緑が多い自然豊かな場所で吸い込む空気は、頭も体もリフレッシュしてくれて、気持ちまで前向きにしてくれますね。でも、普段私たちが過ごす場所は、大気汚染や花粉などの影響を多く受けていて、どうしても吸い込む「空気の質」にばかり関心を持ってしまいがちです。もちろん、空気の質も大切なことですが、今回は呼吸の仕方に目を向けて、「質のいい呼吸」を実現することで、自然豊かな場所での呼吸がもたらしてくれるような、体や脳、心の状態に近づけていきませんか?
普段何の気なしにしている呼吸によって、私たちの体が必要としている酸素が取り込まれます。
そしてエネルギーを作り出すのに使われると、今度は二酸化炭素ができて排出します。
ヒトや動物は生命エネルギーを生んでいくために呼吸が必要不可欠なもの。
「質のいい呼吸」とは、そんな体に必要な酸素をできるだけ多くきちんと取り込むということ。
そして、そのためには「深い呼吸に変える」ことが重要になってきます。
深い呼吸をすることによって、酸素をたくさん取り込むことができるようになると、体は健康になり、頭はスッキリして、心はポジティブになっていきます。
出典: 呼吸と同じく生きていく上で必要な食事によって取り込まれた栄養は、呼吸によって取り込まれた酸素によってエネルギーに変えられます。なので、栄養のある食事と深い呼吸による「質のいい呼吸」をすることによって、健康な体作りができるようになります。また、深い呼吸をすることで、血行がよくなり、肩こりや頭痛、冷え、美肌、お腹まわりがスッキリするといった効果が期待されます。
私たちの体の中で最も多く酸素を必要とする部分は「脳」と言われています。例えば、食事をした後に頭がボーッとして眠くなるのは、消化のために胃や腸に酸素が多く使われてしまうからなのです。深い呼吸による「質のいい呼吸」をすると、酸素がたくさん取り込まれるようになるので、脳にも十分に行き渡るようになり、頭の働きがハッキリしてきて、集中力が高まります。
また、リラックス効果を示す脳波「α波」が出やすくなって、芸術脳と言われる「右脳」が活性化します。すると、直感力が高まり、いいアイデアがひらめくようになります。
質のいい呼吸によって増えたα波は「幸せホルモン」と言われる「セロトニン」の分泌を盛んにしてくれます。セロトニンは、精神の安定や睡眠に深く関わっている神経伝達物質。リラックスした心の状態にしてくれるので、気持ちをポジティブにしてくれます。
出典:www.instagram.com(@receno.interior) また、セロトニンを材料にして作られる睡眠ホルモン、「メラトニン」が多くつくられるようになるので、良い睡眠につながります。こうやって良い循環によって、心の状態も健康になっていきます。
質のいい呼吸とは、深い呼吸をしているということ、つまり「腹式呼吸」を言います。では反対に浅い呼吸とは「胸式呼吸」を言い、緊張や疲れ、ストレスを感じているときになりやすい呼吸のパターンになります。そこで、あなたの呼吸の質をチェックしてみましょう。
目を閉じて、おへその周りに手を置きます。そして、普通に呼吸をしてみてください。そこで、お腹が出たり、へっこんだりして動いたら「腹式呼吸」、そしてお腹がほとんど動かなかったら「胸式呼吸」と判断します。
「胸式呼吸」は緊張や興奮をしている時、ストレスを感じている時、PCやスマホの操作をよくしている人に多いと言われています。
また、質のいい呼吸ができている人は鼻で空気を吸うので、この時は口は閉じています。「鼻」で空気を吸うと空気中の菌や異物から守ってくれて、また深くしっかりとした呼吸ができるようになります。空気を吸う時に口が開いている人は意識して閉じるようにしましょう。
質のいい呼吸のためにとりいれたいのが「腹式呼吸」。腹式の文字を見ると、お腹の中に空気を取り込むイメージを持ってしまいますが、でも実際は空気が入る場所は肺になります。ここで、上手に呼吸をするポイントは「横隔膜」です。
横隔膜とは、肋骨の5番、6番あたりに位置しする空気を吸う時に使われる大切な筋肉です。ドーム状に横たわる形をして、吸った時に横隔膜は収縮して、ぐっと下がります。この時に内蔵が下に押されてお腹が膨らんだように見えます。
そして、その時にできた胸郭というスペースには「肺」があって、そこに吸った空気が入ります。次に息を吐く時は同時に横隔膜がまた上に上がり、内蔵がまた元の位置に戻るので、お腹が引っ込むの繰り返しになります。なので、腹式呼吸はその横隔膜の上下運動が上手にできているかが大切になってきます。
やり方はとてもシンプルなのですが、意識して腹式呼吸をするとなると、案外難しいのかもしれません。そこで、初めての方でもやりやすいのが、平らな場所で寝転んで腹式呼吸をしてみる方法。この時、背骨がまっすぐになっている方がいいので、床の上など硬い場所に行う方がいいみたいです。
慣れてくると、あぐらの姿勢や椅子に座ったりしてやってみましょう。この時も背筋をピンと伸ばすことがポイント。イメージとしては、頭のてっぺんに太いヒモが出ていて、それを手で引き上げるように、背中を伸ばしてみましょう。
おへその下に両手をのせて、鼻からゆっくりと空気を吸っていきます。この時は口を閉じて、横隔膜を下げることをイメージしながら、手を当てた場所が膨らんでいるのを感じてみます。目安としては5秒くらいかけて、ゆっくりと自然の中のおいしい空気を吸っているイメージでやってみましょう。
出典: アロマキャンドルを焚きながらだと、さらにリラックス効果が高まりそうです。
今度は空気をゆっくりと吐き出していきます。この時に大切なのは吸った2倍の時間をかけて吐いていくこと。目安としては吸ったのが5秒とすると、10秒かけて空気を吐くといったイメージです。そして、吐く時は鼻でも口でもいいのですが、口からの場合はストローをくわえるくらいに開けて、ゆっくりと空気を出すようようにしていきましょう。
心も体もリラックスできるまでが「腹式呼吸」を行う最適の時間のように思います。少しの時間でもいいので、毎日コツコツと続けていくと、それが習慣になってきます。忙しい毎日の中、時間がなかなかとれない方でも、寝る前の5分だけでも時間をとってみるようにしてみましょう。
基本的な腹式呼吸のやり方をご紹介します。こちらではあぐらの姿勢ですが、基本は背骨をまっすぐ伸ばして、吸うを1、吐くを2の割合で、横隔膜の部分を意識して呼吸の練習をしてみましょう。
「丹田」とは東洋医学で使われる言葉で、おへそと肛門の中間点にあり、おへそから5cm(指3本分くらい)下から、背骨に向かって5cmに奥にある場所のことを言います。体幹部分にある丹田は「気力が集まるところ」として、その部分を軸にした呼吸をすることを「丹田呼吸法」といいます。健康な体や強い精神力をもたらしてくれるようになります。
仕事や恋愛、人間関係など、毎日の生活の中であなたの思い通りにならないことがたくさんあると思います。ですが、そんな不安やストレスの中でどんどんと私らしさを失ってしまうのはもったいない気がしませんか?取り囲む環境が思い通りにならなくても、好きな時間に、好きな場所で、唯一あなたが思い通りにできること、それが「深い呼吸」です。心にも体にもいい酸素をいっぱい吸い込んで、ネガティブな思いはゆっくりと吐き出す。それを習慣化していけば、きっとあなたの人生の満足度も幸福度も上がるかもしれませんね。
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深い呼吸をすることによって、酸素をたくさん取り込むことができるようになると、体は健康になり、頭はスッキリして、心はポジティブになっていきます。