出典: 私たちの食生活に欠くことができない【お箸】。
ふだんの食事に使うものにはじまり、菜箸、取り箸、盛り付け用まで、役割もさまざまですが、
今回は【My Best お箸】として、ふだん使いのお箸をピックアップ。
素材・色・カタチ、コダワリまで、お箸の個性ごとにご紹介しましょう。
出典: 江戸年間以降、わが国では、使うひとのからだの大きさにあったお箸のサイズを「一咫半(ひとあたはん)」としてきました。※画像は東屋『木箸』(後出)。
一咫半とは。↓↓
利き手の親指と人差し指で直角にした時、人差指と親指を結んだ対角線の長さを
一咫と言います。そして、この長さの1.5倍である一咫半が最も持ちやすい長さと
されています。
使いやすいお箸のサイズは人それぞれ。必ずしも「一咫半」とは限らない・・・
ある程度使いこなせる方はお好みで一咫半よりも長かったり、
短いお箸をご利用になられている方もいらっしゃいます。
軽いお箸を好む人、重たいのがいい人。素材による“軽さ”“重さ”は。
軽いお箸は手や指に負担を掛けず扱いやすく、長時間使用していても疲れにくいという特徴がございます。代表的な木地として竹・ヒバ・ひのきなどがあり、お箸にもよく使用されます。軽いのでお箸の重さを感じたくない方にオススメです。
重いお箸は固く、丈夫であるという特徴があります。 黒檀や紫檀、特に重量感があるのは青黒檀・蛇紋木という木地で、これらは建築材や家具や仏具、楽器等にも使用され、非常に耐久性に優れた素材です。重いお箸はしっかりと手に持った感触を楽しみたい方に向いています。
出典: 今や希少な木材となっている黒檀を、輪島塗の木地屋さん「四十沢(あいざわ)木材工芸」の職人が削り、磨きあげた無塗装のお箸です。
出典: 南アジアからアフリカにかけて分布する黒檀は、ピアノの黒鍵(エボニー)や仏壇仏具に使われる強く硬い木として知られます。
上部は角ばった丸形で転がりにくく、箸先はほっそりしながら丸みを帯びて。全長:23.5㎝。幅:約7mm角。
出典: きりっと端正な八角形のフォルムが、指のふくらみや関節にきめこまかくなじんでくれます。素材は左から、けやき、紫檀、縞黒檀。
手にしてみると驚くほど軽く、手触りは滑らか。箸同士が触れると、引き締まった木特有の澄み切ったよい音がします。どの面を持っても違和感がなく指にピタッと安定。箸先はざらつきのある表面加工が施されているので、滑りやすい豆や麺類、小さなご飯粒までしっかりととらえることができる、使い勝手のよい箸です。
出典: 箸先にはおかずを逃がさないための表面加工(ざらざら)が施されて。全長:23.5cm、ポリエステル樹脂塗装。
出典: 素材は、東南アジアに産出する鉄木(てつぼく)。丈夫で耐水性に優れ、幹は密度が高く重みがあるため、長く使っても箸先が丸くならないのがポイントです。
江戸木箸は、世界の木材の中で最も硬い木「鉄木」で作られているので、丈夫で耐水性にも優れています。 東南アジアでは、風物詩の水上家屋や桟橋等に使われている材料です。 無駄な力がいらない細さで、お箸では掴みにくいものも掴みやすく、 人体に悪影響を及ぼす成分を含まないので安心して使うことができます。
出典: 左から面に沿って指の力を箸に伝えられる『四角』、指が面にフィットしやすい『三角』、中心が太みを帯びる独特なカタチが手になじみやすい『利休』。全長:23.5㎝。植物性オイル仕上げ。
色鉛筆のような六角形のお箸|箸蔵まつかん『 カラースティック』
出典: 塗り箸の名産地・福井県小浜市の老舗「箸蔵まつかん」製の六角箸。6面のうち3面を異なる色で彩られたお箸たち、別名『色鉛筆箸』。食卓を明るくしてくれるだけでなく、六角形ならではの握りやすさと滑りにくさを併せもっています。
出典: 全長:23cm。アクリルウレタン樹脂塗装。カラーの組み合わせは画像をご参考に。
出典: 竹工芸の老舗「公長齋小菅(こうちょうさいこすが)」が明治年間の創業以来作り続けてきた『みやこ箸』。竹の細い箸先は細かいおかずも逃しにくくなっています。
出典: カラー別に家族のお箸としても。孟宗竹にウレタン塗装仕上げ。全長:22.5cm。
木と益子の伝統釉のモダンなコントラスト|『益子箸』
出典: 持ち代は、福井県小浜市の職人が、益子焼の伝統的な釉薬(画像:上から、糠白釉・黒釉・青磁釉・飴釉)をモチーフに、掛け分け※の技法でつくりました。※ 色の違う釉薬を掛け分けること。
出典: 箸先のざらざらした感触は滑り止め効果があります。全長:23㎝。
陶芸のワザがモチーフ。土もの(陶器のうつわ)と好相性
出典: 小鹿田焼や波佐見焼などでおなじみの飛び鉋(かんな)。近年、テキスタイルデザインなどのモチーフにも使われる人気ですが、お箸にも登場しています。全長:21/23cm。ウレタン/漆塗装。
■飛び鉋(とびかんな)・・・工具の刃先を使って、連続した削り目をつける技法。ロクロで回転させた陶器に刃先をあてると、工具が土を削って弾かれます。この繰り返しによって連続した模様を描いていきます。
出典: ヘラや鉋(かんな)を使い、素地の表面を削ってうねうねとした稜線文様を作る信楽焼の〈しのぎ技法〉と木のコントラストが和モダンな印象。青・白・茶の3種。。削り跡が手指にフィットするのも◎。全長:22.5㎝。
4.洋のカトラリーと調和。【シルバーニュアンス】のお箸
“現代の長さ”にも特色が。|『STIIK(スティック)』
出典: 和・洋、多彩なお料理が食卓をにぎわすお宅なら、カトラリーの調和を図ってみてもいい。
シルバーのフォークやナイフ、スプーンなど、洋のカトラリーにもなじむお箸を、と2年の歳月を費やして誕生した『STIIK(スティック)』は鷲見栄児氏デザイン。細く滑りにくい箸先は細かなおかずをしっかりとらえてくれます。
全長:26cm!「一咫半(ひとあたはん)」に異論を唱えた点がユニーク。
出典: 26cmの長さは、男性にも使いやすさを実感できるのでは。
素材:孟宗竹。表面塗装:ウレタン樹脂。
机や椅子のサイズも高くなっているのに、毎日使う箸の主流サイズは未だに
江戸時代止まり。
そこで、現代人にあわせたこれからの箸のスタンダードとなりうる寸法として、
「現代人にとっての一咫半=26cm」 に気がつきました。
食べた時の美しさと、用途に耐えうる強さの両方がこの寸法を生み出しているんです。
すっと手に馴染み、食材をつかみやすい程よいグリップ感。
細く伸びた箸先は、魚の身をほぐすのが楽しくなっちゃうくらい。
出典: グレーの濃淡3種があります。こちらはチャコールグレー。
出典: Made by クチポール|Cutipol『GOA/ゴア チョップスティック』
出典: ポルトガルが生んだ世界的ブランド「クチポール」社のカトラリーの中でも、日本で最も愛されている『ゴア』(ブラック&シルバー)シリーズのお箸。食卓に洋のカトラリーとお箸が登場することが多い方に。※食洗機OK。
出典: 18-10ステンレス×樹脂製のマットな質感は和の食卓にも調和。
全長:およそ22.2cm。重さ:およそ28g(やや重たい)。
出典: 『ゴア』シリーズのカトラリーをお持ちならぜひ揃えたい♪
素材は日本三大美林の一つ〈青森ヒバ〉|『ヒバくびれ箸』
出典: 素材は、抗菌、防虫、消臭効果で知られるヒノキチオールを含む青森ヒバ。
出典: 一点一点、職人の手によって削り出されています。お食事のたびに、うっすらと木の香りが漂って。“くびれ”は、手になじみ、滑りにくくするための工夫。全長:23㎝。
細く鋭い箸先は“つるつる”も逃さない。|東屋『竹箸』
出典: 真竹を丹念に割き、削り…奈良県生駒市に拠点を置く茶道具職人・影林則昭さんの工房でつくられた無塗装の竹箸。
出典: 節のない『無節(ふしなし)』(画像:左)と箸頭に節のある『元節(もとふし)』(同:右)の2タイプあり。
『無節』:7cm四方/全長:23.7cm/一膳の重さ9g。『元節』:8cm四方/全長:23.7cm/一膳の重さ10g
出典: 細く鋭い箸先はこまかいものやつるつるした麺類も確実にキャッチしてくれます。
ふだん使いにも、来客用にも。吉野杉|中川政七商店『利休箸』
出典: 始まりは千利休がお客のもてなしのために吉野杉を削ってつくったと伝えられる〈利休箸〉。千利休さんと同じく吉野杉が素材で、熱で滅菌した間伐材からつくられたエコ商品です。10膳入り。全長:24㎝。
出典: お客さま用にと購入し、軽さと使い心地が気に入ってふだん使いに…そんな声も。
竹箸専業メーカーと越前漆器のコラボ |中川政七商店『THE 箸』
出典: 日本古来の箸の素材が竹だったことから、しなやかで強度のある竹にこだわり、湿気を帯びやすいという欠点を克服するために漆で仕上げた『THE 箸』。熊本県北部にある南関町の竹箸専門メーカー、ヤマチクが削り出した箸を、越前漆器の老舗・漆琳堂が1本1本、刷毛を使って塗っています。
出典: 全長:23㎝。
※切り欠きによって、正しい向きがすぐわかる。↓↓
実は竹の箸は、材質として強度がある表皮側が正面として作られていて、左右の正しい向きが存在します。表皮を正面にして方向を揃えると、二本一組の箸の間が隙間なく収まり、食材を扱いやすいようにデザインされているのです。そこで、表皮側の天面に少しだけ切り欠きを入れることで、正しい向きがすぐに分かるようにしました。
手掛けたのは、越前漆器の老舗。|漆琳堂/しつりんどう『aisomo cosomo』
出典: 箸頭が塗り分けられた漆のお箸は、1793(寛政5)年創業・越前漆器の老舗・漆琳堂(しつりんどう)が手掛けたもの。お客さま用も◎ですが、ご飯やおかずを口に運ぶ時の優雅な感触は漆塗りならでは。大切にふだん使いしては。
出典: 色の組み合わせは、オレンジ×オリーブ、ベージュ×ピンク、モスグリーン×オレンジ、オリーブ×モスグリーン、レッド×ベージュ、溜×オレンジの6種。全長:22.5㎝。
コロコロ転がらない+本漆♪|graf(グラフ)『三角箸』
出典: 大阪を拠点に・空間~グラフィックからアートまで横断的なクリエイティブ活動を行う「graf (グラフ)」が手掛けました。断面が三角に整えられ、箸先は四角く細く仕上げられています。箸頭・三角形の一辺:約8mm。先端:約2mm。
出典: 三角フォルムの長所は、食卓の上で転がらないこと。手指にフィットしてストレスがかかりにくい点も◎。
箸頭は『赤』と『黒』。全長:23.5㎝と18㎝の2種。お子さんの〈my first お箸〉として、家族で揃えても。素材:ニューギニア産マラス材。本漆仕上げ。
ただし、入れっぱなしは変形のモト。乾いたら、すぐに食器棚にしまおう。
丈夫な積層材が、最も細いお箸を実現。|『秋田の極細箸/墨味(すみあじ)』
出典: 箸頭(はしがしら。箸の頭部)の直径は、お箸の中では一番細い5mm。素材は北海道産カバノキの積層材。1.5mmの板に熱硬化樹脂を含浸させ、重ねて熱圧プレスし、 防水性と耐久性を高めています。表面は植物性の蝋による仕上げ。華奢なフォルムは、持つひとの手指まで美しく見せてくれそう。
先端も細いので、魚の骨を取ったり、身をほぐしたりもしやすいですよ!
出典: 2種あり。画像上:『朱面(あかも)』。同下:茶が勝った陰影のある黒の『墨味』。全長:23.5㎝。
削り跡が手指になじむ。|箸蔵(はしくら)まつかん『削り』
出典: マカンバの積層材を圧縮加工し、若狭塗の老舗「箸蔵(はしくら)まつかん」によるアクリルウレタン樹脂塗装によって控えめな艶を出したお箸。色は赤(全長:21㎝)と黒(同・23㎝)。
出典: 箸先には滑り止め加工が施され、お豆も上手にキャッチ!
お箸は親指・人差し指・中指の3本で上のお箸を持ちます。 下のお箸は親指の付け根に挟み、薬指の第一関節あたりで支えます。・・・
所作が美しいひとはより素敵に見える。マナーも再確認♪
テーブルを囲んで楽しい食事。そんな時、無意識に同席している相手に不快な思いをさせていないでしょうか。日本の食文化には、「嫌い箸」「禁じ箸」「忌み箸(いみばし)」と呼ばれる箸のマナー違反があります。大人の常識として、ここでおさらいしておきましょう。
いつもそばに置きたい。ふだん使いの【My best お箸】
筆者は身長:164㎝。比して手は小さめ。「一咫半(ひとあたはん)」を計ると、フィットするお箸の長さは22cmで、そうなんだ、と食器棚に数本あった22㎝のお箸を試してみたら、確かに使いやすかったです。が、ふだん使いのお気に入りは全長25㎝と長め。そんなケースも少なくないそう。ただ、「一咫半(ひとあたはん)」は自分に合うお箸を探すための1つの目安ですから、いま使っているお箸がイマイチ、と感じている方は、さらなるフィットを求めて、一度計ってみるのもおすすめです。もちろん、お箸の質感や色合いも大切だし、おかずをキャッチしやすいかどうかも気になる…。使い心地だけでなく、好みも反映させたふだん使いの【My Best お箸】を見つけてはいかが?
日本の食文化に欠かせず、食を口へ運ぶことで命をつなぐ“かけハシ”にもなっている箸。身近にあることがあまりにも当たり前になっているものですが、1年に1度はその存在にもっと注目してみませんか?「箸の日」を記念して、箸にまつわる豆情報をお届けします。
日本人の食事には欠かせない「お箸」。毎日使うものなのに、なんとなく選んでしまっていることが多いような気がしませんか。そこで今回は、シーンに合わせて揃えたいおすすめの「お箸」をご紹介していきます。これを機に「お箸」に込められた思いや魅力を感じてみませんか。
皆さんは箸置きを使っていますか?家での食事に箸置きは面倒、テーブルに直に置いたり、ついお皿や椀に置いてしまう…という方も多いのではないでしょうか。箸置きは小さな存在ですが、きちんと使うことで和食のしつらえが美しく決まりますし、何より“箸を箸置きに置く”そのひと手間が、丁寧な食事、ひいては丁寧な暮らしの第一歩にもなります。来客時やおもてなしのシーンでも、さっと出せればとてもスマート。お好みの箸置きが見つかったら、ぜひ日々の食卓に取り入れてみてくださいね。
日本人なら毎日のように使う箸ですが、箸置きは一緒に使っていますか?食卓に箸置きを置くだけで、いつもの食卓が表情を変え素敵になります。ご飯の時間をより豊かにする可愛い箸置きについてご紹介します。
人気ブロガーさんやインスタグラマーさんの食卓には素敵な箸置きがさりげなくちらりと見えて、丁寧な暮らしぶりを感じさせてくれます。箸置きはとてもちいさなアイテムですが、これがあると食事の仕方まで丁寧になるから不思議です。デザイン性の高い箸置きがインスタ映えするというのはすでに実証済み!あなたの食卓にもちいさな美しさをプラスしてみませんか?
食事をするときに欠かせないお箸。毎日のように口にするお箸は器と同じくこだわりたいものですね。長くお気に入りを使うのも良いのですが、お箸には替え時があります。正しいお手入れ方法を知り、頃合いを見て新しいものに替える、そんな暮らしがいいのかもしれません。毎日使うものだからこそこだわりたいお箸についてまとめました。
※画像は『秋田の極細箸/黒(墨味)』(後出)。