出典: 日本古来の伝統工芸品として世界的に広く知られ、海外でも高い評価を得ている『漆器』。
中国の陶磁器を英語で「china」と表記しますが、同様に日本の漆器は「japan」と呼ばれているのをご存知ですか?
長い歴史を持つ漆器は17~18世紀頃にはヨーロッパの王侯貴族の間でブームとなり、現在でも日本の伝統漆器は海外から注目を集めています。
出典: 昔から日本人の暮らしに欠かせない道具として親しまれてきましたが、漆器は“デリケートなもの”というイメージがあり、普段使いにはもったいないと敬遠されがちです。
「扱い方がよく分からない」、「お手入れが大変そう…」と思っている方も多いと思います。
そこで今回は漆器の洗い方や保管方法など、基本のお手入れ方法をはじめ、日常使いにおすすめの素敵な漆の器をご紹介します。
大切に使い続けるために。覚えておきたい『漆器の基礎知識』
出典: 漆器に使われている「漆(うるし)」とは、漆の木の樹液を加工してつくられた、天然樹脂の油性塗料のひとつです。漆の塗装や接着性を生かした工芸技術、“漆塗り”の技法により作られる工芸品を「漆器」と言います。漆を使って仕上げた漆器は独特の艶が美しく、耐久性・耐水性・保温性に優れているというのも大きな特徴です。
出典: また、漆で仕上げた器はほかの塗料とは違い、使えば使うほどに独特の風合いが増すのも特徴です。色・艶の経年変化を楽しみながら、長く愛着を持って使い続けることができます。乾燥が苦手な漆器は“使うことが一番のメンテナンス”だと言われますが、日常的に使うことで必要な水分が補給され、乾燥するのを防ぐことができるそうです。
出典: 漆器は扱い方が難しそうなイメージがありますが、基本の洗い方はとってもシンプルです。使用後は台所用洗剤を使い、やわらかいスポンジ(またはやわらかい布)で洗います。洗った後は木綿の布巾などで拭きます。特に重箱の隅には水気が溜まりやすいので、水分が残らないようしっかり拭き取りましょう。
出典: 漆器は使えば使うほどに美しい光沢が生まれ、独特の味わいが増していきます。そうした漆ならではの経年変化も魅力の一つですが、長く大切に使い続けるためにも、使用する際は以下の注意点に気を付けましょう。
・洗う時は漆の塗膜が傷つかないよう、漆器だけ別にして洗う
・漆は紫外線に当てると劣化してしまうため、直射日光には当てない
・急激な温度変化や乾燥に弱いため、食洗器・乾燥機・電子レンジの使用は避ける
・ヒビがある部分から水が入ると漆が剥がれる原因となるので、長時間水に漬けるのはNG
出典: 新しい漆器は漆独特の匂いを感じる場合がありますが、使っているうちに徐々に臭いは消えていきます。使い始めの時にどうしても気になる場合は、一度ぬるま湯で洗うと匂いが抜けやすくなるそうです。
出典: 食器棚に収納する際は、陶器やガラス製品などで傷つけないよう、漆器だけの場所を設けて収納しましょう。漆器は日常使いすると乾燥を防ぐことができますが、長期間使用しない場合には、水を少し入れたコップなどを食器棚に置いておくといいそうです。
出典: 使っているうちに漆器にヒビが入ったり、傷が付いてしまう場合があります。その際には購入した漆器店、または修理専門の業者に相談してみましょう。修理が可能な場合には、必要な手入れを施し再生させることで、長く使い続けることができます。
もっと日常にも「漆」のある生活を♪普段使いにおすすめの漆器
「漆」というとお正月など特別な日に使うものというイメージがありますが、使うほどに味わいを増す漆器は、普段の食卓にこそ取り入れてほしい器です。
最近では洋食器にもマッチするモダンなデザインや、コンパクトに収納できる機能的な漆器も販売されています。そんなおしゃれで日常使いしやすい、とっておきの素敵な漆器をご紹介します♪
【TIME&STYLE(タイムアンドスタイル) TUBAKI椀】
出典: 伝統的な漆職人の手で、一つ一つ丁寧に作られる漆塗りの汁椀。口触りも手触りも優しい「TSUBAKI椀」は、和食器にも洋食器にも馴染むシンプルなデザインが特徴です。天然漆を使用しているので使うほどに味わいが増し、“育てる”楽しさが味わえるのも大きな魅力です。
出典: 形は女性の手にすっぽり収まるサイズの「丸椀」、浅くて口径が広い「平椀」、少しだけ反り返った端の加工が美しい「端反椀」の3つから選ぶことができます。色味は鉄を混ぜて発色させる「真塗」、染料を混ぜて発色させる「朱塗」、朱の下塗りに茶褐色の透き漆で上塗りした「溜塗」の3種類。同じ形状のお椀でも、色みによって異なる雰囲気を楽しめます。普段使いの器に合わせて、ぜひお気に入りの逸品を選んでみませんか?
【我戸幹男商店(がとみきおしょうてん) AEKA(あえか)】
出典: 100年以上の歴史を持つ老舗工房「山中漆器」の職人技術と、現代の食卓にマッチするモダンなデザインを融合した「AEKA(あえか)」。 “あえか”は美しくか弱げな様、儚げな様という意味があるそうです。その名の通り、薄く仕上げた木地や華奢なシルエットなど、繊細かつ洗練された美しさが際立つ逸品です。
出典: 木地に漆を塗っては拭き取る作業を繰り返す“拭き漆(ふきうるし)”の技法で仕上げたブラックのAEKAは、うっすらと木目が浮かび上がるナチュラルな風合いも魅力。黒い漆のお茶碗にご飯をよそおうと、白米の美しさがさらに引き立ちます。食卓に上質な漆の器を取り入れるだけで、いつもより贅沢な気分が味わえそうです。
出典: 江戸中期から200年以上に渡り、越前漆器の伝統技術を継承する「漆琳堂」。職人の手によって丁寧に作られる長手角のお弁当箱は、シンプルかつ端正なフォルムが特徴です。バッグに仕舞いやすいすっきりしたデザインなので、日常使いのお弁当箱にぜひおすすめです。
出典: 色は朱・黒・白の3種類があり、朱と黒は漆ならではの美しい色合いを、白はナチュラルな木の風合いが楽しめます。以下の箸箱と箸も同じデザインで作られており、色味を揃えて使うことができます。
出典: 漆琳堂が手掛ける拭き漆で仕上げた箸箱は、スライド式の箸箱が箸置きに変身するというユニークなデザインが特徴です。写真のように箸箱から箸を台ごと取り出し、先端部分に箸先をのせると箸置きの完成。お弁当を食べる時に意外と困ってしまうのが「箸の置き場所」ですが、これならテーブルもお箸も汚さず、快適なランチタイムが過ごせそうですね。
出典: 色は長手角のお弁当箱と同じく、朱・黒・白の3色展開。素材は国産ヒノキを使用しており、拭き漆の技法で美しい木目を活かし、素材そのものの風合いを楽しむことができます。箸箱はスライドさせて台とケースに分解できるので、洗いやすく衛生的に使用できるのもポイントです。
出典: 上記のお弁当箱や箸箱とセット使いできるのが、こちらの拭き漆の弁当箸です。3つとも同じ色味で揃えれば、ランチタイムがさらに楽しくなりそうですね♪職人さんが丁寧に仕上げた上質な弁当箱・箸箱・弁当箸は、どれも自分用はもちろん、大切な方へのプレゼントにもぜひおすすめです。
出典: こちらは越前漆器の老舗、「漆琳堂」が手掛けた美しいお重です。「重箱」というとお正月など特別な日に使うイメージがありますが、こちらは4.5寸(13.5㎝)という小ぶりのサイズ感なので普段使いにも最適です。2~3人分のおせち料理をはじめ、お弁当や和菓子、酒肴の盛り皿にもちょうどいい大きさです。
出典: 外側は茶褐色の透き漆で上塗りした溜塗、内側は鮮やかな朱赤で仕上げています。漆独特の美しい艶が料理を引き立て、普段の食卓を華やかに演出してくれますよ。漆は本来丈夫なもので、使うほどに美しい光沢が出て味わいが増していきます。お正月などの特別な日だけでなく、毎日の食事やお茶の時間など、普段の生活にもぜひ取り入れてみてはいかがでしょう。
出典: 日本デザインストアのオリジナル重箱は、現代の食卓にマッチするモダンなカラーがとってもおしゃれ。旅館や料亭の漆器を手掛ける越前漆器の老舗工房に特注し、職人さんが一つ一つ丁寧に仕上げた逸品です。重箱のカラーは「深紅・鈍色・漆黒・金煌・銀煌」の5色に加えて、フレンチシックを思わせるおしゃれな3色セットを展開。サイズは6.5寸(約19.5㎝)の大と、4.5寸(約13.5㎝)の小の2種類から選ぶことができます。
出典: さらにこちらの重箱の大きな特徴は、料理を小分けにできる「仕切りカップ」が付いていることです。重箱内をブロックごとに分けて盛り付けられるので、料理の色移りや味移りなどを防ぐのに役立ちます。重箱は大・小ともに1段から購入可能なので、好きな色を組み合わせて自由にコーディネートできるのも魅力。見た目にも実用性にもこだわったモダンな重箱は、日々の食卓をより楽しく華やかに演出してくれそうです。
出典: 漆器を日常に取り入れたいけど、収納場所に困る…。という方は、スタッキング可能な漆器を選んでみませんか?こちらの「応量器」はもともと禅宗の僧侶が使用する食器で、それぞれの器に定められた料理を盛り、托鉢の際にはお布施を受けるものとして使用されます。本来は禅僧が修行の際に持ち歩く器ですが、シンプルかつ機能的な応量器は、現在ではミニマリストの間で人気が高まっています。
出典: こちらの応量器を手掛けたのは、明治41年創業の老舗「我戸幹男商店」。伝統のろくろ挽きにより製造された応量器は、漆独特のなめらかな表面と、木の優しい手触りが特徴です。表面は艶やかな拭き漆で仕上げており、ケヤキの美しい木目を楽しむことができます。サイズの異なる6種類の器がセットになっており、食器は入れ子方式でコンパクトに収納可能。食卓にあるだけでほっと心が和むような、温かみのある愛らしいフォルムも魅力の逸品です。
出典: こちらのカップはその名の通り、いくつも重ねて収納できる漆器のスタッキングカップ。我戸幹男商店の高度なろくろ挽き技術によって作られ、漆ならではの美しい艶と、木の優しい風合いが楽しめます。シンプルなデザインなので和食器にも洋食器にも馴染みやすく、普段使いからおもてなしまで、幅広いシーンに使用できます。
出典: カップの縁が厚く作られているので、重ねても倒れにくく、なおかつ持ちやすい形状になっているのもポイントです。カラーは黒と赤の2色が展開されており、どちらも拭き漆独特の光沢と、ケヤキの素朴でナチュラルな質感が楽しめます。口触りも手触りも優しい上質な漆器のカップは、手に取るだけでちょっぴり贅沢な気分が味わえますよ♪
出典: 使えば使うほどに味わいが増し、色と艶の経年変化を楽しめる「漆の器」。
“扱い方が難しい”というイメージがありますが、使用する際の注意点さえ覚えておけば、基本のお手入れ方法は意外と簡単です。
クリスマスやお正月、毎日の食卓やティータイムなど、ぜひ日常に「漆」を取り入れて日々の食卓をおしゃれに演出してみませんか?
日本古来の伝統工芸品として世界的に広く知られ、海外でも高い評価を得ている『漆器』。
中国の陶磁器を英語で「china」と表記しますが、同様に日本の漆器は「japan」と呼ばれているのをご存知ですか?
長い歴史を持つ漆器は17~18世紀頃にはヨーロッパの王侯貴族の間でブームとなり、現在でも日本の伝統漆器は海外から注目を集めています。