3つの整えメソッド
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年末年始は薬膳で食生活の見直しを―1月の不調「暴飲暴食ケア」

取材・文:仁田ときこ イラスト:小池ふみ

年を重ねるにつれ、少しずつ現れるマイナートラブル。肩こり、片頭痛、便秘、さらには、気持ちが沈みやすくなったり、妙にイライラしたり。病気とまではいかないけど、心身の不調に悩まされる現代女性は多いもの。そこで、四季のある日本人の暮らしの基盤「衣・食・住」からヒントを得た「3つの整えメソッド」なるケア方法を提案します。毎回ひとつの不調に対して、日常生活でできる整え方を専門家からアドバイス。シリーズ連載第7回目の今回は、忘年会や新年会続きの年末年始に気をつけたい「暴飲暴食ケア」がテーマです。

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2020年01月16日作成

目次

年末年始は薬膳で食生活の見直しを―1月の不調「暴飲暴食ケア」
年末の忘年会から始まり、お正月や新年会のアルコールや料理で何かと胃腸がお疲れの1月。
1月7日に野草や野菜をお粥にして食べる「春の七草」の習慣は、厄払いの他に胃腸を整えるためだともいわれています。胃腸や肝臓がお疲れモードで仕事や家事を始めるのは辛いもの。軽やかに1月をスタートさせるために、食生活を見直せる“薬膳”を取り入れてみませんか?
年末年始は薬膳で食生活の見直しを―1月の不調「暴飲暴食ケア」
今回は、日本の気候風土や食材、体質に合わせた「和の薬膳®」を教える鎌倉薬膳アカデミーの中医薬膳営養師・高尾仁美先生に、暴飲暴食ケアについて「3つのメソッド」を提案していただきます。

高尾先生の「3つの整えメソッド」

【知のメソッド】 知恵がたくさん!薬膳の基本知識

現代人に必要な「医食同源」の考え方

昔の日本人は、胃がもたれたときには大根おろし、体が疲労したときにはレモンなど、食材が持つ“栄養素以外の働き”をよく知っていました。
食べものを食べることと薬を飲むことは、もとは同じことで、食材の調理方法や加工方法によって料理が薬にもなるのが薬膳の考え方。昔は食べもので体を整え、病気を防ぐという考えが広く根付いていました。このシンプルな考え方が「医食同源」。最初は「薬食同源」という中国の伝統医学の考え方が日本に伝わったときに「医食同源」という言葉に変換されたと高尾先生は言います。

「私たちが教える薬膳では、この薬食同源の考えにもとづき、個々の体質に合った食材や調理法を選んで病気を予防していく、いわば食事療法のこと。薬膳で大切なのは、まず体を温める食材か、冷やす食材か、食べものの性質を見極めることにあります。カロリーや栄養成分を重視するのではなく、その食材にはどんな性質があるのかを薬膳では大切にしています」。

中国では紀元前より食の研究が進んでいたため、食材の持つ効能効果を“生きるための知識”として役立てていました。例えば、きゅうりは利尿効果があり、体の毒素を排出するカリウムが多く含まれた野菜です。しかし、薬膳の視点で見ると、生で食べると体を冷やす作用があり、暑い夏の水分補給やむくみ改善に適した食材。こういった現代栄養学とは異なる作用で食べものを捉えることが、薬膳のスタートになります。
年末年始は薬膳で食生活の見直しを―1月の不調「暴飲暴食ケア」
また、薬膳でよく使われる「陳皮(ちんぴ)」は温州みかんの皮を干したもので、みかんやレモン、グレープフルーツなどの柑橘系の果物でも代用できます。気の流れを良くしてイライラを改善するのに役立ちます。
薬膳というと難しいイメージに囚われがちですが、実は身近な食材で代用できるのも大きな魅力。

「そして、大切なのは、食べる人の体調や体質に合わせた食事を行うこと。同じ症状でも体質によって対処法が大きく異なります。薬膳が“食のオーダーメイド”といわれるのは、そういった考え方が根元にあるから。
食物の持っている力を借りながら、効果や味、香りを引き出し、病気を予防する健康のための食事を楽しむことがポイント。薬効を体にしっかり取り入れるには、おいしく食べることも大切なんです」。

自然界に存在する「陰と陽」について

年末年始は薬膳で食生活の見直しを―1月の不調「暴飲暴食ケア」
「薬膳を取り入れるうえで欠かせないのが“陰陽”の考え方です。自然界に存在するすべての物事や現象には上と下、天と地、昼と夜、寒と熱、男と女、静と動というように、相反するエネルギーが存在しています。どちらかが強くなれば、もう一方は弱まるというように、ぶつかって抑制し合い、バランスを取っています。この世界に生息している食物や動物、人間もすべてこの陰陽のバランスで成り立っていて、それは常に変化しています」。

例えば、性格が暗いと言われる人もすべてにおいて暗いわけではなく、明るい部分も必ずあるということ。反対に、性格が明るい人もすべてが明るいわけではなく、必ず暗い一面も持ち合わせているのだと高尾先生は話します。

季節で言うと、春分、夏至、秋分、冬至を境に陰陽が増減し、どちらか一定の段階に達すると陰は陽へ、陽は陰へ転じていきます。このサイクルの繰り返しで、季節は移り変わっていきます。
1日のうちでも最も太陽が高い正午は、陽の気がピークに達する時刻。そこから徐々に陰の気が増え、夜になると陰がピークに。だからこそ、エネルギーがある陽の時間に働き、陰の時間には体を休めることがベストだと言えます。

また、陰は衰退、静止、寒性などの性質があり、陽は進行、活動、熱性などの性質があります。人間の体も陰陽の理論に基づいて、性別、臓腑、組織、機能など、すべてが陰陽に分けられます。このバランスが良いと健康状態が良好である目安になります。

陰が過剰になると、寒気がして手足の冷えや腹痛などの症状が表れ、陽が過剰になると、喉が渇いて暑がり、水分を欲しがる症状が表れます。過剰になったり不足して、体調が崩れたときこそ薬膳の出番。薬膳の基礎となる「中医学」の治療法には「余分があるときは体から排出し、足りないものは補う」という考え方があります。
自分の調子がイマイチだと感じるときは、体の陰陽のバランスが崩れている可能性が高いもの。そんなときこそ、休息を取り、食生活を見直すことが大切です。

食物の「五性」を食事に取り入れよう

年末年始は薬膳で食生活の見直しを―1月の不調「暴飲暴食ケア」
薬膳を始めるにあたって、まず食べ物の性質を知ることが大切だと話す高尾先生。「食べ物には、“食性or五性”と呼ばれる、5つの性質があります。これは“寒・涼・平・温・熱”の5つの気のこと。寒は体を強く冷やす性質、涼も体を冷やす性質、平は温めも冷やしもしない性質、温は体を温める性質、熱も体を強く温める性質を持っています。
また“味”には、酸・苦・甘・辛・鹹(かん)の5つの味があります。これらの味は内臓に深い関わりがあり、例えば、酸味が好きな人は肝が弱くなりがち。苦味が好きな人は心臓が弱くなりがち。甘味が好きな人は消化器系が弱くなりがち。辛味が好きな人は肺が弱くなりがち。鹹は塩味を指し、腎に影響が出やすい、というように、好む味覚によって影響がある内臓の部位も替わってきます」。

この性味の“性質”を利用すると、炎症、口内炎、副鼻腔炎といった熱をはらむ病気を持つ人や暑がりの人は、体を冷やす性質を持つ寒涼性の食べものを。逆に、冷え症や貧血気味の人、寒がりの人は体を温める温熱性の食べものを取ればよいとのこと。

〈五性の各食材〉
寒…蕎麦、アスパラガス、竹の子、なす、ミョウガ、苦瓜など
涼…豆腐、胡瓜、トマト、梨、レタス、豆乳、春雨など
平…米、芋類、キノコ類、豆類、キャベツ、にんじん、南瓜、豚肉など
温…もち米、生姜、ネギ、玉葱、ニンニク、牛肉、鶏肉など
熱…羊肉、胡椒、山椒、唐辛子など

「寒涼性の食べものには熱を冷ます以外に、毒素を取り除く効果も。温熱性の食べものには体を温める他、血を巡らせる働きもあります」。

穏やかな性質の「平性」って何?

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そんな五性の中には寒涼性・温熱性以外に、どちらの作用もない、極めて穏やかな性質の「平性」があるとのこと。平性の食材は、偏りが少なく、滋養強壮にも効果があり、病後にも食べられる食材とされています。また、吸収率や薬膳効果が高いため、日常の食生活でも積極的に摂りたい食材です。

「平性の食べものは、うるち米、大豆、芋、キャベツ、にんじん、しいたけなど。これらは、食べるとどこかホッとさせられる味わいが特徴です。穏やかな性質を持っているので、健康維持や養生のために、毎日でも摂り入れたいですね。また、穀物や野菜の他に、卵、オリーブ、梅、サンマ、ウナギ、黒きくらげ、蜂蜜なども含まれます」。

空気の乾燥が進む冬は、とりわけ“潤いを与えてくれる”平性の食材がおすすめ。山芋、イカ、チーズ、松の実、白きくらげなど、白っぽい食べものは体を潤す効果があるので、この時季に積極的に摂りたいもの。

【整のメソッド】 胃腸にやさしい、暴飲暴食ケア

高尾先生いわく、世間一般では体に良いと言われる食材も、自分にとっては全く合わず、食べ続けることで体調を崩すケースもあるとのこと。

例えば、昔から滋養強壮に良いとされるニンニクですが、発熱しているときにこれを食べてはさらに熱があがり、症状は悪化します。これは、ニンニクが体を温める作用を持つ食材だから。
風邪を引いて、もし自分の舌が真っ赤だった場合、内に熱がこもっている証拠なので、その場合は寒涼性の食べもので体を冷ますのがベスト。そして、世間では“この食材が○○に効く!”と謳われる食材も、自分の体質に合うかどうかはまた別の話だと高尾先生は話します。
STEP1:自分に合わない食材を知る
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「胃腸を整えるとされるヨーグルトですが、人によっては食べるとお腹が痛くなることもあります。私の知り合いで、ヨーグルト+おから+ジャムを混ぜたものが良いとのことで試していた人がいたのですが、毎日下痢が続き、ついに血便が出てしまったんです。その人にとっては、ヨーグルトやおから、ジャムは体質的に合わない食材だった様子。体を冷やす性質の食材なので、胃腸が弱い人には刺激が強かったのではないでしょうか。
これはいい!と思って食べていても、自分の体に合っているかどうかをしっかりチェックしましょう」。
STEP2:自分や家族の体質を知る
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食べものは体に入ると必ずその“証”が出るもの。摂取し続けることで、元気になるか、逆に元気がなくなるか。最近ではクリニックに行かなくても、気軽に体質チェックができるサイトもあるので、まずは自分や家族の体質を知りましょう。
気虚、血虚、陰虚、瘀血(おけつ)、気滞、痰湿など、6つの体質の中のどれに当てはまるかで、体に合った食事や生活がわかります。
miyake.net 体質チェック
自分の体質を簡易的にチェックできるサイトがこちら。両親から受け継いだ先天的要因と、生活環境や心理状態から影響する後天的要因から自分の性質を調べられる。
STEP3:自分に合った食材を、ちょうどよい量で食べる
年末年始は薬膳で食生活の見直しを―1月の不調「暴飲暴食ケア」
「健康によいと言われる食材も、自分の体に合うかどうかの判断は難しいもの。そんなときは大量に食べないで、まずは少量から食べ始めましょう。目安として約5gから試していき、自分のお腹の具合や気分を見ていくとよいですね。

また、最近巷に浸透している食薬も、飲めばすぐに治るわけではないので、症状とつき合いながら治していく感覚を大切にしましょう。血が足りていない人はよく目の横がピクピクと痙攣するので、少しずつ食薬の枸杞を試していき、目の痙攣が治まった量でストップする。そんなふうに体の様子を見ながら試していくのも手段です。大切なのは、自分に合った食材をちょうどよい量で食べることです」。

暴飲暴食シーズンの冬こそ摂りたいレシピ

忘年会や新年会で食べ過ぎて胃腸がお疲れの人に、おすすめの冬のデトックスレシピと体質改善レシピをご紹介。今回は、胃を温めて働きを良くする“陳皮”を用いて、心身を整えるサポートを図ります。
胃腸の調子を整えるデトックスレシピ 〜雪鍋〜
年末年始は薬膳で食生活の見直しを―1月の不調「暴飲暴食ケア」
(材料)
鶏挽肉 100g
木綿豆腐 80g
陳皮 小さじ1〜
生姜すりおろし 少々
白菜 1/6個
えのき 1パック
長ねぎ 1本
大根 800g
万能ねぎ 3本 (お好みで)

(調味料)
出汁 1.3l
ポン酢 適量

(作り方)
1.水切りした木綿豆腐と、鶏挽肉、陳皮、すりおろした生姜を一緒のボウルに入れ、味噌・酒・薄口醤油(分量外)で下味をつけてよく混ぜる。
2.白菜を一口大、長ねぎを斜め1cm幅、えのきを1/2の長さに切る。
3.大根をおろし、水気を軽く切る。
4.土鍋に出汁を入れて温め、1を団子にして、鍋に入れ火を通し、2を加える。
5.蓋をしてしばらく煮込んだら、最後に3を入れてサッと煮る。
6.器に盛ったら好みで万能ねぎを小口切りにして散らし、ポン酢でいただく。

POINT
①デトックス野菜の代表でもある白菜は食物繊維がたっぷり。しっかり食べることで便通も良くなる働きが。
②大根はしっかり火を通さないことが重要。生っぽさを残して食べることで消化酵素のジアスターゼが摂取でき、消化能力がアップ。
体を温めて巡らせる体質改善レシピ 〜鮭陳皮おにぎり〜
年末年始は薬膳で食生活の見直しを―1月の不調「暴飲暴食ケア」
(材料)
塩鮭 1切れ
陳皮 小さじ1/2
紫蘇 5枚
炒りごま 適量
米 1合

(作り方)
1.陳皮を洗い、少量の水で戻して刻む。
2.紫蘇を千切りにして水に浸けてアク抜きを行い、水気を切っておく。
3.焼いた塩鮭から骨と皮を取り除いてほぐし、ごはん・陳皮・紫蘇・炒りごまと合わせてよく混ぜ、おにぎりにする。

POINT
①陳皮は消化器系を温めて元気にする効果が高い食材。気の巡りを良くする働きも。
②多忙な30〜40代の男女におすすめ。

【心のメソッド】心と食べものの関係

健やかな心に導く食材をセレクト

食べものには精神に効くもの、感情に効くものがあると言う高尾先生。「食事で健康な心を養うことができるので、そのときの自分の気持ちに合った食べものを選ぶのも健康的な暮らしに役立ちます」。
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〔気が滅入るとき〕
体を酷使して疲労が蓄積し、気が滅入っている女性には「棗(なつめ)」がおすすめ。血液をつくり出す食材の代表であり、精神安定にも役立つ棗は、おやつ代わりに食べるのも良し。
通常の棗よりも一回り大きな「大棗」は実がパンのようにフワフワでほんのり甘く、少量でも満腹感がたっぷり。ヘルシーな甘味としても最適です。

〔気持ちがセカセカするとき〕
何かに終始追われるような不安な気持ちを抱えているときは、心を沈める効果があるといわれる「牡蠣」がおすすめ。体を潤して血を補い、リラックスする働きの高い牡蠣は、イライラや憂鬱を解消する効果に優れ、ストレスをはね返す作用も。
慢性的な疲労や不眠の緩和にも役立つので、まさに年末年始の多忙なシーズンの味方。

〔集中力をアップさせたいとき〕
休暇でダラダラした気持ちを解消して、そろそろ仕事にエンジンをかけたいときは、体を温める生姜、胡椒、山椒、唐辛子などがおすすめ。気を巡らせる食材なので、気持ちの切り替えにも役立ちます。
反対に、体が火照った人には、ミント、キッカ、春菊、セロリなど、体をやや冷やして気の巡りを良くする食材で頭や心をシャキッとさせて。

モヤモヤした気持ちもスッキリ!

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気持ちがゆらぎやすい30~40代の女性にこの時期、おすすめの食材は気の流れを良くする紫蘇やセロリ、陳皮、柑橘系の果物の他、血を増やす「枸杞」や精神を安定させる「棗」だと言う高尾先生。

厳しい寒さが一段落して、春を迎える時期になると、気持ちがモヤモヤ、イライラしやすくなります。これは、春と関係する臓腑である「肝」のバランスが崩れるため。
肝と言っても肝臓ではなく、気を巡らせて血をためる働きをする、いわば自律神経を司るもの。肝の働きが良くないと、ストレスが溜まりやすくなります。そこで、そんな症状が出やすい春先にこそ積極的に食べたいのが、高尾先生のおすすめする「イカとセロリの炒め物」です。
イカは血を増やして潤いを与えてくれるだけでなく、春のイライラを押さえてくれる働きがあります。少量の水で戻した枸杞をパラパラと散らせば見た目もきれい。香りの良いセロリと塩・胡椒、胡麻油でシンプルに炒めるだけで作れる、簡単で美味しい「春の薬膳」レシピです。

薬膳で加齢をゆるやかに

年末年始は薬膳で食生活の見直しを―1月の不調「暴飲暴食ケア」
“女性は7の倍数、男性は8の倍数の年齢で、命の節目を迎える”。これは中医学の古典の中で最も重要な「黄帝内経」に記述された、薬膳の世界では有名なフレーズ。五臓の「腎」に蓄えられる腎気の成長と衰退を表現したものとされています。
腎は、母胎の中で誕生した瞬間から授かる“先天の気”を蓄える場所。腎気は20代頃まで成長を続けますが、特に女性は28歳前後でピークを迎え、35歳からは徐々に衰えていきます。そして42歳になると老化が本格化。疲れやすくなり、肌がたるみ、記憶力も低下します。白髪が目立ち始めるのもこの頃から。これらの変化はすべて腎の衰えによって起こるもの。

「老化を防ぐには腎を労ることが重要。腎に良い食材を日々摂りながら、ゆるやかに年齢を重ねることが、健やかに年を取る秘訣です」。

〈腎におすすめの食材〉
黒米、黒豆、ささげ、マッシュルーム、ナッツ類、栗、ごぼう、山芋、ブロッコリー、カリフラワー、ニラ、プルーン、羊肉、豚肉、鰻、スズキ、海老、ししゃも、すっぽん、鯛、干し貝柱、枸杞

日々の幸せは心の持ちようから

「老化による衰えは誰しも免れないもの。それなら、せめて気持ちだけでも健やかに暮らしていきたいですよね」と話す高尾先生。
毎日がとびきり楽しい日々だと、興奮して疲れるもの。少しだけでもよいから自分が喜びを感じ、ささやかな幸せを楽しめる暮らしを送りたいものだと話します。それには、心に余裕がないと感じることができません。
すべてが心の持ちようだと高尾先生は言います。「薬膳は特別な日のごはんではありません。毎日の食事で健康をつくる、先人たちの知恵なんです。日々の積み重ねが自分や家族の体をつくることを改めて考えるキッカケになるとうれしい」とのこと。
何かと暴飲暴食に陥りがちな1月。日々の食卓から取り入れられる養生法で、健やかな1年のスタートを切りたいものです。
年末年始は薬膳で食生活の見直しを―1月の不調「暴飲暴食ケア」

プロフィール

高尾仁美

中医薬膳営養師。初心者から本格的に薬膳を学ぶ専門スクール「鎌倉薬膳アカデミー」の講師として活躍。自身の不妊治療を漢方薬で行い、出産時の大量出血による貧血を薬膳スープで改善した経験から、漢方や薬膳の重要さを授業で伝えている。三児の母。
鎌倉で和の薬膳®を学ぶ - 鎌倉薬膳アカデミー
公式HP
鎌倉薬膳アカデミー(@kmyakuzen)
公式Instagram

仁田ときこ

ファッション誌やライフスタイル誌で衣食住に関する記事を執筆するライター。生理中に血の足りなさを感じ、薬膳スープを飲んだことで体の不調が改善した経験から、お茶や食事に簡単な薬膳を取り入れている。ゆるやかな老化を取り入れようと実践中。二児の母。
仁田ときこ(@tokikonitta)
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illustrator/小池ふみ

Fumi Koike (@fumi_koike)
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