もっと取り入れよう!乾物のチカラ
どの家庭にも必ずあるといっていい「乾物」。「出汁や副材料にはなるけど、メインにはちょっと」「ちょっと地味な食材…」なんて思っていませんか? つい、いつも同じ使い方をしてしまいがちですが、実は乾物は、生のままでは味わえない旨味や食感があり、体に嬉しい栄養素が増す効果もあるのです。素材の特色をうまく引き出して、多彩なお料理にいかしてみませんか?
乾物のメリット(1)保存性を高める
食材は、基本的に収穫された瞬間からどんどん"腐敗"へと進んでいきます。冷蔵・冷凍の技術がなかった時代に、貴重な食品を長期間食べるための工夫のひとつが、水分を抜いて乾燥させることでした。私達の主食である「お米」や、パスタや蕎麦などの「乾麺」も乾物の一種です。
乾物のメリット(2)うま味や栄養素がアップ!
乾物の中には、生のものよりも旨味が増すものが多くあります。水分が抜けることによって旨味が凝縮されたり、乾燥する過程で旨味成分であるグルタミン酸やイノシン酸などのアミノ酸が増加することなどが、その理由だと言われます。その他ビタミンやカルシウム、植物繊維なども乾物にすることにより凝縮され、効率的に摂ることができると言われています。
1.海の乾物(ひじき、昆布、桜えびなど)のレシピいろいろ
水分がたっぷりの海の幸は、乾燥させることで保存性が高まり、収穫後時間が経っても、海から離れた場所でも食べられるようになりました。ひじきや昆布、わかめ、海苔、寒天といった海藻類や、スルメや桜えび、干し貝柱といったの魚介類など種類も豊富。冷凍・冷蔵技術が普及した現代でも、生にはない食感や旨味、栄養価の高さなど、乾物にしかないメリットはたくさんあります。
レンコンとひじきの山椒炒め煮
ホタテとニンジンの炊き込みご飯
鯛の昆布締め
がごめ昆布とろろのオイルおにぎり
ジャガイモと桜エビのガレット
2.山の乾物(切干大根、干ししいたけなど)のレシピいろいろ
干し大根や干しいもなどの野菜や、干ししいたけやきくらげといったきのこ類も乾物に適した食材です。特に大根は、切り干し大根などにするだけでなく、漬物にする際も一旦乾燥させて使いますよね。また、家庭でも手軽に作れるのが「干し野菜」。軽く水分を飛ばすだけでも味や食感が変わります。ぜひ試してみてくださいね。
切り干し大根とツナ塩昆布の無限サラダ
干し椎茸の煮物
牛肉ときくらげのオイスター炒め
干し芋エッグパイ
干し野菜で作る簡単グラタン
3.加工品の乾物(高野豆腐、お麩、はるさめなど)のレシピいろいろ
食材そのままではなく、調理・加工したものを乾燥させた乾物もあります。大豆が原料の高野豆腐や湯葉、緑豆などのでんぷんが原料の春雨、小麦粉が原料の麸などが代表的。小麦や蕎麦を粉にして可能させた乾麺も乾物の一種。調理法や味付け次第で、いろいろなレシピに使えます。
湯葉のかき揚げ
湯葉シュウマイ
高野豆腐の肉詰め煮
味付け簡単はるさみんチャンプルー
ふんわりお麩バーグ
お麩でオニオングラタンスープ
まとめ
さまざまな乾物の種類と、乾物を活用して作るさまざまなレシピをご紹介しました。長期間常備できて、戻せばいつでもお料理に使える乾物。「あと一品」がほしいときや、お料理に食べごたえや旨味をつけ加えたいときに役立つ頼もしい存在です。身近にある乾物を、毎日のレシピにもっと活用してみてはいかがでしょうか?
縄文時代から食されていた痕跡が残っている海藻の一つが「ひじき」。カルシウム、食物繊維、マグネシウムなどを多く含むので、ぜひたくさん摂りたい食材です。シャキシャキ食感のレンコンと炒めあわせ、山椒の香りと辛味を加えることでクセになるおいしさに。