北欧デザインは色彩豊かで、原色からナチュラルカラー、グレートーンまである意味ひと通りの色が取り揃えられていて、小物雑貨やテキスタイルなど、個人の好みによってそのイメージもさまざまです。

デザイン性としてひとつ特徴を挙げるなら、「普遍的」であることは北欧デザインの根底にあるように感じます。普遍的なデザイン、という抽象的な表現は（少し乱暴に）言い方を変えれば「誰が見ても抱く感想がほぼ同じ」ということ。言語化できるときもあれば、しっくりくる言い方が見つからないときもある。だからみんな「普遍的なデザイン」という言葉で表している。

そんな普遍的なデザインが多々ある北欧家具。ヴィンテージをイメージされる方もいると思いますが、選び出すととてもとても深い沼に陥ります。なので今回は、ヴィンテージにはちょっとハードルを感じる方へ向けたご紹介。現行品でも選択肢はたくさんあります。あなたのお部屋でいつも使っているそのテーブル、思い切って北欧家具に変えちゃうのはどうでしょう。

じゃあ北欧家具の、何にするか（ヴィンテージじゃなくて現行品で）……と迷っている方にまず紹介しているのは、Artekの90Bテーブルというちょっと小ぶりな円形テーブルです。

もっと大きな家具が置けるのであればほかのでもいいけど、もしまだお部屋の完成図が見えてないのであれば、今後メインでもサブでも使える、決して誰が使っても1wayな使い方にならない「直径75cm」というサイズ感のテーブルがとてもおすすめです。

「Artekの家具」で全員が一番に思い浮かぶのは、stool60だと思います（思い浮かばない人も、そう言っておけば大丈夫）。無限にスタッキングのできる構造、発売から90年で少しも変わった箇所のないデザイン。ブランドを代表するプロダクトである「stool60」に、実は90Bテーブルってそっくりなんです。

まるでstool60がそのまま大きくなったようなシルエットは3本脚で自立するギリギリのサイズ感。3本脚だからこそテーブルに入る向きの多様性が生まれ、置く場所に合わせた使い方が可能。そしてなにより、3本脚の丸テーブルって抜群に可愛い。

haluta別注のグレーカラー。これは初心者の人でも取り入れやすいスタンダードカラーだと思って選びました。もしもっと濃い色を取り入れたい人は、椅子でもクロスでも、別のアイテムでこのテーブルの周りに取り入れるとバランスがよいかなと思います。少し薄くて、光の当たり方によってはほぼ白に見えるときもあるこのニュアンスカラーなペールグレーは、どんな色柄物でも寄り添ってくれます。

1人暮らしや、2人暮らしでちょっと狭めなお部屋ならメインテーブルとして。2人以上で暮らしていたり、少し余裕がある間取りのお部屋なら、ダイニングテーブルとは別のサブテーブルやデスクに、キッチンの近くに置くのもおすすめ。

朝食をささっと食べる場所として、片付ける前にちょっと置いておきたいものを出しておく場所として。ここにあれば便利、ってところにおいて自由に使ってみてください。

そしてこれが一番大事なことで。
住む場所が変わったり、模様替えしたり、誰かと暮らし始めたり。環境が変わって、もし使わなくなったり邪魔になったりしたときは、脚を外して納戸の中にでも入れちゃってください。直径75cmっていうのは、これができるギリギリのサイズでもあると思うのです。メインじゃなくても使えるからこそ、使わなくなるのはきっと一時的なことで、自分の好みと合わなくなるのもきっと一時的なこと。

なんでかって、そりゃ「90Bテーブル」が普遍的なデザインだから、またきっと使いたくなる出番がくるテーブルなのです。だから最初に買っても大丈夫。一番のおすすめポイントは、こうやって一生使っていく気にしてくれるところです。