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【連載】3つの整えメソッド
10月の不調「睡眠不足」

年を重ねるにつれ、少しずつ現れるマイナートラブル。病気とまではいかない、心身の不調に悩まされる現代女性は多いもの。そこで、四季のある日本人の暮らしの基盤「衣・食・住」からヒントを得たケア方法「3つの整えメソッド」を提案します。毎回ひとつの不調に対して、日常生活でできる整え方を専門家からアドバイスいただきます。シリーズ連載第4回目の今回は「秋の夜長」という言葉があるように、太陽が落ちる時間が早くなって夜が長くなったこの時季に起きやすい睡眠不足がテーマです。(2019年10月17日作成)

取材・文:仁田ときこ イラスト:小池ふみ

【連載】3つの整えメソッド
10月の不調「睡眠不足」
10月になって、太陽が昇って落ちるまでの時間が短くなりました。秋は夜の時間が長くなる季節。この時季に誰もがしてしまうのが、夜更かしです。「秋の夜長」という言葉があるように読書や映画鑑賞、自分磨きと称する時間で、ついつい寝る時間を削っていませんか?
朝、目が覚めたとき、すっきりしないと感じる、よく眠ったはずなのに昼間に眠くなる、夜中に何度も起きてしまうのは、質の良い睡眠が取れていない証拠。そこで今回は、睡眠コンサルトとして活躍する友野なお先生に睡眠不足を解消する「3つのメソッド」を教えていただきます。

自分に合った睡眠時間や眠り方って?

人生80年のうち、人が眠っている時間はなんと約25年間にも及ぶといわれています。意外にも、人生の大部分を締めているのが睡眠時間。さて、あなたは毎日どれくらい眠っていますか?
世界的な調査によると、日本は先進国の中でも第1位の眠らない国。特に、仕事や家事、育児に忙しい日本の女性の平均睡眠時間は世界的にとても短く、長いとされるスウェーデンの女性との差は1日当たり約1時間半。1週間で10時間半もの差があるそう。
【連載】3つの整えメソッド
10月の不調「睡眠不足」
「日本の女性はもっと眠るべきですね。ただでさえ、女性の睡眠は量だけでなく質も低下しがち。生理前に眠れない、生理中は昼間も眠いといった症状は、女性ホルモンが影響しているせい。たまに、普段の睡眠は3時間で足りるという人もいますが、ショートスリーパーに当たるのは全人口のたった5%といわれています。アメリカで行った調査によると、睡眠時間が6.5~7.4時間と回答した人が最も死亡率が低かったという報告がありました。
人には大体7~8時間の睡眠時間が必要です。私自身、午前0時就寝、7時起床の7時間睡眠が最も自分に合う睡眠スケジュール。このリズムを守って睡眠の質を上げるようになってから、パニック障害やアトピーが改善され、体重が15kgも減りました。それほど睡眠が心と体に与える影響が大きいことを、身をもって体験しました」。
とはいえ、必要以上に寝ることが健康に良いわけではないと言う友野先生。長時間の睡眠が必要なロングスリーパーでない限り、適正時間を超えた睡眠は逆に体にダメージを与えると言います。

友野先生の「3つの整えメソッド」

【整のメソッド】自分に合った睡眠時間

それでは、自分に合った睡眠時間はどうしたら分かるのでしょうか?
「睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠があります。レム睡眠は体を休ませる睡眠のことで、このときに脳の活動レベルや自律神経の働きは高くなります。ノンレム睡眠は、脳を休ませる睡眠のことで、脳の活動や自律神経の働きが低い状態。朝にかけて、このレム睡眠とノンレム睡眠が交互に現れます。脳を休めるノンレム睡眠は浅い眠りと深い眠りに分かれていて、深い眠りは睡眠の前半に集中しているのが特徴。睡眠の後半になると眠りが少しずつ浅くなり、レム睡眠が増えていきます」。
また年齢を重ねると、深い睡眠が少なくなるため、夜中にたびたび起きたり、夜遅く寝ても朝早く目が覚めたりしてしまうそう。年齢によってそういった特徴はあるものの、熟睡感が得られないのは、浅い睡眠をさまよって深い眠りに入っていけないケースが大半。そうすると、私たちの健康に不可欠な『成長ホルモン』が十分に分泌されません。新陳代謝を促し、疲れた心身を回復させるためには、成長ホルモンが十分に分泌する“自分に合った”安定した深い眠りをキープすることが大切。

そこで、自分の理想的な睡眠時間を割り出す方法が、友野先生が提案する『睡眠日誌』。レコーディングダイエットのような要領で、自分の眠りを記録し、客観的に把握することで、自分に合った眠りが導き出せるそう。
【連載】3つの整えメソッド
10月の不調「睡眠不足」
「やり方はとても簡単。まず、自分が何時に起き、何時に就寝したかを書き込んでください。それにプラスして、眠気を感じた時間や居眠りをした時間、睡眠に関する情報も書き込めたら、さらによいですね。眠りの習慣やクセが可視化されるので、自分の生活の問題点や理想の睡眠時間が分かってきますよ。
慣れてきたら、アルコールを摂取した日や朝の目覚めの気分が良かった日・悪かった日、さらに体温、体重、月経周期なども明記しておくと、もっと自分の体質が分かってきます。まずは2週間続けてください。毎日書くうちに“明日は今日よりも早く寝よう”と、意識改革ができます」。
睡眠日誌は友野先生のサイトから無料でダウンロードできるので、まずは自分のできる範囲で無理なく取り組んでみましょう。

朝すっきり起床できる、質の良い睡眠の取り方

では、清々しい朝を迎えるにはどうしたらよいでしょうか? 質の良い睡眠の取り方を教えてください。
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「まず、朝起きたら、そのまま窓際に立って、太陽に15秒当たってください。これによって『睡眠ホルモン』と呼ばれる『メラトニン』の分泌が抑制され、約14~16時間後に眠くなる睡眠のスイッチが入るようになります。天候が曇りでも雨でも関係なく、朝の窓際に立つことが大切。その後、1時間以内にタンパク質を取りましょう。朝食を1時間以内に取ることで、体内時計が整い、活動モードに切り替わります。
タンパク質に含まれる『トリプトファン』という物質は『セロトニン』の原料。セロトニンは日中の意欲的な活動を後押しするだけでなく、私たちの眠りを自然に促す働きのあるホルモン・メラトニンに変わるので、夜ぐっすり眠るための大切なカギとなります」。

「トリプトファンを大量に含むタンパク質が豊富な食材は、肉・魚・大豆・卵・乳製品、アボカド、バナナ、ナッツ類など。これらをバランス良く取るのが理想的ですが、忙しい朝にはなかなか難しいですよね。私がおすすめしているのは、透明な袋に一口大にちぎったバナナ、豆乳、きなこ、蜂蜜、アボカドなどを入れてつくる『手もみジュース』です。ジューサーも不要で、手で約1分モミモミするだけ。すぐに栄養たっぷりのジュースが完成します。
ちなみに、セロトニンの合成にはトリプトファンだけでなく『ビタミンB6』と『炭水化物』も欠かせないので、この3つが含まれているバナナをメイン食材に持ってくるのをおすすめします」。
これだけで質の良い睡眠に近づけるなら、忙しい朝でも実践できそうです。では、睡眠のために夜できることはありますか?
「夜の過ごし方もすごく重要です。実は、よく眠れる人って寝返り力が高いんです。寝返り力とは寝ている間にしっかり寝返りをうてるかどうかの力で。
私たちは一晩に20~30回の寝返りをうつといわれています。寝返りをよくうつ人は、一般的には眠りが浅いと思われがちですが、実はその逆。しっかり寝返りをうてる人こそ、血液や体液の循環ができています。同じ姿勢で寝ていると、体の重みで筋肉が痛くなったり、骨格がゆがんでしまうのですが、定期的な寝返りをうつことでそれをしっかり防いでいます。睡眠上手になるには、寝返りを上手にうつことが大切です」。
では、どうしたら寝返りが上手くうてるようになるのでしょうか? 睡眠時は無意識なので、気を付けるのが難しそうですが……?
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10月の不調「睡眠不足」
「スムーズに寝返りをうてる環境を整えるだけで大丈夫。敷き布団、掛け布団、枕、パジャマの選び方を見直してみましょう。
まずは、敷き布団ですが、柔らか過ぎると背中やお尻が沈み、首や腰に負担がかかります。反対に、硬過ぎても就寝時に体が痛くなり、不快感から質の良い睡眠は得られません。適度な弾力と硬さ、寝返りをうてる広さ、体の圧を分散してくれる敷き布団が理想的。
掛け布団でおすすめは、軽くて圧迫感がなく、保温と湿度調整ができるもの。寒いからといって必要以上に重ねてしまうと、布団の重さで寝返りがうてません。また、体にフィットしていないと肩口や足元に余分な隙間ができて、寝返りのたびに冷気が入ってしまいます。すると、今度は寒さから夜中に目が覚めてしまう可能性も。掛け布団はできるだけ体に密着して、軽量なものを選びましょう。

枕は、頸椎の自然なSカーブが保てる高さと形であること。大きさや硬さ、重さがその人に合っていることが大切です。寝具と同じメーカーで揃えると、枕と寝具の相性を店頭で確認できるので失敗も少ないと思います。
また、睡眠の質が大きく変わるパジャマも大切。スウェットやTシャツ、普段着を着て寝ると、寝具との間に摩擦が起きて、寝返りがうちにくくなります。パジャマの素材は、吸水性や吸湿性が高く、肌触りのいいコットンやシルク100%がベスト。特に、コットンは手頃な価格で手に入るし、生地の耐性もあるので洗濯しやすい。
“寝るだけなんだからなんでもいい”ではなく、明日の体と心の健康を支える時間だと認識してください。大切な自分への投資だと思って、とっておきの1枚を選んでみましょう。
最後に、寝返り力をつける方法ですが、毎晩寝る前、左右にゴロゴロと転がってみましょう。体に寝返りをうつクセをつけておくとよいですよ」。

“睡眠五感”を取り入れて、朝まで熟睡を可能に

では、深い睡眠が取れる環境をしっかり整えても“目がバッチリ冴えている”という日はどうしたらよいでしょう?
「確かにそういう夜はありますね。眠るためには私たちの感覚が大きく関わっていて、これを“睡眠五感”と呼びます。視覚、聴覚、温熱感覚、触覚、嗅覚、という誰でも持っている5つのセンターを指し、個々にアプローチすることで朝まで熟睡が叶います」。
【連載】3つの整えメソッド
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「中でも視覚は、睡眠の質を左右する最も重要な存在。スマホのブルーライトは睡眠ホルモンの分泌を抑制させ、スムーズな入眠を妨げる要因に。就寝1時間前は暖色系のおだやかな照明に切り替え、スマホなどのデジタル機器は触らないことが大切です。

次に聴覚。クラシックやヒーリング音楽でアプローチして、音からリラックス感を高めることが効果的です。ただし、眠るタイミングになったら音楽をオフにするか、1時間で切れるようにタイマーをセットしておきましょう。

温熱感覚は、季節問わずに心地よく眠れる温湿度管理に関わることを指します。エアコンのおやすみモードや加湿機能を駆使して、就寝時の快適な空間をつくってください。ベッドの高さに温湿度計をセットして、温湿度を確認しやすくするのも手段。暮らしに温湿度管理をぜひ取り入れてみてください。

また、眠るときに肌に直接触れる布団や枕にこだわると、触覚に良いアプローチができます。季節によっても心地いい素材が替わるので、季節に応じて寝具を替えてください。

最後に嗅覚。これは脳とダイレクトに結び付いている器官です。アロマ効果を利用すると、心地よく上質な睡眠につながります。特に、リラックス効果の高いラベンダーは睡眠時にも相性が良いので、ピローミストやボディクリーム、ロールオンタイプのフレグランスで手軽に取り入れてみましょう。ラベンダーが苦手な人は、心身を落ち着かせるネロリやサンダルウッドもおすすめです。

これら睡眠五感を取り入れるだけで、簡単に自分の睡眠レベルをアップすることができます。朝、起きたときの気持ち良さが変わってくるので、寝るのが楽しみになりますよ」。

【日のメソッド】働く女性が深い睡眠でUPする日中スキル

日常のちょっとした気づかいで、いかに睡眠レベルが向上するかが分かりました。でも、仕事や家事、育児に忙しい女性は毎日が全力疾走……。限られた日中のオンタイムで最高のパフォーマンスを発揮したいのですが、質の良い睡眠ではどんなことが高まるのか教えてください!
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10月の不調「睡眠不足」
「まずは、集中力です。4時間睡眠が2週間続くと、丸2日徹夜したときと同じくらい認知機能が落ちます。仕事ではここ一番で集中力を発揮したい日がありますよね?日頃の睡眠レベルを向上させておくことで、脳がクリアな状態を維持でき、集中力レベルも高まりますよ。

次に、現場では重要なコミュニケーション力。睡眠不足でイライラして、誰かに八つ当たりしてしまったことはありませんか? いい睡眠が取れていないと、相手への配慮が欠けたり、協調性がなくなったりします。仕事場で信頼関係を築くうえでも、睡眠から安定したマインドをつくりましょう。

また、判断力も睡眠で大きく左右されます。寝不足では冷静なジャッジはできません。夜遅い時間にネットショッピングをすると不要なものを購入する率が高まるといわれているように、常にベストな選択ができる十分な睡眠を取りましょう。

脳は前日の疲れを引きずったままだと十分に機能しないため、注意力にも大きく関係します。うっかりミスが増えた人は、睡眠不足の可能性も。小さなミスが大きな事故につながる前に、睡眠で脳をしっかり回復させてください。

そして、クリエイティブ力も睡眠の影響力が大きいもの。適切な睡眠はクリエイティブ力を高めることが科学雑誌『Nature』で報告されています。斬新なひらめきは良質な睡眠からの贈り物と捉え、自分の可能性を広げるためにも睡眠の質を高めてください」。

昼寝の習慣で午後のパフォーマンスをUP!

良質な睡眠は仕事にも大きく左右するのですね! でも、ランチ後はどうしても睡魔に襲われてしまいます……。
「ランチ後の会議や作業中についウトウトするのは、誰にでもあることです。お腹が満たされたことで覚醒作用のあるオレキシンの放出が減少し、体内時計の仕組みで午後2〜3時になると深部体温が一時的に低下してしまうことがその要因。そんなときこそ、昼寝を取り入れてみましょう。
昼寝は疲れ始めた脳を休ませ、クールダウンさせる効果があります。アメリカでは『パワーナップ』と呼び、脳と体にパワーをもたらすビジネススキルとしても広く定着しているんです」
なるほど! 眠気を我慢しながら仕事をするより、一度リフレッシュした方が効率も上がりそうですね。ぜひ、理想的な昼寝のコツを教えてください。
【連載】3つの整えメソッド
10月の不調「睡眠不足」
「昼寝は必ず椅子に座ったまま、背もたれに寄りかかった状態で目を閉じるだけにしてください。寝顔を見られるのが恥ずかしい人は、マスクやアイマスクを活用するのも手段。
ただし、午後3時までの間に済ませるのが鉄則です。午後3時を過ぎると、夜の睡眠に影響が出るのでおすすめできません。大体15〜20分がベストです。それ以上寝ると深い睡眠に入ってしまうため、起きるのが辛くなります。起きた後もボーッとしてしまうので、仕事モードになかなか戻れなくなります。
また、昼寝前に濃いお茶かコーヒーを飲むと、ちょうど昼寝から目覚めるタイミングでカフェインの効果が出るので、すっきりした覚醒に導かれますよ。昼寝後の作業も効率良く進められるはず」。

『分食』が快眠につながる残業デー

寝る直前に夕飯を取るのはNGと聞いたことがあるのですが、仕事で遅くなった日の食事はどうしたらよいのでしょう?
「働く女性にとって、夕食の時間は切実な問題です。普段の夕食時間を聞くと早くて夜9時、遅くて11時という人が意外にも多くいました。残業すると寝る直前に夕食を取らなくてはならない事情はよく分かりますが、それでは夜食になってしまいます。
遅くに食事をすると、胃腸などの消化器官が活発に働くため、せっかく眠りに入るために優位になった副交感神経のリラックスモードがだいなしになってしまいます。食事で摂取した糖質も脂肪に変わりやすくなるのが夜10時〜深夜2時なので、ダイエットを意識している人にとっても悪影響。そこで、おすすめなのは、夕食を2回に分ける『分食』です」。
【連載】3つの整えメソッド
10月の不調「睡眠不足」
まず、夕方6時に1回目の食事としておにぎりなど、お腹に溜まるものを食べておく。帰宅後に味噌汁やスープ、サラダなどの副菜といった胃腸に負担をかけないヘルシーなものを選ぶ。
これが、眠る直前の食べ過ぎと空腹をどちらも防ぐ『分食』になります。体も気持ちも安定した状態で、スムーズに深い眠りに入れると友野先生は言います。

【美のメソッド】『きれい』は眠り始めの3時間で決まる

睡眠で健康を引き出せるなら、睡眠は美容にも大きく関係しそうです。睡眠で美しさを引き出す方法はありますか?
【連載】3つの整えメソッド
10月の不調「睡眠不足」
「高価な美容液より効果を実感できるのが睡眠です。肝心なのは、眠り始めの3時間。ここを途切れさせず、深く眠ることが大切です。なぜなら、眠り始めの3時間に、肌細胞の新陳代謝を促すとされる『成長ホルモン』が出るから。
成長ホルモンは、1日のトータル分泌量のうち、約70%が睡眠中に分泌されます。ただし、深い睡眠状態にあることが分泌には必須。もしもこの3時間の間に目が覚めてしまうと、成長ホルモンの分泌は妨げられ、せっかくの美容効果も半減します」。
午後10時から午前2時までが美肌のゴールデンタイムと聞いたことがありますが、それは間違っているのでしょうか?
「その常識は、一昔前のものですね。今は、眠り始めの3時間を途切れさせずに深く眠ることが美肌づくりの定番。午後10時に寝ることにこだわる必要はありません。私自身、毎日の就寝時刻は午前0時。この午前0時までに寝るというのが実は美容にとても大切なんです」。
抗酸化作用の高い『睡眠ホルモン』とされるメラトニンは、暗くなると分泌が始まり、午前0〜3時にかけて分泌のピークを迎えます。つまり、成長ホルモンは眠り始めの3時間で分泌され、メラトニンは午前0〜3時にかけてたっぷり分泌されることから、二大ホルモンの相乗効果を得るには『午前0時までには寝て、眠りはじめの3時間は途中で起きないこと』が重要だそう。

そんな美のホルモンの恩恵を受けて、友野先生も驚くほどの美肌の持ち主。エステサロン以上に効果を期待できる睡眠美容を上手く取り入れて、毎日の美を支えたいものです。

就寝前のワンアクションでぐっすり寝よう

眠りの質を上げるなら、体をほぐして昼間の緊張を解放してあげることが大切だと話す友野先生。寝る前にできる、心身をほぐす方法があるのでしょうか?
【連載】3つの整えメソッド
10月の不調「睡眠不足」
「まず、椅子に座って簡単にできる睡眠のためのストレッチが『足裏ゴルフボール刺激法』です。かかとの中央に『失眠』というツボがあり、眠れないときは、ここにゴルフボールが当たるように転がしましょう。呼吸は止めないように意識して。心地よい程度に押し続けると、気持ち良く眠りにつけますよ。

そして、特別な器具も場所も必要がなく、どこでもできる運動が『筋弛緩運動』です。睡眠改善の行動療法でもよく取り入れられているのですが、方法はとても簡単。手をにぎりこぶしにして、全身にグ〜ッと力を入れます。そのまま5秒ほどキープして。5秒経過したら、息を吐きながらパッと脱力。それを3〜5回繰り返してください。顔からつま先まで全身の筋肉を使うのがコツです」。
【連載】3つの整えメソッド
10月の不調「睡眠不足」
「他にも呼吸を深くする『コブラのポーズ』もおすすめ。昼間はデスクワークで前屈みの姿勢が多いため、就寝前に背中から腰までの筋肉を伸ばし、胸の筋肉を開いて深い呼吸を行うためのヨガのポーズです。
うつぶせになって足先から頭までまっすぐ伸ばし、両肘は曲げて、手のひらは床へ。そのままゆっくり肘を伸ばして、上半身をアップ。あごを上げて腰を反らし、胸を開いて呼吸します。呼吸を止めずに10秒キープ。息を吐きながら再びうつぶせのポーズに戻ります」。

心に溜まった疲れを取る眠り方

私たちは毎日いろいろな感情の中で生活しています。心配事やイライラなど、ポジティブでない感情を睡眠で取ることはできるのでしょうか?
「悲しいこと、辛いこと、ムカムカすること。そんなことがあっても、一晩寝たらスッキリしたという経験をした人は意外と多いもの。日々のさまざまな感情を上手く整頓してくれるのが睡眠なんです。
睡眠は体や脳の疲れを取るだけでなく、心に生まれたたくさんの感情を睡眠中にきちんと整理して、心の健康を保ってくれる存在。だからこそ、いい睡眠が取れていないと、自分を卑下したり、相手を理解する力がなくなったり、心に関するさまざまな機能が低下していきます。とはいえ、ネガティブな感情が強過ぎると、心はずっと緊張したままで、夜になっても寝付けません。眠りたいのに眠れないって辛いですよね。そんなときに眠らなきゃ!と焦るのは逆効果。こういう日は『眠れなくてもいいや』と開き直るのも手段です。思い切って、寝室を出たっていいんですよ」。
そう言ってもらえると、なんだかホッとします。寝なきゃ!という強迫観念が逆にストレスになりそうで……。
「夜になるとネガティブな感情が出てきやすいものですから。夜というのは、心も体も疲れた状態。冷静な思考状態ではないので、あれこれ考えても良い結果に結び付きません。夜は反省会より、その日に起こった『いいこと』を言う習慣を持ってみましょう」

上質の睡眠で、理想の自分に近づこう!

【連載】3つの整えメソッド
10月の不調「睡眠不足」
睡眠に関するお話を友野先生に聞く中で何度も出てきた「睡眠で人生が変わった」という言葉。30歳を目前に、パニック障害という病気によって職にもつけず、健康状態がボロボロだった友野先生が、睡眠によって15kgのダイエットと体質改善に成功し、さらには会社を設立するなど、大きな転機を迎えたと話してくれました。
睡眠改善で次々と劇的な変化がもたらされ、その効果に一番驚いていたのは何を隠そう先生自身。その事実や効果を科学的に理解したくて睡眠の世界に飛び込んだことが、今日につながっていると言います。
眠ることが体だけでなく、思考やメンタル、さらには行動まで変えていく。そんな変化を生む上質な睡眠を、不眠になりがちなこの季節をキッカケに取り入れたいものです。睡眠によって自分の暮らしがどれほど変わるのか、ぜひ楽しみながら試してみませんか?

プロフィール

友野なお

日本公衆衛生学会、日本睡眠学会、日本睡眠環境学会所属。千葉大学大学院 医学薬学府 先進予防医学 医学博士課程にて睡眠を研究。行動療法からの睡眠改善を得意とし、眠りのプロとして全国での講演活動を行う。著書に『正しい眠り方』(WAVE出版)など、他多数。書籍は海外でも翻訳されて発売中。

仁田ときこ

ファッション誌やライフスタイル誌で衣食住に関する記事を執筆するライター。産後から眠りが浅くなり、年を重ねるにつれて夜中に何度か起きてしまう経験から、眠りの質を上げることに興味を持つ。最近は、自分に合ったマットレスと枕をリサーチ中。5歳と7歳の男児を育てる母。

illustrator/小池ふみ

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