日本の伝統「藁」の魅力
藁の良さはなんといってもその温もりにあります。柔軟で保温性があるので、日本人の生活とは切っても切り離せないものとして根付いてきました。現代の生活では見ることも少なくなってきましたが、その文化は後世に伝えていきたい大切な宝ものです。その為の活動をしながら素敵な藁の道具を生み出しているのが「工房ストロー」なのです。
「工房ストロー」
「工房ストロー」が活動しているのは、東北の米どころ山形県。ストローとは英語で藁のこと。稲作が始まった遠い昔から伝えられた知恵を継承し、未来へつなぐ場所としてワークショップや藁で作った製品の販売をしています。
こちらが代表の髙橋 伸一さん。元はお役所勤めをされていたのを辞めてから工房ストローを立ち上げました。農村の「宝」である技術をうけつぐ者がいない現状を前にして、自らその後継者となる道を選択されたそうです。髙橋さんの優しい人柄も、藁細工の中に滲みでている気がします。
繊細な細工が美しいランプシェードも藁で編まれた髙橋さんの作品。
農家民宿「森の宿」で開かれるワークショップはいつでも人気です。和気あいあいとした和やかな雰囲気の中で、藁細工の技に触れることができます。
藁の道具
ミニわらぐつ
農家で使われていた藁の履物「じんべ」のミニチュアです。何気なくお部屋に飾っておくと、ほっこり優しい気分になれそう。"一生わら(藁)って暮らせるように"という縁起ものでもあるので、赤ちゃんのファーストシューズとしても喜ばれます。
卵つと
卵を割れないように持ち運ぶ「卵つと」には昔の人の知恵が詰まっています。こんな風にきっちり卵を入れておけるなんてびっくりですね。この卵つとには木製の卵が入っていて、そのままお部屋に飾っておけます。本物そっくりの通常サイズとミニサイズの二種類があり、どちらも注文を受けてから手作りで作られる素敵なオブジェです。
うま
飛び跳ねるような姿が可愛いうまのオーナメント。藁の中でも稲穂に近い部分だけを集めて作られています。うま(馬)くいくように、という願いをこめて、贈り物に添えて渡すのもおしゃれな心遣いです。
いぬ
こちらはちょっと後ろをふり返った「いぬ」のオーナメント。くるんと巻いた尻尾から首輪にいたるまで、細かな部分まで繊細に作られています。犬は古くから安産の象徴とされ、妊婦さんに贈られたり犬好きの方にプレゼントするのも喜ばれそうですね。
ボトルケース(ワイン用)
藁で編まれた「ボトルケース」は藁細工の利便性を十分に表現しています。ぴったりフィットして持ちやすい形状は、丁寧な手仕事だから出来るもの。実はとても複雑に編まれているんですよ。ワインをプレゼントする時などに、こんなアイテムがあれば非常に喜ばれそうです。
蛍かご
夏の情緒を演出してくれる「蛍かご」は虫の音を楽しんだり、蛍を入れて明かりを楽しんだりするのに使われていたものです。実際に虫を入れることも出来ますが、インテリアとして取り入れたい魅力的な形をしていますね。サイズはL、M、Sの三つが用意されています。
こちらは吊るすタイプの蛍かご。ゆらゆら風に揺れる様子を眺めるだけで、涼しさを感じられそうです。
藁で出来た暮らしの道具
他にもオンラインショップには暮らしに取り入れたい、素朴で温かな藁の道具が揃っています。全て注文を受けてから制作する手間のかかったものばかり。
また天然の藁を使っているので、それぞれ出来上がりの色あいも異なります。お手元に届く藁細工はまさに自分だけの一品と言えますね。
伝統の良さを再発見してみましょう
昔から使われているものには、それだけの理由と良さがあります。忙しい日常で少し立ち止まって、優しい手触りの藁の道具たちに触れてみませんか? きっと元気を貰えるはずですよ。
稲作の後に出る藁は、昔から色々な道具の材料として農家の方に重宝されてきました。縄を綯ったり、ムシロを編んだり……神社のしめ縄なんかもそうですね。昔は生活の中の色んなものを藁で作っていたんです。