ピン!と張り続けた糸は、いつか切れてしまうから。
でも・・・その一生懸命な心、知らず知らずのうちに張りつめていませんか?
ピン!と張った糸は、そのままにしておくと思わぬタイミングで切れてしまうもの。適度に緩めておくことで、必要な時にまた「ピン!」と張り直すことができますよね。
そのように、「いつも頑張っているあなた」から、「メリハリ上手なあなた」へとアップデートしてみませんか?
気を張りすぎない為に。暮らしにメリハリをつける《テクニック》
【1】1日の時間帯をパーツに分けて、自分の時間割をつくる
❶
まずはじめに、1日の時間帯を、3~6パーツにわけてみます。時間帯を分けるポイントは、ご自身の家族構成・ベースとなるライフスタイルに合わせること。良い区切りを意識しましょう。
<1.シンプルに分けた場合>
朝/昼/晩
<2:幼いお子さんがいる家庭の場合>
起床~子ども見送り / ~昼食 / ~子ども帰宅 / ~夕食 / ~子ども寝かしつけ / ~就寝
<3:日中働いている方の場合>
早朝 /~出勤 /(仕事)/~帰宅 / 夜前半 /夜後半
次に、それぞれ分けたパーツに「テーマ(何のための時間か)」を割り当てて、時間割表をつくります。
例えば、上で挙げた<3:日中働いている方の場合>を取り上げてみると…
・早朝:『自分』の時間
・~出勤:『家事』の時間
・~帰宅:今夜~明日に向けた『段取り』の時間
・~夜前半:『家事』&『家族』の時間
・~夜後半:『自分』の時間
細分化せずに、大まかな時間帯でパーツ分けしても大丈夫。
普段、隙間を狙って「あわよくば自分時間を…」と思っていると、次から次にToDoが舞い込んでくるごとに焦ったりイライラしたりもしがちに。また。「気付いたら息抜きする暇さえなかった」という、疲労感に襲われやすくなります。
でも、そのような方でも、大まかな時間枠でタスクをコントロールしてみると… 心にゆとりが生まれまやすくなりますよ*予め「自分のための時間帯」を確保できることに、安心感がわいてきます。
大まかな時間帯でいいので、日々細かい時間を見積もって予定を立てることに苦手意識がある方にも、オススメの方法です。
お子さんがいる家庭では、休日に「Cの時間帯で約束があるから子どもたちをお願い。その代わりAの時間帯はパパがゆっくりしてね」など、スムーズに役割を分担しながらメリハリもつけやすくなるでしょう。
【2】「アイビー・リー・メソッド」を取り入れる
20世紀前半、鉄銅会社の社長に経営の効率化を相談されたコンサルタントであるアイビー・リー氏が考案したメソッドです。
1.前日のうちに、紙に「明日やるべきこと」を6つリストアップする
2.1のリストに重要度の順位をつける
3.翌日、2の順番に沿って「やるべきこと」を行う
4.全部できなかった場合は、潔く忘れる
5.夜になったら、改めて明日のに向けて1を行う
この方法の大きなメリットは、大きく2つ。
1つ目は、リストアップは6項目までということで、「着手するのはその日重要なことのみに絞られている」ため、闇雲にToDoリストを作っているよりも終わりが見えやすい点。
2つ目は、着手すべきこととその順番まで予め明確になっているため、「迷いなく目の前のことに集中できる」という点。というのも、様々なことを同時に考えこなしていくマルチタスクは、脳を疲弊させる一番の要因の一つで、1つのことに集中している時よりも生産性が40%もダウンする、というデータもあるのです!
このメリットのおかげで、普段よりも早くタスクが片付き、気持ちよく自分時間を生みだしやすくなるでしょう。
リストをこなす「終了時間」をあらかじめ設定すことも、お忘れなく。
ちなみに、1のリストの6項目に取り掛かる時間帯を決めておくのを忘れずに。
1日中それに向かっていては、結局「やるべきこと」しかやれません。終わりの時間が来たら、例えリストが残っていても「潔く忘れる」のもこのメソッドの大事なポイント。店じまいしたら、あとはあなたのリラックスや趣味の時間に充てることで、メリハリが生まれますよ。
【3】気分を切り替える「アクション」を決める
そういったことを防ぐために、1日の決まったタイミングで、節目として機能してくれる「アクション」を決めましょう。
・掃除機をかける
・鏡の前で歯磨きをする
・ストレッチをする
・コーヒーを淹れる/買いに行く
座りっぱなし・動きっぱなしの状態でも「時間になったら必ずこのアクションを起こす」と決めていれば、緩急のある時間間隔を作る機会に。
動き続けてひたすら一生懸命だったけれど「今日はこのくらいで平気かも」、立ち上がるのも億劫だったけれど「さて、そろそろ動き始めるか!」―― と、それまでの流れを断ち切る句読点的な役割を果たし、メリハリを生んでくれるでしょう。
【4】当然と思っていた「ゴール」が、適切かどうか見直す
ところが―最初は「私もあんな空間で暮らしたい!」というワクワクした憧れが、いつしか「ああなるまで片づけなきゃ!!」という義務感や飢えに変わっていませんか?
数値などで結果が見えない「仕事」や「家事」となると、なおのことです。
それによって作業量は増大し、メリハリをつける暇さえ奪われることに…。
「完璧」ではなく、「昨日よりも良い状態」が、あなたのゴールかもしれない
【5】「やらない」ことを決める
そこで特に「なんでも自分一人で抱え込んで頑張るうちにメリハリがなくなる方」にオススメなのが、思い切って「やらないことを決めてしまう」という方法。
メリハリをつけるための時間を積極的に生み出すべく、自分を縛っていたルールに対して、ある意味戦略的に「妥協」するのです。
→ 週に一度は、テイクアウトやデリバリー、買ったお惣菜でOK!
■毎日やっている掃除や洗濯をやめる
→ 1日おきでOK!
■仕事のメールや電話に終日即対応するのをやめる
→ 20時以降の連絡へのレスポンスは明日でOK!
その「当たり前」はあなたにとって本当に必要?
たとえ話をおひとつ。
ある作家の方は、自分が本を読む時間を確保したいがあまりに、一人暮らしの頃はもちろん、子どもが生まれてからもお風呂は毎日じゃなくてOKとしながら暮らしているのだそうです。
確かに、本人や誰かが大きな迷惑をこうむらないなら、毎日お風呂に入って不機嫌でいられるよりもよほど健全で清々しいですよね。
一般常識やマイルールの観点で「やって当たり前」と思うことも、自分のメリハリを優先して見直してみると・・・「やらなくて大丈夫!」と思えることが見つかるかもしれません。
【6】テックブレイクを取り入れる
そこで、いつも傍らにあるスマホとメリハリをつけてうまく付き合いたいあなたにオススメなのは、「テックブレイク」という方法。
1.1分間だけスマホを操作します。メールチェック、SNSの確認など、お好きにどうぞ。
2.スマホの電源を切り、キッチンタイマーなどで15分のアラームをセット。
3.タイマーが鳴ったら、再び1分間だけはスマホ操作OKの時間。1分経過したら2へ…。
さらに、もし可能であれば、電源オフにする時間を20分、25分、30分と徐々に伸ばせるようになると、よりメリハリが生み出しやすくなるでしょう。
「メリハリ上手」は「生きかた上手」
少し意識を変えたり新しい方法を取り入れたりするだけで、これまで「とにかく頑張って」過ごしていたあなたにもふとした隙間がきっと現れます。
メリハリを上手につけることは、自分らしく上手に生きること。ぜひしなやかにあなただけの時間を生み出していってくださいね。
1日=24時間を、目盛りが刻まれた定規のような「線」でとらえるのではなく、「いくつかのパーツが連なってできている」ようなイメージで捉えてみましょう。