“いりごま”と“すりごま”、どちらがお好きですか?
また、ごまは料理にふりかけるだけでなく、たれにしたり衣にしたりといった楽しみ方もできますし、ねりごまやごま油といった加工品を組み合わせれば、使い方はまさに無限大です。
まずはごまの種類や特長、美味しさを最大限に活かすためのコツについて詳しく見てみましょう。
ごまのアレコレ豆知識
ごまの色で味は違う?
世界各地で生産されている、もっともポプュラーなごま。色白で風味がマイルドなので、食材の持ち味を活かしたい料理に向いています。黒ごまに比べるとやや油分が多く、ごま油の原料としても使われます。
白ごまよりも香りが強くてコクがあり、春菊のような癖のある野菜とも好相性です。ただし種皮が固いので、たくさん食べたい時は適度に擦って使うのが一般的。ごまらしい濃厚な香りを活かしたあんやプリンなどのスイーツにもよく使われます。
白ごま、黒ごまよりも脂質が高く、黄金色をした希少なごま。香りとコクが特に豊かで、高級品として扱われるため価格も高めです。近年では日本国内での栽培も増えているのだとか。
相性の良い食材は?
ごまのタンパク質は、大豆のタンパク質と組み合わせるとお互いの不足している必須アミノ酸を補助しあう性質があり、栄養価がさらにアップすることが知られています。必須アミノ酸は、細胞の生理代謝や肝臓機能の安定、血中コレステロールの調整にも欠かせない成分です。ぜひ豆腐や豆乳、味噌などと一緒にごまを使ってみましょう。
加工の仕方もいろいろ
いりごま
市販されているいりごまは、生のごまを水洗いしてあらかじめ煎ってあるものです。生ごまが手に入った場合は家庭で炒って使いますが、いりごまも使う前にもう一度軽く炒ると香りが立ってさらに美味しくなります。
すりごま
いりごまを擦ったすりごまは、固い外皮を砕いているぶん香りが立ちやすくなります。また、ごまは粒が小さすぎてきちんと噛み砕けないことも多いですが、すりごまは皮が擂り潰されているので消化が良く、栄養面でもメリットがあります。
ねりごま
ごまを擦り続けると油分が出て、とろりとしたペースト状になります。粒のまま食べるよりも一度にたくさんのごまを摂ることができるねりごまは、消化吸収も抜群。なめらかな舌触りで、たれやスープに溶かしても使いやすいのが特長です。
ごま油
ごまを圧搾することで出来るごま油は、ビタミンやミネラルを豊富に含んでいます。よく目にする茶褐色のごま油は、ごまを焙煎してから搾った「焙煎油」。焙煎せず生のまま搾った油は、旨味は濃厚ですが無色に近く、香りも淡い「太白ごま油」と呼ばれます。ごまの香りを活かしたい場合は焙煎油を、食材の色や風味を邪魔したくない場合は太白ごま油を選ぶなど、用途に合わせて使い分けてみて下さい。
ぷちっと弾けると途端に豊かな香りがあふれるごまは、毎日の料理からお菓子まで幅広く活躍するお馴染みの食材ですよね。でも、つぶつぶの食感が楽しい“いりごま”と、より濃厚な香りが魅力の“すりごま”を上手に使い分けると、ごまの栄養価や美味しさはさらにアップします。