秋冬になると風邪の症状を訴える人が増えるのは?
夏が終わり、秋に入るとなぜか増えてくる風邪を引く人たち。風邪が秋冬に増える原因は、秋から空気が乾燥する日本の気候に起因します。
風邪は正式には「風邪症候群」と呼び、成人では「ライノウイルス」が風邪症候群の約2分の1を占めます。ライノウイルスは子どもも大人もかかる鼻風邪の原因となるウイルスで、その数は110種類以上。風邪のほとんどはこのウイルスによるものだといわれています。通年起こりますが、特に多いのが春と秋。インフルエンザの流行時期も12月〜3月なので、両方が流行るこれからの季節は注意が必要。
秋冬の乾燥した空気はウイルスが空気中に滞在する時間を長くし、人が息を吸い込むときに鼻や喉から入って感染しやすい状態になります。
また、寒さから体温が下がると代謝活動が低下し、免疫を担う細胞の働きも弱くなります。ウイルスが体内に侵入すると、感染を起こしやすくします。
風邪は正式には「風邪症候群」と呼び、成人では「ライノウイルス」が風邪症候群の約2分の1を占めます。ライノウイルスは子どもも大人もかかる鼻風邪の原因となるウイルスで、その数は110種類以上。風邪のほとんどはこのウイルスによるものだといわれています。通年起こりますが、特に多いのが春と秋。インフルエンザの流行時期も12月〜3月なので、両方が流行るこれからの季節は注意が必要。
秋冬の乾燥した空気はウイルスが空気中に滞在する時間を長くし、人が息を吸い込むときに鼻や喉から入って感染しやすい状態になります。
また、寒さから体温が下がると代謝活動が低下し、免疫を担う細胞の働きも弱くなります。ウイルスが体内に侵入すると、感染を起こしやすくします。
風邪の症状が起こる仕組み
風邪の症状は感染後1日〜3日で症状が表れます。初期に喉の痛みがあり、鼻に不快感を生じ、続いてくしゃみや鼻水、咳、全身の倦怠感が出てきます。これらは、感染した人のくしゃみなどで飛散するウイルスなどの病原体が、私たちの気道内に侵入し、増殖することから始まります。
発症するかどうかは、感染した人の生活環境や免疫力によるところも大きいとされます。風邪の感染力が最も強いのは症状が出て1日〜2日目。風邪を引いてしまった人は他人にうつさないように、引き始めこそ注意が必要です。
発症するかどうかは、感染した人の生活環境や免疫力によるところも大きいとされます。風邪の感染力が最も強いのは症状が出て1日〜2日目。風邪を引いてしまった人は他人にうつさないように、引き始めこそ注意が必要です。
風邪を引きやすい人の共通点は?
個人差はあるものの、免疫力が低下している人は風邪を発症しやすくなります。睡眠不足やストレス過多で免疫力は低下するので、生活リズムが整っていない人はこの時季こそ要注意。また、大人の免疫力は腸で7割がつくられるとされています。
腸には体の中の約70%の免疫物質が存在しているため、腸とつながる喉、食道、胃などの器官でブロックできなかったウイルスや細菌は最終的に腸に集まります。腸内環境を整えておくことは、免疫力アップにもなり、風邪の悪化を防ぐことにつながります。
また、運動量が少ない人も風邪を引きやすい傾向にあるようです。45分の運動を週5日行うグループと、週1回簡単なストレッチを45分行うグループに分けて1年間にわたって風邪の引きやすさを比較したところ、前者のグループが風邪を引く回数が少なく、後者は風邪を引くリスクが3倍も高くなった結果に。こういったデータからも、運動がいかに大切かを教えてくれます。
腸には体の中の約70%の免疫物質が存在しているため、腸とつながる喉、食道、胃などの器官でブロックできなかったウイルスや細菌は最終的に腸に集まります。腸内環境を整えておくことは、免疫力アップにもなり、風邪の悪化を防ぐことにつながります。
また、運動量が少ない人も風邪を引きやすい傾向にあるようです。45分の運動を週5日行うグループと、週1回簡単なストレッチを45分行うグループに分けて1年間にわたって風邪の引きやすさを比較したところ、前者のグループが風邪を引く回数が少なく、後者は風邪を引くリスクが3倍も高くなった結果に。こういったデータからも、運動がいかに大切かを教えてくれます。
- 寒さに負けない体を目指す!ゆらぎがちな冬のご自愛ケアキナリノ編集部
正しい手洗いうがいってどんなもの?
人が風邪を引く要因の多くは、手に付着したウイルスが鼻や口、目から体内に入ることからといわれています。いくら見た目がきれいな手でも病原性微生物が付着している可能性はあるので、手洗いうがいが重要になってきます。
しかし、実は正しい手洗いうがいをできていない人がほとんどなのだそう。今こそ正しい方法をしっかり身に付けましょう!
しかし、実は正しい手洗いうがいをできていない人がほとんどなのだそう。今こそ正しい方法をしっかり身に付けましょう!
正しい手洗い
①まずはしっかり石鹸液を泡立て、手のひらと甲を重ねて指〜甲をすり合わせるように洗う
②洗い忘れしやすい親指は、片手で握るようにして持ち、くるくると回しながら洗う
③手首も同様に、片手で握るようにして持ち、くるくると回しながら洗う
④流水でしっかり流す
⑤清潔なタオルやペーパータオルで拭いた後、消毒液をすり込む
②洗い忘れしやすい親指は、片手で握るようにして持ち、くるくると回しながら洗う
③手首も同様に、片手で握るようにして持ち、くるくると回しながら洗う
④流水でしっかり流す
⑤清潔なタオルやペーパータオルで拭いた後、消毒液をすり込む
正しいうがい
①うがい液を口に含み、頬の筋肉をしっかり動かしてグチュグチュした後とに吐き出す
②再度、うがい液を口に含み、上を向いて「オー」と15秒発声しながらうがいをする
③冷たいうがい液が温かくなってきたら吐き出す
口腔内が乾燥しているとそれだけでウイルスが侵入しやすくなるので、乾燥対策としてもうがいは必須。うがい液を使えば殺菌効果によって口腔や喉を清潔に保つことができ、その結果喉の粘膜機能も活性化され、口腔を介した感染予防や歯周病ケアにも役立ちます。
外から帰ったとき、空気が乾燥しているとき、食事の前後に取り入れるようにしましょう。
②再度、うがい液を口に含み、上を向いて「オー」と15秒発声しながらうがいをする
③冷たいうがい液が温かくなってきたら吐き出す
口腔内が乾燥しているとそれだけでウイルスが侵入しやすくなるので、乾燥対策としてもうがいは必須。うがい液を使えば殺菌効果によって口腔や喉を清潔に保つことができ、その結果喉の粘膜機能も活性化され、口腔を介した感染予防や歯周病ケアにも役立ちます。
外から帰ったとき、空気が乾燥しているとき、食事の前後に取り入れるようにしましょう。
意外と盲点! タオルに発生する菌について
手を洗った後に拭いたタオルには、洗い残したウイルスが付着していることが多く、また、タオル地が濡れていることで菌も繁殖しやすくなります。
風邪やインフルエンザが流行る時季は特に、自分が使ったタオルは自分専用にし、家族と共用しないことが大切です。バスタオルにもウイルスが付着しやすいので、その日使ったものは翌日に持ち越さないことがポイント。必ず1日で洗濯しましょう。秋冬の間は、タオルではなく使い捨てのペーパータオルを使うのも手段です。
風邪やインフルエンザが流行る時季は特に、自分が使ったタオルは自分専用にし、家族と共用しないことが大切です。バスタオルにもウイルスが付着しやすいので、その日使ったものは翌日に持ち越さないことがポイント。必ず1日で洗濯しましょう。秋冬の間は、タオルではなく使い捨てのペーパータオルを使うのも手段です。
日常生活でできる風邪予防
部屋の低温低湿にも気を付けて
秋冬になると部屋の空気が乾燥し、そこに暖房を使用するとさらに乾燥が加速します。ウイルスは湿度の高い状況では、すぐに地面に落下しますが、湿度が40%以下になるとウイルスの水分が蒸発して軽くなるため、落下速度がゆるやかに。そうすると、空気中にウイルスが浮遊し、伝播しやすくなります。
低温低湿こそウイルスが停滞して風邪を引きやすい状況をつくり出してしまうので、部屋の湿度の低下には十分に気を付けましょう。この時季は加湿器・空気清浄機を駆使して、賢く乗り切ることをおすすめします。
低温低湿こそウイルスが停滞して風邪を引きやすい状況をつくり出してしまうので、部屋の湿度の低下には十分に気を付けましょう。この時季は加湿器・空気清浄機を駆使して、賢く乗り切ることをおすすめします。
外出時に気をつけたい風邪対策
外に出るときはマスクを数枚持参するのがおすすめ。1日ずっと同じマスクを使うのではなく、食事の際に替える、人と会ったら替えるなど、こまめに使い捨てることが理想的。処分するときは外側の汚い部分を折って捨てるのも、ゴミ箱から感染を防ぐためのエチケットです。
喉を潤しておくことが予防につながるので、この時季は飴やガムを食べるのも風邪対策に。
また、外では手を洗えないシチュエーションが意外に多いので、自分用の手拭きシートや消毒ジェルを持ち歩くのもおすすめ。他人と使い回しすることで感染のリスクが高まるので、自分のものは自分だけで使うのを心がけて。
喉を潤しておくことが予防につながるので、この時季は飴やガムを食べるのも風邪対策に。
また、外では手を洗えないシチュエーションが意外に多いので、自分用の手拭きシートや消毒ジェルを持ち歩くのもおすすめ。他人と使い回しすることで感染のリスクが高まるので、自分のものは自分だけで使うのを心がけて。
毎日、水分補給をしっかり心がけて
冬は暑さで喉が渇くことが少ないため、水分補給を怠りがち。人間の体の約60%は水分で、夏も冬も関係なく汗や尿、便で体内から水分を排出します。水分補給の重要性は夏場と変わらないため、喉の粘膜を湿潤に保つためにも喉が渇いたから飲むのではなく、1時間に1回水分補給することをおすすめします。
また、冷たすぎる飲み物は体を冷やすので、常温のものを選びましょう。1日の水分量は男性2ℓ、女性1.8ℓが目安です。
夏の熱中症対策に用いられる「経口補水液」は体の水分を保持する働きがあるので、実は冬にも最適。日常の飲み物としてもおすすめです。味が濃くて飲みにくい人は、水で薄めて飲んでもOK。
また、冷たすぎる飲み物は体を冷やすので、常温のものを選びましょう。1日の水分量は男性2ℓ、女性1.8ℓが目安です。
夏の熱中症対策に用いられる「経口補水液」は体の水分を保持する働きがあるので、実は冬にも最適。日常の飲み物としてもおすすめです。味が濃くて飲みにくい人は、水で薄めて飲んでもOK。
緑茶が良いってホント?
昔から健康に良いとされ、日本人に愛されてきた緑茶。中に含まれる茶カテキンには、抗菌・抗ウイルス効果があり、口や喉に付着したウイルスから守る効果があるとされています。
緑茶に含まれるフラボノールは口臭予防効果が高く、これらの成分によって口腔内ケアにはとても有効な緑茶。ビタミンEやβカロテン、ビタミンKなど、健康成分が数多く含まれているので、冬場に部屋で飲むドリンクとしても緑茶を積極的に摂取することを心がけて。
緑茶に含まれるフラボノールは口臭予防効果が高く、これらの成分によって口腔内ケアにはとても有効な緑茶。ビタミンEやβカロテン、ビタミンKなど、健康成分が数多く含まれているので、冬場に部屋で飲むドリンクとしても緑茶を積極的に摂取することを心がけて。
就寝中でもできる風邪予防を取り入れて
就寝中は口腔内の唾液量が減り、鼻や喉の粘膜が乾きがちに。喉から風邪に感染する人の多い冬場には、マスクをして寝るのも立派な風邪予防につながります。ただし、肌荒れしやすい人は、肌触りが良く、通気性にも優れたガーゼマスクを着用するなど、素材選びにも気をつけて。
布団から出ている首や肩まわりは冷えやすいので、体温を下げないためにも、首まわりにタオルなどを巻いて寝るのもコツ。人は体温が下がると代謝活動が低下し、免疫を担う細胞の働きも低下。その結果、ウイルスへの抵抗力も下がるので、しっかり温めることが重要です。
また、就寝時に口腔内の雑菌は増えるので、朝起きたときに必ず歯を磨いてから水分などを摂ることで風邪引きリスクを下げることにもつながります。
布団から出ている首や肩まわりは冷えやすいので、体温を下げないためにも、首まわりにタオルなどを巻いて寝るのもコツ。人は体温が下がると代謝活動が低下し、免疫を担う細胞の働きも低下。その結果、ウイルスへの抵抗力も下がるので、しっかり温めることが重要です。
また、就寝時に口腔内の雑菌は増えるので、朝起きたときに必ず歯を磨いてから水分などを摂ることで風邪引きリスクを下げることにもつながります。
風邪を予防する免疫力UP食材
風邪を予防するには免疫機能を調整するビタミンDが欠かせません。冬の間にしっかりビタミンDを摂っていないとインフルエンザ発症率が高まるといわれるほど。骨を強くして腸管からのカルシウムの吸収も促してくれるビタミンDは、鮭・秋刀魚・キノコ・舞茸・卵などに含まれます。
また、粘膜の健康維持に役立つビタミンA、免疫力をアップさせる働きのあるビタミンC、抗酸化作用の高いビタミンEも同時に摂取するのが理想的。ビタミンAは人参、南瓜、ニラなど。ビタミンCはリンゴ、イチゴ、ブロッコリー、カリフラワーなど。ビタミンEはアーモンド、アボカド、モロヘイヤなどに豊富です。
また、粘膜の健康維持に役立つビタミンA、免疫力をアップさせる働きのあるビタミンC、抗酸化作用の高いビタミンEも同時に摂取するのが理想的。ビタミンAは人参、南瓜、ニラなど。ビタミンCはリンゴ、イチゴ、ブロッコリー、カリフラワーなど。ビタミンEはアーモンド、アボカド、モロヘイヤなどに豊富です。
免疫力をアップさせる簡単レシピ
ビタミンDの豊富なサバ缶とエリンギ、ビタミンA・Cの多いトマトを一緒に煮込んでさっぱり味のスープに。ここにもち麦を加えると腹持ちもアップ。
【他にもある!風邪予防レシピ】
■キノコをオリーブオイルで炒めた豆乳ポタージュ。
■イチゴやベリーをヨーグルトに入れ、バルサミコ酢を少量加えたデザート。
■イチゴやベリーをヨーグルトに入れ、バルサミコ酢を少量加えたデザート。
風邪予防に効く温活ドリンク
体温が1度下がると免疫力が30%落ちるといわれるように、風邪予防には体温を下げないことが大切です。自分の平熱が36度を切らないように日頃から温活を心がけましょう。
そこで、冬場の飲み物は、体を冷やさないものをチョイス。特におすすめは、体温上昇に役立つ生姜です。牛乳に生姜をおろしたものを入れ、蜂蜜を加えたら、体を温める生姜ミルクの完成! 市販のティーバッグなら簡単にジンジャーティーも作れるので、この時季は温活目的のドリンクを選びましょう。
そこで、冬場の飲み物は、体を冷やさないものをチョイス。特におすすめは、体温上昇に役立つ生姜です。牛乳に生姜をおろしたものを入れ、蜂蜜を加えたら、体を温める生姜ミルクの完成! 市販のティーバッグなら簡単にジンジャーティーも作れるので、この時季は温活目的のドリンクを選びましょう。
最後に
日常でできる風邪予防はいろいろありますが、まずは規則正しい生活が土台。そこに、先ほどお伝えした手洗いうがいや日常生活でできる風邪予防を取り入れて、風邪に強い体や環境を手に入れましょう。ストレスが多くても風邪を引きやすくなるので、精神的にリラックスできる冬時間をゆっくり過ごしてくださいね。
取材協力・監修
宮崎 郁子(みやざき いくこ)
東京国際クリニック副院長
医学博士
総合内科専門医
消化器病専門医
消化器内視鏡専門医
食生活アドバイザー
東京国際クリニック
※東京国際クリニックは人間ドック・検診・三大疾病予防で、
長期的な健康をサポートしてくれるクリニックです。
text/仁田ときこ
illustrator/Kayo Yamaguchi
宮崎 郁子(みやざき いくこ)
東京国際クリニック副院長
医学博士
総合内科専門医
消化器病専門医
消化器内視鏡専門医
食生活アドバイザー
東京国際クリニック
※東京国際クリニックは人間ドック・検診・三大疾病予防で、
長期的な健康をサポートしてくれるクリニックです。
text/仁田ときこ
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