では誰もが持っている電話なども家にはありません。
灯りにも電気でなくガスを使用します。
アーミッシュの規律は宗派で異なり、宗派によってはガスの使用も禁じているところもあるそうです。
食糧は自給自足
農耕や牧畜はアーミッシュの生活の基盤。馬に農耕機を引かせ、全員で農作業を行います。
子どもたちも小さい頃からお手伝いすることが当たり前。大人も子供も、男女も全員で仕事に取り組みます。
密接したコミュニティを築き、支え合って生活している
現代の生活からはおおよそかけ離れた生活をしているアーミッシュの人々ですが、コミュニティ内では互いに支え合い、密接な関係を築いています。
老若男女も入り混じって、スポーツやお祭りなどさまざまなイベントに興じます。なんだかとっても楽しそうですね。
農産物や工芸品を販売してわずかな収入を得る
自給自足生活を送るアーミッシュですが、時折はスーパーに買い物に行くことも。
そんなときのために、キルトや雑貨を販売して現金を得ています。
アーミッシュの人々がかぶっているストローハットも売られています。素朴な雰囲気で素敵ですね。
中には観光地化している地域も。アーミッシュの集落の近くに、採れたての新鮮な野菜や果物を使ったお料理を提供するレストランもあります。
家ももちろん自分たちでつくっちゃう!
自給自足の考え方は、住宅にも表れています。アーミッシュの集落ではこんな光景も!コミュニティのみんなで力を合わせて家を作っています。
アーミッシュの人々は基本的に写真撮影を好まないため、屋内の写真は非常に貴重です。
左側に見えるのがストーブですが、もちろん電気を使いません。
こちらはキッチンとダイニングの様子。
冷蔵庫やオーブンなどもありますが、宗派によってはこれらも完全に排除する人もいるし、必要なものだけを最小限取り入れる人もいます。
子育て、教育も独自のスタイルで
アーミッシュのコミュニティで生まれた赤ちゃんも、もちろんアーミッシュとして育ちます。
赤ちゃんの服装もとってもかわいい♪
子どもたちの教育も、コミュニティ内のみで行われています。
これは国からも認められており、教育期間は8年だそう。
一生に一度、俗世で生活する期間が与えられる!
アーミッシュの子供が16歳になると「ラムスプリンガ」と呼ばれる自由の期間が与えられます。
これは親元から離れて生活し、行動の制限がなくなる期間。
アーミッシュになるかどうかは自分で選択できる
そして成人を前に、アーミッシュに戻るか、俗世で暮らすかを選択できるとのこと。
意外?なことに、ほとんどの子供たちはアーミッシュの暮らしへ戻るそうです。
必要なものを必要な分だけ。見習いたいアーミッシュの暮らし
いかがでしたか?
厳しい規律をただ押し付けるだけではなく、俗世を知り、自分自身で選択する機会が与えられるのが素晴らしいですよね。
全く異世界の話のようですが、その生活スタイルには、現代人が学ぶべきものがたくさんあるように感じます。
アメリカやカナダを訪れた際は、街で見かけることもあるかもしれません。
まるで映画のワンシーンのよう。昔ながらの生活を現代でも続ける"アーミッシュ"の人々の暮らしをご紹介します。