しかし、投稿されている写真を見ていると、今のインテリアに上手く骨董を取り入れている方が多く、意外にしっくり馴染んでいる様子がうかがえます。今回は初心者さんでもすぐに始めたくなるような、骨董の魅力から、取り入れ方、実際に素敵な「#骨董のある暮らし」などをご紹介していきますね。
そもそも骨董の概念って?
骨董とは?①「骨董と呼ぶのに必要な2つの性質」
骨董とは?②「誤解が多かった骨董のイメージ」
思わず欲しくなる骨董の魅力とは?
ここでは、骨董好きの人がおそらく抱いている共通の魅力を少しだけお伝えしたいと思います。
骨董の魅力①「全てが一点ものである」
骨董の魅力②「現代にはないデザインや機能がある」
昔に作られたものには、そういった愛情やぬくもりが感じられるようなデザインや作りのものが多いのも魅力のひとつかもしれません。
イスやデスクなど備品が無機質なイメージがある病院で、昔使われていたドクターチェアです。刺繍が施されたベルベットの布張りや、個性的かつ機能性のあるデザインは骨董ならではですね。
骨董の魅力③「上質な材料としっかりした作り」
それでもこのように現代の私たちの目の前に美しい姿で残り続けているのは、無名でありながらも昔の職人さんが上質な材料を使ってコツコツと作り上げていたからだと思います。
そしてそんな思いがこもった品々を大切に扱い、それがまた私たちの子供や孫まで引き継がれるかと思うとなんだかロマンを感じます。
陶器や磁器はちょっとした不注意でも割れてしまうデリケートなもの。そして木製の家具も長い期間に腐食やぐらつきなどが目立ってきます。それでもきれいに残っているのは素材の良さやていねいな作りはもちろん、大切に使われてきたことも意味しています。
骨董の魅力④「ノスタルジックな気持ちにしてくれる」
戦前から戦後にかけて物が不足していた時代の人は、物を大切に長く使っていました。
そういった昔のお家にあふれていたような古いものを目にすると、ノスタルジックな気持ちになって心がほっと和む人も多いような気がします。
今は時間もスマホで見る時代ですが、昔はそのためだけにこんな大きな時計を掛けていました。時計の針でごはんやおやつの時間はまだかなって確認した子供の頃。そんなワクワクした気持ちを思い出したりして心があたたかくなります。
暮らしに骨董を。上手な取り入れ方とは?
骨董の良さはわかったけれど、それでも古いものは今流行のインテリアに合わない、古臭いといったイメージが拭いきれない部分もあるかもしれませんが、ここからは骨董の選び方や飾り方、活かし方といろんな角度でご紹介していこうと思います。暮らしの中に気軽に「骨董」を取り入れたい方へ、ひとつでも何かヒントが見つかったら是非ともご活用くださいね。
骨董の取り入れ方①「買える範囲から始めてみる」
神社やお寺、公園など屋外で定期的に開催される骨董市に行くと、お皿や箸置き、本や布のハギレなら数百円から買うことができます。まずはお財布に無理のない骨董から始めてみましょう。
骨董の取り入れ方②「直感を信じる」
骨董は全て一点ものだから「一期一会」の気持ちを忘れないことも大切になってきます。
ピンときた骨董に出会ったらその気持ちを思い出して、後悔のないように直感を信じてみましょう。
目にした瞬間、手に触れた瞬間に感じる「これ好き!」といった直感はもしかしたら一番正しい「好き」かもしれません。
そうした出会いがあるのも「骨董」の楽しいところです。
骨董の取り入れ方③「別の使い方で骨董を楽しむ」
例えば陶器の火鉢をワインクーラーや鉢カバーにしていたり、漁師が使っていた魚籠(びく)をゴミ箱にしたり、テーブルコーディネートに朱塗りの膳を使ったりと、洋風のインテリアにオリエンタルなエッセンスを加えるような使い方をしていてとても参考になります。
いろいろ工夫して、今の暮らしに骨董を溶け込ませてみるのも素敵ですね。
今では使うことのない火鉢に植物を生けると、元々そうだったように見えるから不思議ですね。もちろん洋風のインテリアにも馴染みます。
骨董の取り入れ方④「全体のハーモニーを意識する」
少し難しいように思いますが、例えば色合いをそろえる、味わいをそろえるといったことを意識するだけでも印象がとても良くなります。
このようにしながら美意識や豊かな感性を磨いていけるのも「骨董」の素晴らしさかもしれません。
骨董の取り入れ方⑤「配置を意識する」
でもこれも難しく考える必要はありません。何個も何個も並べるのではなく、骨董の周りに余白を作る置き方だけで十分です。せっかくの風格を活かすために必要最低限の置き方を意識してみましょう。
小さなスペースでもいいので、骨董を飾る場所があると生活にちょっとした緊張感が生まれて面白いです。
真似してみたい素敵な「#骨董のある暮らし」
骨董のある暮らし①「草花を生ける」
お皿や茶碗、湯のみなどの食器類であったり、可愛い形の置物であったりといろいろですが、水漏れなどの心配がないのならばそれを花器にしてみるのもおすすめ。
お庭やべランダで咲いたお花をちょこっと挿すだけで、骨董の古さと草花の新鮮さが相まって特別な空間を演出してくれます。
こちらは元々土瓶のようですが、可憐な山野草を生けると素敵な花器に早変わりです。
菜の花を挿した陶器を飴色になったお盆の上にのせて飾ったもの。異素材使いがとても素敵で、お部屋のいろんな場所に置いて小さな骨董の世界を楽しむことができます。
骨董のある暮らし②「食卓で実際に使ってみる」
和風のイメージがある骨董なので、のせるお料理も限定されるかもと思ってしまいますが、和食だけではなくパスタやスイーツなども実はとても素敵に盛り付けができます。
かしこまらずに無造作に和と洋、古いものと新しいものを組み合わせてみると不思議とくつろぎの感覚が生まれてきます。
パウンドケーキをのせた古伊万里はケーキ皿にちょうどいいサイズです。ティーポット代りに南部鉄器の茶瓶を使って心が和みます。
洋食の定番オムライスも骨董のお皿に盛り付けると大人っぽい食卓になります。食器の色合いを統一させることでとてもスッキリしたテーブルコーディネートができます。
いつもの朝食に骨董を使うとリッチな気分で朝を迎えられそうです。
おもてなしのテーブルにもぴったりです。器一つ一つの模様や表情が違うので、会話も弾みそうですね。
ビビッドなテーブルクロスを敷いて和洋折衷なテーブルコーディネートにしています。骨董の渋さを引き立てる素敵な演出ですね。
骨董のある暮らし③「暮らしに溶け込ませる」
南部鉄器の鉄瓶も実用できる古道具。欧米人にも人気のアイテムで海外のインテリア雑誌でもよく目にします。置いておくだけで絵になりますね。
骨董のある暮らしで新しい感性を発見しましょう。
まずは「骨董のある暮らし」の最初の一歩として、近くで開催されている骨董市などに出向いてみて実際に骨董に触れてみることをおすすめします。
そして「これ」と思った骨董を一つ買ってみて、今のインテリアに合った飾り方や使い方などいろいろと工夫してみましょう。
そうしていくうちにもしかしたら今までなかった感性を発見できるかもしれません。
できる範囲で是非とも挑戦してみてくださいね。
「骨董」と呼ぶのに必要なのは、あくまでも「古いこと」と「希少性」という2つの性質があるということ。古くて希少性のあるものなら、食器や文房具といった日用品や貴金属や宝石を使った装飾品、本や衣類、家具など私たちが目にするもの全てが「骨董」となるのです。フランス語では「アンティーク」とも言われますが、日本と欧米では少しその基準が違います。それはアメリカで定められた通称関税法という法律が関係していて、製造されてから100年以上経ったものには関税がかからないというもの。
骨董(アンティーク)の定義は100年以上経過したものといわれるのもそのためです。それよりも時代に関係なく、その2つの性質だけを参考に選んでいくと案外簡単なのかもしれません。