心の痛みで苦しんでいるあなたへ。つらい気持ちを和らげる「心の頓服」

「心の頓服」持っていますか？

ご自身の心の手当て、できていますか？つらくなったとき、ただ苦しみ続けてはいませんか？「心の頓服」で自分の心のケアができる。その事実があるだけで、どれだけ安心できることでしょう。

今回は、「今すぐどうにかしたい」「いやな気持を引きずらない」「次の行動につなげる」の3段階に分けて、セルフケアの方法をご紹介します。今のご自身の状態に合わせて、できそうなところからお試しくださいね。

今すぐどうにかしたいとき

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つらくてたまらないとき、不安でいっぱいのとき。ストレスのピークにあって、今すぐどうにかしたいときこそ、「心の頓服」が必要です。まずは安全な場所で落ち着くこと、そして圧倒される感情からあなた自身を解放します。

まずは落ち着こう

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気持ちが高ぶり、いてもたってもいられない。大きく膨らみすぎた不安に押しつぶされそう。苦しくてたまらない……。今のあなたは、意識のほとんどが感情や気持ちにフォーカスしている状態です。
そんなときは、身体感覚に意識を向けるようにすると、自然と落ち着きを取り戻すことができます。

・自分の身体をさすったり、やさしくトントンしたりする。
・ストールや毛布にふんわりとくるまれる。
・クッションやぬいぐるみをぎゅっと抱きしめる。
・深いため息をつくように、大きく息を吐く。
・体にギューッと力を入れたあと、ぱっと力を抜く。

心のなかで誰かとつながる

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つらい気持ちのとき、自分はひとりぼっちだ、誰も助けてくれないと思いがちです。その思考がますますあなたの心を孤独にさせ、つらい気持ちが増幅してしまいます。そんなときは、心をひとりぼっちにさせないことが大切です。

・好きな人、憧れの人、慕っている人を思い浮かべる。
・好きな動物、キャラクターを思い浮かべる。
・どう助けを求めるか、調べたり考えたりする。
・自分をとりまく人たちを書き出してみる。
・相談できる人に連絡を取り、話を聞いてもらう。

あふれる感情や思考は書いて追い出そう

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今あなたが抱えているストレス、それに対する感情は、とにかく外に追い出してしまうことです。ストレスの原因をどうにかしようとしたり、ネガティブな感情を禁止したりするのではなく、ただ「そこにある」と気付くこと。そのためにも、「紙に書く」ことが有効なのです。

・自分ではどうにもならない、物理的なストレスは何？
・仕事や家庭、人間関係で抱いているストレスは？
・日常生活でたびたび感じるプチストレスはある？
・心身の健康面で、どんなことに困っている？
・過去のトラウマで苦しんでいることは？

マインドフルネスで心を静める

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ざわついた心を静めるには、マインドフルネスが効果的です。「何も考えない」ようにするのではなく、ただ単に「～と思ったな」「～と感じるな」というように、ありのままに気付きを向けます。そして、消えるに任せて手放す。永遠に続く感情や思考などないのです。

・味覚や嗅覚、聴覚など、身体感覚に集中する。
・浮かんでくる考えすべてに、「～と思った」をつける。
・感情やイメージが浮かんだら、「～を感じる」「～のイメージが見えた」「～と聞こえた」と言い表す。
・感情や思考をたんぽぽの綿毛やシャボン玉に見立て、ふぅっと吹き飛ばすイメージをする。
・思ったこと、感じたことを、ひたすら紙に書き出す。

いやな気落ちを引きずらないために

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ひとまずストレスのピークは去ったものの、不快な気持ちが残っているとき。ずるずると引きずらないためには、心と身体の緊張をほどく「心の頓服」が効果的です。

滞った「気」を外に出そう

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同じことをずっと考え続けたり、悩み続けたりしていると、身体の中で「気」が滞り、さらに悪循環を繰り返してしまいます。内側にたまった「気」を外側に出すのが、「気晴らし」です。
あなたの気晴らしになる行動は何でしょうか？些細なことでも結構ですので、思いつくままにリスト化してみましょう。

・今すぐできることは？
・家の近所でできることは？
・家の中でできることは？
・外に出てやりたいことは？
・誰かの力を借りるとできることは？

リラックスして疲れた心身を休める

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ストレスを感じているあなたは、心も身体も緊張し続けている状態です。ぎゅっと力が入ったままだと、息がうまくできなかったり、肩こりや頭痛に悩まされたり、つらい状態から解放されません。そんな心身を休めるためには、緊張をゆるめる何らかの行動をとることです。

・仰向けに寝転んで、全身の力を抜く。
・ラベンダーなどのアロマを焚き、香りをあじわう。
・目を閉じ、森林や海辺などの景色をイメージする。
・あたたかい飲み物を、ゆっくりといただく。
・ため息のように細く長く息を吐き、鼻から吸う。

あなたの好きなことは何？

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あなたの心がほっと和んだり、安心したりするものは何でしょうか？身のまわりにある、好きなもの、楽しくなったりうれしくなったりすることは何でしょう。そういったもの、ことを探したり見つけたりする。その行動が癒しにつながります。

・どんな景色を眺めるのが好き？
・見かけるとうれしくなる生きものや草花は？
・ショッピングではどんな色や形のものに目が行く？
・見ていて飽きないSNSのハッシュタグは何？
・つい集めたくなるアイテムはどんなもの？

問題解決や次の行動につなげる

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もうつらい思いはしたくない、こんなストレスフルな状態は二度と繰り返したくない。このように感じているあなたは、ストレスの原因から少し距離をおき、冷静に事態を観察できるようになっています。そんなあなたに必要なのは、問題解決や次の行動につなげる「心の頓服」です。

もう一人の自分と対話してみる

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「もうダメだ」「どうせ自分なんて」というように、つい心のなかでつぶやいてしまう言葉。このような思考が頭をよぎると、つらい気持ちになったり、苦しくなったり、あなた自身を傷つけてしまいます。
そんなときは、「もう一人の自分」と対話してみること。新たな思考を作り出し、自分で自分を励ますことができます。

・「どうしてダメだと思ったの？」と問いかける。
・「ダメじゃないところを探してみよう」と励ます。
・「どんな言葉をかけてもらったら楽になる？」と聞く。
・「あなたはじゅうぶん頑張っているよ」と慰める。
・「きっと大丈夫だよ、うまくいくよ」と寄り添う。

課題を細分化して取り組みやすくする

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あなたの目の前にある問題や課題。大きすぎて「どうにもならない」と諦めていませんか。小さく、細かく小分けにすることで、確実に解決していくことが大切です。「自分にもできた」というささやかな達成感が、あなたの自信を取り戻し、前を向いて生きていく力となります。

・部屋が散らかっている → 引き出しひとつ分だけ片付ける
・苦手な人がいる → 挨拶だけはにこやかにしてみる
・太っている自分が嫌 → できるだけ階段を使う
・朝起きられない → とりあえずカーテンは開ける
・何をやっても続かない → 物足りないくらいの量で続ける

コーピングレパートリーをふやす

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ここまでご紹介してきた「心の頓服」は、すべて「コーピング」とよばれるものです。「コーピング」とは、ストレスから自分を守ったり助けたりする、対処法や工夫のこと。

それぞれ具体的な例をいくつか挙げていますが、それに限らず、あなた独自の「心の頓服」のレパートリーを増やすことが大切です。そして、いつでもどこでも使えるよう、手帳やノートに書きとめ、お守りのように持ち歩きましょう。